カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 小さい赤ちゃん連れの次女と、ところどころでリモートでのオンラインミーティングが入る長女。そのため今回の京都滞在中は遠くには行けません。
本当はこの時期、納涼の飾り付けがされているという東福寺と、枯山水の庭が素晴らしいという塔頭の光明院へも行きたかったし、そろそろ見頃を迎えるであろう御所の隣の“萩の寺”梨の木神社へも行きたかったのですが、どちらも果たせず。

 その結果、滞在場所が岡崎なので、朝のウォーキングで南禅寺や永観堂、或いは疎水沿いの哲学の道を歩いたり、或いは午後の空き時間に逆方向の粟田神社の横から青蓮院から知恩院を経て、丸山公園から八坂神社まで歩いたり・・・。これまで、そうした東山の岡崎周辺のお寺さんや神様には全て参拝済みです。ただ、途中にある浄土宗の我が家の総本山でもある知恩院へは今回もちゃんとお参りをして、更に京の産土神である八坂神社へも一応ご挨拶がてら参拝させていただきました。
 

そんな短い自由時間に長女の希望で行ったのが、お寺さんではなく南禅寺参道に在るブルーボトルコーヒーでした。
曰く、『アメリカ合衆国カリフォルニア州オークランドに本社を構えるコーヒー製造販売企業である。サードウェーブコーヒーの代表格とみなされている。ネスレのグループ企業の一つ。注文を受けてから豆をひき、バリスタの手で一杯ずつドリップして提供するのが特徴。創業者が米紙に語るところによれば「日本のコーヒー文化に大きな影響を受けた」という。店舗では日本製のコーヒードリッパーやケトルなども用いられている。また、もともとコーヒーを冷やして飲む習慣がなかった米国で、「京都/Oji」という名のアイスコーヒーをメニューに加えた』とのこと。
個人的には「だったら、京都のイノダでも六曜社でも、日本の喫茶店に行けばイイのに」と思わなくも無いのですが、それはそれ・・・。それに一度行ってみなくては評価も出来ないし・・・。
私メは当日のブレンドを頼んだのですが、苦みとコクはあって、個人的にはもう少し酸味(モカ風の)があっても良いとは思いましたが、普通に美味しいし香りが強い。その意味では、同じアメリカであればシアトル系のスタバのコーヒーよりは(自分とっては)遥かに美味しい。でも美味しい日本の喫茶店のコーヒーとさして変らない・・・という感じでした。
古い町家をリノベートした京都の店舗は、他の東京などに在るブルーボトルコーヒーの店舗と些か雰囲気は異なる様です。確かに、京の街に馴染む様に町家を活かしたこの店内はオシャレ。多少剥がれた土壁や、天井を取り去って、むき出しになった梁。5㎝程の小さなスコーカー9連のスピーカーが天井付近の柱に取り付けられていて、Smooth Jazzか、頭上から静かに音楽のシャワーが降り注いでいたり、また投げ生けされたシンプルなフォルムの花瓶がさり気無くテーブルに置かれていたり・・・とモダンな和洋折衷で、確かに素敵な雰囲気でした。
 ただ個人的には、ブルーボトルコーヒーより、同じく長女が連れて行ってくれた、京都市京セラ美術館の地下一階のカフェ「ENFUSE」の方が気に入りました。
この京都市美術館は、裏側の岡崎通りと正面の平安神宮大鳥居側の通りがオープンで入場出来るので、朝この敷地内の庭園で体操をする方や、ワンコの散歩をされている方がたくさんおられ、我々も滞在中は毎朝ワンコの散歩をさせて頂きました。
以前長女が京都に来た時に、家内と一緒にリニューアルした京都市京セラ美術館を見て、上村松園とか京都画壇の絵画に触れて感激してとても良かったとLINEをくれました。
そこで今回、やはり長女が連れて行ってくれました(京都市美術館は学生時代含め初めてです)。今回展示していたのは特別展「幻想の系譜―西洋版画コレクションと近代京都の洋画」で、些か嗜好が違いました。むしろ、その後のカフェがとても良かったのです。
構造的には地下一階なのですが、外もスロープで掘り下げられていて、窓が大きいので地階とは思えぬ明るい店内。窓に沿って外が見える様に席が並べられているのですが、十分にスペースを取って配置されているので、明るく開放感があります。美術館の外観はそのままに、内部は大幅にリニューアルされているらしく、むしろ近代的にすら感じられ、内と外の新旧でのアンマッチな感じが如何にも京都らしくて好印象。広々として、まったりゆったりと時間が過ごせそう。事実、娘は私がコーヒーを飲み終えて帰った後も、そこで暫く仕事をしていました。見方によってはホテルのロビーの様で無味乾燥という指摘もあるかもしれませんが、個人的にはまた来たいと思わせてくれる、そんな雰囲気のある素敵なカフェでした。