カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 会社勤めの頃は朝日と日経2紙を購読していました。日経は学生時代に「社会人になったら日経を読め!」とゼミの恩師から云われ、朝日はシンガポールから帰国後、「天声人語が良く受験に出るから」と奥さまが子供のためには朝日!と強要された結果。無子供たちが巣立った後も、捏造問題で朝日離れが進む中でも、政治経済の記事は日経を読み朝日の記事は一切読まなかったので、そのまま朝日新聞を購読していました(「人」に関する朝日の記事は好きでした)。
定年退職後に選んだのは日経と不義理にならぬよう「お悔やみ欄」の一番充実している地元のタウン紙。日経を継続したのは、政治経済記事に一番“色”が無く、読者自身が自分で判断すれば良いことが一番の理由なのですが、それに留まらず、例えば文化欄も一般紙に負けぬほど充実しています。更に、意外なことに、プロ野球のナイトゲームなどがどんなに遅く終わっても、地元紙並みにその結果が掲載されていることも大きな理由。それは一番遅い最終版の紙面が委託している地元紙の印刷所で印刷されているからなのです。

 前置きが長くなりましたが、最近の日経の経済蘭に面白い記事がありました。それは、「鯖」に関する記事。
今や国内マーケットに流通するサバは5割以上が輸入で、その殆どがノルウェー産なのだそうです。確かに、スーパーの魚介コーナーに並んでいる「塩サバ」はノルウェー産しか目に付きません。そして面白かったのは、築地市場などの専門の業者も「塩サバ」で薦めるのは国産ではなくノルウェー産なのだという件(くだり)。
 「えっ!そうなの・・・??」
記事によると、年中漁獲している我が国と異なり、ノルウェーのサバは脂の乗った旬の時期にしか漁獲しないのだとか。従って30%も脂質があり、焼くと全然違うのだそうです。また国産のサバは小型のモノが多いのに対し、ノルウェー産のサバは大型なのだとか。
そう云えば、シンガポール駐在時代、赴任者仲間と行っていた和食の定食屋さん。鯵の塩焼き定食は、日本でお馴染の鯵と云うより、ゼイゴの無い大型のイエローテイルで大味で美味しくないのですが、塩サバはノルウェー産なのでしょう、日本で食べていた味でしたので、そのシンガポールの定食屋さんでも「塩サバ定食」がランチの人気メニューでした。

 勿論、鮮度が命の生や〆サバなどは地元水揚げされたサバですし、「関サバ」(30年前くらいでしょうか?・・・。東京へ出張して出張先のメンバーと一緒に夜飲んだ時に、初めて食べた関サバの刺身。「生の関サバって、こんなに美味しいのか!」と驚いたことを思い出します)や「金華サバ」などに代表される、所謂最近のブランドサバは別格だと思いますが、国産の小型のサバは最近人気の水煮などの缶詰用として加工され、かなりの割合でサバ缶として輸出されているのだそうです。

 秋の旬の味であるサンマが、近海の海水温上昇と、和食人気の高まりで中国などの漁獲量が急増した結果、日本の漁獲量が半減し、だんだんと“庶民の味”では無くなりつつある現在(でも、今年は久し振りに豊漁!)、漢字で魚偏に青いと書くサバは栄養価も高く、焼き魚としての「塩サバ」はずっと優等生なのかもしれません。

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