カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 京都に来たら一度食べてみたいと思っていた、「新福菜館」のラーメン。
昭和13年(1938年)創業で80年の歴史を刻んだ、所謂“京都ラーメン”のルーツとされる名店です。
 京都での学生時代、貧乏学生だった私メは、当時山科でスタートし、地元京都でチェーン展開を始めたばかりの頃の“餃子の王将”に専らお世話(何しろ、定食が200円ちょっとで食べられましたから)になっていました。
従って、それ程今の様にラーメンに固執した記憶は無く、“天一”を知ったのもずっと後(生来の醤油派故、初めて食べたのも社会人になってから)で、学生時代には行ったこともありませんでした。むしろ京都(関西?)独特の夏の“冷麺”の方が気に入って良く食べた記憶がありますし、温麺だと、京都ではラーメンよりもうどんやニシン蕎麦の方が食べる回数が多かった様な気がします。
そんな学生時代のラーメンで唯一記憶があるのは、店前が思い出せませんが、熊野神社の京大病院の近くのラーメン屋さん。客には迎合せず、時として叱りつける様な、一見頑固そうなご主人でしたが、貧乏学生には優しいオヤジさんで、学生向けの“肉無し”ラーメン(記憶がおぼろげではありますが、時にはオヤジさんの黙ったままのサービス?か、チャーシューが麺の下に隠れている様なこともあったような・・・??)を注文した記憶があります。味は極々普通の優しい鶏ガラベースの醤油ラーメンだったと思いましたが、果たして今でも在るのかどうか・・・。

 家内はラーメンが然程好きではないので、京都駅に着いてから目的のスイーツ(こちらは彼女の念願です)を食べて、先にお土産を物色しているとのこと。そこで私メは、念願の醤油ラーメンを食べに一人で新福菜館へ行くことにしました。
京都駅から塩小路を東に歩いて5分足らず。「新福菜館」ともう一方の雄「第一旭」が並んでいて、どちらも醤油ベースの“京都ラーメン”の行列店として知られています。どちらにすべきか迷ったのですが、そこは先達に敬意を表し、先ずは新福菜館を食べてから。行列に並ぶ覚悟で行ったのに、たまたまこの日が月曜日だったせいか、どちらの店も店内はそれなりに混んではいましたが行列は無く、すぐにカウンターへ座ることが出来ました。
 注文はメニューの中に大盛が見つからなかったので、「特大」とあった新福ラーメン(950円)を選択したのですが、これが後で後悔することに。他の常連さんの様に、普通のラーメン(中華そば)の「小」か「並」を選んだ上で、もう一方の名物であるヤキメシを注文すべきだったかもしれません。
運ばれて来た新福ラーメン。もやしとたっぷりの九条ネギに、薄切りのバラチャーシューが幾枚も載っていて、更に卵黄もトッピングされていました。
先ずは真っ黒なスープをレンゲで啜ります。不思議なコクがあります。京風の薄口醤油ではなく、黒い醤油を使っているので真っ黒ではあるものの、その濃そうな印象とは裏腹に、見た目よりはずっとアッサリとしています。旨い!スープが絶品です。これに中太のストレート麺が良く絡みます。チャーシュー麺では無いのに、薄切りとはいえ、10枚程も載っていて、これでもか!という程に、食べても食べてもチャーシューが無くならずに、スープの中に隠れています。
「特大」とあったように、麺の量がハンパ無い。おそらく大盛より多く、3玉分はあるのではないでしょうか?最後、スープは全て飲み干したものの、終ぞ麺は食べきれずに少し残してしまいました。ラーメンを食べる時は良く大盛を頼むのですが、麺を食べ切れなかったのは、生まれてこの方今回がおそらく初めてです。店の方に申し訳なく、その旨謝って店を出ました。でも、久し振りに醤油ラーメンを食べた様な・・・満足、満足、満腹、満腹・・・で、
  「ご馳走さまでした!」
次回は、「第一旭」で食べ比べ!・・・っと。
(それとも、もう一度「新福菜館」で王道の中華そば「小」とヤキメシのセットを食べてからにすべきか?・・・フム、迷うところではあります)