カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 清水寺からの帰り路。産寧坂を下ります。
インバウンドの皆さんに人気の清水寺で、しかもこの日は日曜日。参道の清水坂は勿論、お土産屋さんや和カフェと呼ばれる抹茶や甘味処の店など、日本人よりも外国人観光客でどこも大変な混雑。そうした混雑を避けて休憩に入ったのは、産寧坂の途中に見つけた「イノダコーヒ」。
因みに、正式店名は「コーヒ」で、一般的な「コーヒー」の様に長音符(音引き)である「ー」が付いていません。思うに、1940年という創業当時の「珈琲」本来のカタカナ読みなのでしょうか。
 店内にはさすがにインバウンドのお客さんは一人もいなくて、落ち着いた店内。東屋風の庵の建つ庭園に面していて、老舗料亭が入る「青龍苑」とのこと。他にも京雑貨の土産物屋さんやお香、八ツ橋、京つけもの屋さんなどが並んでいます。
私にとっては、学生時代に何度か通った懐かしのイノダコーヒ。いつものシアトル系ではありませんが、ケーキセットを頼んだ家内たちにもブレンド珈琲の味わいが意外と好評でした。

 そこで翌日、河原町の近くに在るイノダコーヒの本店に朝食を食べに行ってみることにしました。
場所は寺町の先の堺町通三条下る。河原町三条から新京極を抜けて、途中懐かしの十字屋や、如何にも京都らしい扇子のお店など昔から続く店舗も並ぶ通りを抜けて西へ進みます。
暫く行くと、イノダコーヒの三条店がありますが、三条店は確か大きな丸テーブルがあって、一人ならこちらの方がお薦めですが、今回はせっかくなので歴史を感じる本店へ。

 町屋風の外観とは違って、店内はホテルロビーの様な開放感ある天井の高い空間(40年前もこうだったか、記憶は不確かですが・・・)。京都に根付いている老舗の喫茶店は、我々の様な観光客よりも、むしろ地元のお客さんの方が多い様です。毎日来られるような常連のご老人が、スタッフの皆さんと挨拶を交わしておられ、ここで決まったブレンドを飲みながら、店内に置かれた京都新聞や、阪神タイガースの記事ばかりが目立つスポーツ新聞を読むのも、日常的なルーティンであり、毎日繰り返されるごく当たり前の風景なのでしょうか。
 二人共、イノダ名物(?)のモーニング「京の朝食」(1440円)をオーダー。
喫茶店のモーニングセットとしては少々お高めかもしれませんが、大きめのお皿に盛られたたっぷりの野菜サラダに、スクランブルエッグと軽く炒めたボンレスハム二枚に櫛型のオレンジも添えられたモーニングプレート。そしてオレンジジュースとクロワッサンも付いて来て、実にボリューミーです。
選んだ珈琲は二人共昨日と同じで、私メがモカベースの「アラビアの真珠」で家内は「コロンビアのエメラルド」。イノダのマークがプリントされた厚手で深めのコーヒーカップに入れられた「アラビアの真珠」は私好みの深焙りタイプで、久し振りの濃い目で酸味の効いたモカベースの珈琲が美味。松本だと、マルモの珈琲の味を思い出します。
家内も昨日飲んだ「コロンビアのエメラルド」が気に入ったらしく、シアトル系やいつものアメリカンタイプではなく、イノダの濃い目のブレンドを美味しいと珍しく喜んでいました。

 京都の街は、歩いていると懐かしかったり珍しかったり、結構面白いモノに出会えます。
例えば、産寧坂の老舗の漬物屋さんの店頭に積まれていた、千枚漬に使うであろう聖護院カブ。観光客向けのディスプレイにしても、如何にも冬の京都らしい風景です。
また東山で夕方見つけた、外国人向けのゲストハウスの看板犬ジロー。昼間の仕事疲れで、道に面したウィンドウ越しに只今休憩中とか・・・。気持ち良さそうにグッスリ寝ていて、思わず「お疲れさま!」。
岡崎公園に置かれていた、懐かしの京都市電。河原町通りを走る市電を、私メも毎日通学で使っていました。もし今も残っていれば、LRTとして京都の観光を支える先端の都市交通になっていたかもしれません。
最後に、京都駅の烏丸口に置かれていた「羅生門」の復元模型。1/10のスケールトのことですが、横8m縦2.4mという結構な大きさ。平安遷都1200年を記念して、宮大工組合により造られた復元模型とのことです。
羅生門は、九条通りに置かれた平安京への正門とのことですが、賛否両論の京都タワーをバックに建つ様は、何だか千年の時を越えて、新旧の京都を象徴している風景の様な気がしました。

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