カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 街中で用事があった帰り道。
松本駅の自由通路を抜けて行くのですが、インバウンドの皆さんは無関係でしょうが、学校が春休みに入ったこともあってか、到着した観光客の皆さんで改札前は大賑わい。ゴジラもお出迎えの中、アルプス口のガラス壁越しに臨む早春の北アルプスの未だ白き峰々の絶景に、皆さん自然と吸い寄せられて行かれます。
と、11時半でそろそろ昼時近かったこともあって、
  「では、せっかくだから久し振りに谷椿のラーメン食べて帰ろうかナ?」
この日、奥さまは定例の実家のお義母さんの面倒をみに行っていて不在。彼女はラーメンが好きではないので、一人の時でないとラーメンを食べられないのです。娘たちは二人共ラーメンが大好きなのですが・・・。

 さて、松本駅のアルプス口(地元の“オッサン”的には昔の“西口”と言った方がピンとくるのですが)に佇むホルモン焼きと焼肉の名店・・・ですが、昼はラーメンとランチの店になります。その「谷椿」は昭和レトロを絵に描いたような渋い(今風の言葉で言うならむしろ“激渋”?の)店です。
昔は老夫婦お二人で切り盛りされていたのですが(と言っても昼間のオジイさんは、厨房奥の居間のコタツに座ってTVを視ている方が多かった様な)、最近はお手伝いか、日替わり定食の調理を担当されている別の初老の男性がおられ、お爺さんを見掛けることがありません。お元気だと良いのですが・・・。
 「谷椿」の昼のメニューは、ラーメン(450円)、ラーメン大(600円)、牛めし(500円)と日替わり定食(600円)のみ。そして、メニュー表には書かれていませんが、ハーフサイズの半牛(250円)もあって、常連さんはこの半牛とラーメンのセットを頼まれる方が多い様です。
私のオーダーは、この日もラーメン一択で450円也。10席のL字型のカウンターに座ります。店に入るには二ヶ所の引き戸の入口がありますが、左側から入るとL字の短辺の3席への入り口で、2席あるテーブル席の方へ行く場合は右側の入り口からでないと行けません。
座ると、おばぁちゃんがほうじ茶と小皿に入った自家製の漬物(大概は白菜漬け)を出してくれます。これが良く漬かっていて、酸っぱくて実に美味。因みに夜の焼肉の部では、このお漬物はお替わり自由。
さて、肝心のラーメン。今やワンコインで食べられるモノってあるのでしょうか・・・と思えるくらい貴重な、(しかもワンコインではお釣りが来る)450円のラーメンです。
昭和レトロな店内同様に、ラーメンも昔懐かしい“これぞ、ザ・中華そば”とでも云うべき、あっさりスッキリとした鶏ガラベースの醤油スープに、チャーシューが一枚とメンマにナルトと刻みネギ、そして固ゆででは無いのに、不思議な程モチモチした多加水の中細のちぢれ麺という王道派の醤油ラーメンです。洒落た“無化調”などとは一切無縁。しかもレンゲも付いて来ないので、スープは丼から直接啜らなくてはいけないのですが、これでイイ!否、これがイイ!と思わず唸りたくなります。
焼肉屋さんらしく、豚バラ肉のチャーシューはとろける様な柔らかさ。少々薄いのですが、450円のラーメンで文句など言えません。むしろ、出来れば以前はメニューにあった筈のチャーシューメンをまた復活させて欲しい位です(ラーメン専門店では無いので、チャーシューを作るのは手間なのでしょうか?)。以前大盛りを頼んだ時は、チャーシューが二枚トッピングされていたのですが・・・。
 時代に取り残された様な昭和然とした店内で、これまた“絶滅危惧種”の様な懐かしい醤油ラーメンを食べる、そんな 至福の“一杯の醤油ラーメン”をしみじみと味わうのです。そしてスープを飲み干すと、これまた昭和然とした一桁の局番の昔の電話番号が現れてきます。
このラーメン、色んな工夫を凝らす今時のラーメンに比べると、むしろ進化しないことが貴重な、今時珍しいシンプル過ぎるラーメンなのかもしれません。しかし、そんな昔ながらのこのラーメンは時代に取り残されて、昨今の物価高の中でも値上げするのを何だか忘れたかの様で、一杯450円也。大盛りでも600円です(数年前と比べると、それでも50円アップにはなっているのですが・・・)。
おばあちゃんには是非お元気で頑張って頂いて、どうか変わらずに(値上げしても全然構いませんので)いつまでもこのままのラーメンでいて欲しいと切に願っています。

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