カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
風薫る五月。GWに入って、信州も爽やかな季節になりました。
“毎日が日曜日”の年金生活者にとっては、本来はカレンダーなど関係無いのですが、そうした世間の風潮につられて「さて、何処へ行こうか?」などと、こちらまでが何となく騒めき浮き立つ様な、そんなそわそわする季節です。
今まででさえ平日の街中で歩いているのは外国人観光客だけだった程に、インバウンドが目立っていた松本でしたが、GWのこの時期は更に輪を掛けて信州の観光地や街中はどこも混んでいるでしょうから、わざわざGWに合わせて人混みの中に出掛けて行く必要も無いのですが、年寄りも“世捨て人”で引き籠って世の中から取り残されない様に、多少は世間の風に当たるべくGW中に外出してみました。
とは言っても、車で行くと混んでいるので、我々の登山シーズン解禁でGW明けにでも登ろうと思っている霧訪山かいつもの美ヶ原への、先ずはトレーニングを兼ねての足慣らしとして、家から城山公園を経由してアルプス公園まで歩いてみることにしました。

城山公園の奥には見事な藤棚があるのですが、その先の駐車場の一番奥に遊歩道への入り口があって、そこから今度は我々が“城山トレイル”と呼んでいる城山々系の鳥居山を経由する尾根沿いに、アルプス公園まで更に100m程を登る1㎞程の「城山遊歩道」を歩いて行きます。簡単そうに見えて、それでも往復で約10㎞、標高差200mという結構歩き甲斐のあるコースです。



そ鳥居山から見下ろす島内地区では、田起こしが終わってもう水が張られた田んぼが所々に見られる様になっていました。
やがて安曇野まで続く一面の水鏡の様になって、常念を始めとする北アの峰々を水面に映し出すのも間も無くでしょう。


帰路も城山遊歩道を戻り、城山公園の「憩いの森カフェ」で一休み。桜の賑わいも終わった城山公園は、家族連れで賑わうアルプス公園の喧騒とは対照的に家族連れも殆どおらず、鳥のさえずりがしっかり聞こえる程の静けさが印象的で、鮮やかな緑に包まれて自家焙煎のコーヒーをゆったりと味わうことが出来ました。

【追記】
この日、城山遊歩道沿いに見つけた春の山野草と、ゴールのアルプス公園の八重桜です。




この日道端で見つけたのは、直径2㎜程の小さな勿忘草の様な青い花が可愛いキュウリグサ(葉を揉むとキュウリの匂いがすることからの命名とか)。片や食虫植物のウツボカズラの様な、ちょっと不思議で不気味なムラサキマムシグサ。そしてピンク色の花が可憐なイカリソウと緑の中に真っ赤な花弁が鮮やかなボケの花。
最後に、この日のゴールのアルプス公園の薄緑色の八重桜の御衣黄とピンクの艶やかな八重桜です。


筒状の大きな花びらのように見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)といって、芽やつぼみを包む葉が変化したもので、その中に本当の花があるのだとか。紫色の仏炎苞にあるまだら模様がマムシを思わせ、かま首を持ち上げているようにも見えることから「紫蝮草(ムラサキマムシグサ)」という名前が付いたのだそうです。


6年前でしたが、10月に奥蓼科の横谷峡を散策した時に、オモト(万年青)の実のような、直立する小さなパイナップルのような形状をした緑や真っ赤に熟した実の付いた植物を見つけたことがあったのですが、これが「マムシグサ」の実でした。今回見た花は、秋になると実が熟してこんな風になるのだそうです。
6年前に見た不思議な秋の実が、今回花を見つけて初めてその記憶と繋がりました。