カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
昨年8月に横浜に暮らす次女に二人目が生まれ、婿殿の勤める総合病院で出産した方が何かっても安心なことから、一人目同様に松本への里帰り出産では無く、退院後も横浜のアパートで生活しています。
そのため退院直後だけではなく、その後も独りで二人見るのは大変だということから、婿殿からの依頼もあって、家内が孫の世話と家事の手伝いに毎月10日間から2週間ほど横浜に行っています。
ということで、その間私メはコユキと一緒にずっとお留守番生活・・・です。
料理は嫌いではないので、自炊も別に苦になりませんし、それがイヤになれば外食でもテイクアウトでもすれば良いし、あとは掃除洗濯も別に機械がしてくれるので(特に洗濯は、しようと思えば乾燥までそのまま自動でしてくれます)、特段困ることはありません。
唯一、個人的に面倒臭いと感ずるのは入浴後の浴槽の掃除なのですが、これも(一人では水が勿体無いので)使わなければ良いので、近くの日帰り温泉で済ませています(却って高上りかもしれませんが、たった一人の場合、浴槽とシャワーに使う水道料とお湯を沸かすガス代って、日帰り温泉と比べてどうなんでしょうか・・・???)。
些か前置きが長くなりました。
家内が不在でも食事を取らないといけません。ただ、食材が冷蔵庫に何も無くて、本当はスーパーに買い出しに行かないといけないのですが、何となく面倒臭くてついつい行きそびれてしまいました。
買い置きのパスタや頂いた乾麺もあるのですが、お昼に麺類を作って食べたので食指が動きません。
「うーん、どうしよう・・・???」
ビール飲んで寝ちゃおうかとも思ったのですが、お腹が空いて眠れそうにありません。
冷蔵庫を見ると野菜室にキャベツがありました。そこで仕方なく作ったのが・・・キャベツ焼き???謂わば、具材がキャベツだけのお好み焼き・・・です。



「ヨシ!明日はちゃんとスーパーに買い出しに行こっ!と・・・」
奥さまが毎月横浜の次女の所の手伝いに今月行く前に、せっかく慣れつつある体が忘れない様にまた山に登っておきたいとの仰せ。そこで、本当は花が咲く頃に登ろうと思っていた美ヶ原へ、今回もまた三城からの百曲がりコースで登ることにしました。
そこは“山の民 信州人”である地元民の特権として、天気予報を見ながら快晴の日を選んでの山行です。
リタイア後、クラツーの「女性のための登山教室」に2年間通った家内に付き合って始めた登山。まさに典型的な今流行りの“中高年登山”ですが、“日本の屋根”に暮らす“山の民 信州人”としての最大のメリットでもありましょう。
その中で地元の山故に、2018年に登り始めてから今回が7回目となる美ヶ原。コロナ禍の2021年を除けば、足慣らしも兼ねて毎年必ず美ヶ原へ登っているのですが、最初の頃に美ヶ原でお会いした県の環境レンジャーの方からの、4つほどある美ヶ原の登山ルートの中では百曲がりコースが一番変化があるのでおススメというアドバイスに従い、毎回三城からの百曲がりコースで登っています。そして、このコースは美しの塔に刻まれている「美ヶ原溶岩台地」や『高原詩抄』に収められている私も大好きな「松本の春の朝」などを詠んだ、信州ゆかりの“山の詩人”尾崎喜八が登ったコースでもあります。
美ヶ原へはビーナスライン等を使えば車で上まで行けてしまいますが、美ヶ原自体もれっきとした「日本百名山」の一峰です。その名の通り2000m級の広い台状の高原ですが、山頂は2034mの王ヶ頭。ただ頂上付近にはホテルとテレビ塔が林立しており、王ヶ頭で登頂記念の確認をすることを除けば、むしろ2008mの王ヶ鼻からの方が北アルプスから八ヶ岳までぐるっと270度(!?)、まさに圧巻の眺望を楽しめます(浅間山は王ヶ頭周辺からの方が見易い)。しかも、日本百名山の実に1/3の名峰たちが望めるという絶景の“アルプスの展望台”でもあります。(下の写真は、三城いこいの森の駐車場から仰ぎ見た、美ヶ原山頂の王ヶ頭です)

三城「いこいの広場」の登山者用無料駐車場には既に10台近く車が停まっていて、我々も有料トイレなど準備を済ませ、7時55分に登山開始です。ここが標高1450mとのことですので、山頂までは標高差約600m弱の山旅です。登山口から「塩くれ場」まで3.5㎞という表示。




広小場の東屋で休息し、暑くなりそうでしたので長袖を脱いで半袖になり、登山再開。ここから百曲がりの本格的な山登りが始まります。


直ぐに板状節理で平べったく割れた鉄平石が道をガレ場の様に覆っていて、歩き辛いことといったらありません。また浮石の様になっていて、乗ると滑る場合もあるので注意が必要です。
そんな登りの途中、至る所にタチツボスミレに始まり、黄色いキジムシロや初めて見るミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)などの花が迎えてくれました。





園地から王ヶ頭まで2.2㎞と表示されていますので、その先王ヶ鼻までは園地からは3.5㎞位でしょうか。


途中烏帽子岩などのスポットで写真を撮ったり休憩したりする人たちもおられ、皆さんそれぞれに絶景を楽しんでいますが、我々はそのまま王ヶ頭からは砂利道を歩いて王ヶ鼻へ。

快晴の日を選んで来たこともあって、左から八ヶ岳、富士山、そして甲斐駒、北岳、間ノ岳、仙丈の南アルプス。そして木曽駒の中央アルプスから御嶽、乗鞍、更に穂高連峰から槍、常念、鹿島槍から五竜、白馬連峰へと山並みが続きます。“アルプスの展望台”に相応しい眺望が、眼下の松本平を飛び越えた先に拡がっていました。余談ですが、伊那谷では木曽駒ではなく単に駒ケ岳か西駒と呼び、甲斐駒は東駒となります。昔仕事で飯田に伺った折に、木曽駒と言ったら地元の方にやんわりと訂正されてしまいました。

途中、私たちより年配ですが、ベテランと思しき“地下足袋”の登山者が“跳ぶ”様に追い抜いて行かれました。暫くして女性の方も・・・。
無事広小場に着くと、先程時間差で追い抜いて行かれた年配の方々が東屋で登山用バーナーとコッヘルで調理して昼食を摂られていました。上は強風でバーナーが使えそうもなかったので、風の無い広小場まで下山して昼食にしたとのこと。我々同様に地元松本在住のご夫婦だそうで何度も美ヶ原へ登られているのだとか。広小場から茶臼山経由でのルートもあるのですが、お聞きすると、そちらは台風でかなり登山道が流されたり荒れてしまったので止めた方が良いとのことでした。我々も東屋のベンチをお借りして、脱いだ上着をリュックに仕舞いお礼を言って先に歩を進めます。
ここからは沢沿いのなだらかな下り坂がオートキャンプ場まで続きます。新緑の中、沢の水音が涼しげで心地良く、広小場の近くの説明版にもあったガマズミ科のカンボクのアジサイに似た白い花が印象的でした。

美ヶ原の高原では上着を羽織らないと半袖では寒く感じる程風が強かったものの、今回は快晴の日を選んで来たこともありますが、7回の中では今までで一番の絶景でした。
“アルプスの展望台” の名の通り、素晴らしい眺望を堪能した美ヶ原への山旅でした。
覚悟の上の終活と断捨離で一戸建ての自宅を手放し、“終の棲家”として2021年末に現在の我が家であるマンションに移って来たのですが(その辺りの経緯経過は、2022年の1701話から1720話辺りをご覧ください)、分かっていたとはいえ、マンション暮らしの中で個人的に寂しいのは庭が無いこと、家庭菜園が無いこと・・・です。
日々少しずつ変わって行く庭の芝生や木々を見る癒し効果と、そして家庭菜園で朝収穫した夏野菜の瑞々しさと大量栽培でないからこその味の濃さ・・・。そんな、“生きとし生けるもの”と一緒に暮らすことの、人間としての小さな、でも大切な日々の安らぎ・・・。
些か大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そんな気持ちになる程、身近にある“グリーン”に触れる、そして“土いじり”をして触わることの安心感。
そういう意味で、昨今のTVでタレントを起用しての家庭菜園やベランダ野菜栽培などの番組がNHKで放送されているのも、或る意味現代社会に生きる人間に必要なニーズの一つなのかもしれません。
荒れ地にならない様に、亡き父の代からJAにお願いして耕作していただいている田畑以外にも、我が家にも何もしていない山の畑もあるのですが、水利が無いので野菜栽培には不向きなのです。
そこで、一昨年ベランダでのプランター栽培で野菜を育ててみたのですが、夏の時期など毎日の水遣りが出来ずに数日間家を空けて水をあげないと、水分を土中に保持出来ない浅いプランターでは(喩え30㎝であっても)それだけで野菜は枯れてしまう、或いは枯れずともちゃんと結実してくれないのです。ですので、例えば家を空けて4泊5日で旅行に行くなどは、もしプランターで夏野菜を育てたいのであれば諦めるしかないのです。
些か前置きが長くなりました。
マンションに暮らすというそんな状況下で、そうは言っても・・・と、もう少し緑に触れたいと思い始めたこと。
その前に、マンションの我が家に在る“植物”は、今までもご紹介したシンビジウムと、前の家の庭から鉢に移植して持ってきたクリスマスローズ。これらは、いずれも家内が長年丹精込めて世話をしてきたものですが、それぞれシンビジウムが3鉢とクリスマスローズが2鉢。それと同様に前の家から持ってきたのが、もう10数年にもなる観葉植物の、ハワイで“幸福の木”とも呼ばれる「ドラセナ・マッサンゲアナ」。これは、確か家内へのバースデイプレゼントに購入した筈。新しい葉が出ると茎も伸びて随分成長したので、一度園芸店に頼んで大きめの鉢に移し替えて貰っています。
一般家庭では、どうしても冬場は室温が下がるので、今は少しまだ黄色くなっている葉もありますが、夏になるとそれらの葉も皆緑色に回復します。やはり南国生まれの観葉植物は、夏場の方が元気が良い様です。
そしてもう一鉢。上述の寂しさを少し解消すべく、マンションへ引っ越した際に購入したのが、同じドラセナの仲間で、細長く先端が尖った葉が特徴の涼しげでオシャレな「ドラセナ・コンシンネ」の高さ150㎝以上もある大きな鉢。このコンシンネには、その葉の色に寄って幾つか種類がある中で、緑と白のストラップの葉が特徴の「ホワイトホリー」という涼し気で爽やかな印象のする品種にしました。松本市内の観葉植物専門店で、2万円近くしましたが、色々探した中で二人共気に入って購入した鉢です。
上述のクリスマスローズはべランダに在りますし、花の時期以外は蘭のシンビジウムの3鉢もベランダに置いてあるので、室内に在るグリーンはこの観葉植物の大きな鉢が二つ。これだけでは何となくまだ寂しいので、そこで“ミニグリーン”或いは“ミニ盆栽” とでも呼べそうな小鉢を購入することにしました。
そのために、市内の寿地区に在る産直野菜中心の「アルプス市場」や郊外の大きなホームセンターなどに行った時に、併設されている園芸売り場も覗いて気に入ったモノがあると何鉢か購入しました。

そして次にコーヒーノキとクチナシ。どちらも光沢ある艶やかな葉が印象的です。そしてコーヒーもクチナシもジャスミンに似た香りの白い花を咲かせるのですが、それもその筈で、二つとも同じアカネ科の植物です。

そしてバキラ。挿し木用か水耕栽培用なのか、10㎝足らずの小さな枝が濡れたスポンジに包んで売られていたので購入し、家にあった小さな鉢とバーミキュライトで鉢植えにして、水がこぼれても構わない様にガラス鉢の中に入れているのですが、新しい葉が幾つも伸びて、3倍近く大きくなりました。(下の写真で右がクチナシ、左がバキラです)

最後に、観葉植物ではありませんが、たまたま行った時に花の時期が過ぎて半値に値引き販売されていたのでつい買ってしまった、ミニ盆栽とも言えそうなボケの小鉢。一本の木に紅白の花が咲く「東洋錦」という種類だそうです。結構長い間咲いていて、目を楽しませてくれました。

霧吹きで水分を補給したりと、少しずつでも毎朝世話をするのが多少の気休めにもなっていて、これらのミニ盆栽の様な“小さな”鉢植えが日々の潤いを与えてくれ、間違いなく少なからぬ癒しにもなってくれている気がしています。
会社時代の後輩から誘われて、実に8年ぶりに上諏訪の「雫石」へ呑みに行って来ました。会社員時代に一番世話になった諏訪在住のボスも誘い、既に皆リタイア組の後輩2名と計4人で久々の諏訪での飲み会です。
「雫石」は、諏訪に勤務していた頃、毎晩とは言いませんが、頻繁に飲みに行っていた馴染みの店でした。ほんわかした松本出身のご主人と、釜石出身の東北美人の女将さんが営む和風料理の店。釜石在住の妹さんが送ってくれるという新鮮な魚などの料理も勿論美味しいのですが、居心地が良くて雰囲気がとても素敵な店でした。
そんな「雫石」は、“大人飲み”にも相応しい店です。
太田和彦流で言わせてもらえれば、「いい酒、いい人、いい肴」が全て揃っているような・・・。もし松本にあったら、例え年金生活者のチョイ飲みででも、週イチで通うんですが・・・。
チェックしてみたら、9年前に伺った時(第973話)に、太田和彦氏の著書「自選ニッポン居酒屋放浪記」(新潮文庫)をプレゼントしていた様です。全く忘れていたのですが、
その時のブログにはこう書いていました。
『飲兵衛からの勝手な視点で、これからもずっと「いい酒、いい人、いい肴」を続けて欲しかったので、この日電車に乗る前に松本の丸善で買った太田和彦著「自選ニッポン居酒屋放浪記」(新潮文庫)を女将さんにプレゼント。前回「細かい文字が読み辛くなった」と言われていたので、三部作はちょっと負担かなと・・・。
因みに「自選」は松本編(三部作の第一巻「立志編」に掲載されている「松本の塩イカに望郷つのり」)からスタートし、東日本と重なる阪神大震災後に訪ねた神戸編「神戸、鯛のきずしに星がふる」(きっと女将さんの故郷釜石への震災後の想いにも繋がると思います)まで16編が収録されています。』
また、東日本大震災後に伺った時、釜石出身の女将さんが話してくれたのが、
『(前略)震災後、釜石の妹さんが「震災で、ずっと(生の)お魚を食べてないんだよぉ!」と嘆くのを聞いて、震災までは釜石のご実家から鮮魚を直送してもらっていた「雫石」の女将さんは、早速この諏訪では鮮度が良いと評判の鮮魚売り場でたくさん購入し、保冷便で釜石に送ったのだそうです。
そうしたら、届いた魚を見た妹さんたちは皆でビックリして、
「久し振りに、みんなで大笑いしたんだよぉ!」
と電話をされてきたのだそうです。
何でも、送られてきた魚の、特に生のイカの鮮度の悪さに驚いたのだとか。
「信州じゃあ、こんなイカを生で食べてるんだねー。姉ちゃんもすっかり“山のヒト”になっちゃたんだねーって、みんなで大笑いしたんだよぉ!」
(中略)
「でもそのお陰で、(震災の後は笑うことも無かったのが)久し振りにみんなで笑えたって喜ばれちゃった・・・。」
(中略)
結局、せっかく女将さんが信州から送った“鮮魚”は、どれも生では食べてもらえずに、煮たり焼いたりされたのだそうです。』(第532話)
この日、女将さんとご主人が仰るには、
『定年前に飲みに来てくれた時に、「もしかするとこれが最後になるかもしれないから、念のために挨拶しとくからね」って言って、本当にその後来てくれなくて、今日までなっちゃったけど、みんなの定年のお祝いをするために取って置いたんだよ!』
そう言って出してくれたのは、塩尻の醸造所に頼んで、「雫石」のラベルを貼って特別に作って貰ったという塩尻産カベルネ・ソーヴィニヨンの限定赤ワインンの最後の一本・・・でした。
有難く頂戴し、遅れ馳せながらとはいえ、皆で定年のお祝いの乾杯をさせていただきました。
この日の料理は、いつもの釜石から送られて来る新鮮な刺身は勿論ですが、旬の山菜の天ぷらと、これまた「しどけ」と現地で呼ばれる東北地方では定番という少し苦みがあって美味しい山菜のおひたしなどなど・・・。
ボスの慰労も兼ねて、このメンバーで今後も定期的に「雫石」で集まることにして、次回は秋頃の再会を期して店を後にしました。
「ご馳走さまでした!また来ます。」
シーズン初となった、前回の4月11日箱根の金時山登山。昨夏から家内が二人目の孫が生まれた次女の所に毎月2週間近く家事手伝いに行っているため、以前に比べると二人共殆どウォーキングをしていなかったのですが、シーズン最初の金時山で、「思いの外ちゃんと歩けた!」と気を良くした家内が、次女の所に5月中旬から手伝いに行く前に「またどこかに登りたい!」との仰せ。
そこで、毎年の三城牧場から百曲がりコースでの美ヶ原登山はもう少し後(花の咲く頃)に取っておくことにして、その前に二度目となる塩尻の霧訪山(1305m)に登ることにしました。この霧訪山は長野県山岳総合センターが以前実施した“信州の里山選挙”で1位になったこともあるという、人気の山です。以前、会社の同僚から登るのを薦められた山でもありました。
天気予報を見ながら晴れ予報の日を選んだ結果、GW明けは暫く曇りや雨マークの日があって余り良くないことから、GW中の5月4日に登ることにしました。人気の山故に多少混むかもしれませんが、頂上からの景色を優先に考えると止むを得ません。
2年前に初めて霧訪山へ登った時は、辰野町との境にある小野神社裏の一番短い北小野から登る「かっとりコース」だったのですが、これがいきなり257段の階段があるなど思った以上に急登の連続で、家内は美ヶ原の百曲がりよりもきつかったとのこと。その時に頂上に居合わせた方々から、「距離は長くなるけど、その分こっちの方が楽ですよ!」と教えて頂いた別ルートが、今回登ることにした、塩尻の下西条の「山ノ神自然園」を経由して登る「下西条本コース(山ノ神自然園コース)」です。
最も距離の短い北小野からの「かっとりコース」が1時間10分(山頂までの距離1.6㎞)だったのに対し、下西条からは1時間45分(距離2.6㎞)が標準タイムで、標高差はかっとりコースの430mに対し今回は515mとのこと。標高差はこちらの方がありますが、距離が長くなる分、かっとりコースよりも急登部分が少ないのだそうです。霧訪山は1305mという“山国信州”の中では低い里山ですが、標高差500mで結構な急登部分もあるので、手軽に登山気分が味わえますし、山頂からの360°の眺望が人気の山。

すると駐車場には自然園を管理されている地元の方も係でおられ、「霧訪山に登るだかい?」と、マップも載った立派なガイドブックをいただきました。事前に塩尻市の観光協会のH/Pからプリントアウトして持って行ったモノと全く一緒。イラストでの登山ルートが描かれたオリジナルのガイドを有難く頂戴し、コースやこの時期に見られる花についても教えていただき、お礼に心ばかりですが登山道整備の協力金をお納めさせていただきました。

入口には二つ無料のトイレもあり、登山準備をして8:20に出発。矢沢川の沢沿いに林道を歩いて、「たまらずの池」近くに在るという登山口を目指します。途中、自然園の名前「山の神」の由来か、「雄床山神社」と書かれた石の鳥居があり、数十段の石段の上に小さな祠が在って、その背後には“神が宿る”磐座(いわくら)の大きな岩が立っていました。確かに岩を神に見立てる様な、神聖な雰囲気が感じられます。 すると、神社のすぐ近くに何とカモシカが身動きせずにじっとこっちを見ているではありませんか!それ程大きくないので、まだ子供のカモシカなのかもしれません。
カモシカを見るのはこれが三度目です。一度はシンガポールから帰国して、山を知らない子供たちに山の景色を見せてあげようと、上高地のコテージに一泊して小梨平まで歩いた時に、梓川沿いの遊歩道横の崖の上からじっと我々を見下ろしていました。そして二度目は三才山峠。定年前の上田の子会社への通勤時、トンネル手前の旧道脇に佇んでいました。そして今回・・・。

そんなサプライズもあって、普通なら15分くらいだと思いますが、ここまで20分掛かって「たまらずの池」の先の登山口に到着。8:40に登山開始です。


「え~っ!?もう12回以上曲がったんだけど・・・」
「今日は数えてない。美ヶ原の百曲がりは確か四十八だったけど・・・」




登山道の途中、道端のタチツボスミレや咲き始めたピンク色のミツバツツジ、そして初めて見た小さな尖った花弁が印象的なチゴユリ(多分)、まだつぼみの赤いヤマツツジなどが目を楽しませてくれました。







登山口からは1時間35分、自然園からは1時間55分。カモシカを見ていたり、途中登山道脇の花の写真を撮りながらだったこともありますが、ゆっくり歩いて来たので、標準の1時間45分のコースタイムよりも10分余計に掛かりました。



そこから林道を歩いて自然園へ戻ります。すると、途中の雄床山神社の大岩「磐座」の上に、またカモシカがいるではありませんか。岩の上に凛々しく立つカモシカは神々しい程で、本当に“山の神”の化身なのかもしれません。感動モノでした。
個人的には、歩きながら登山道脇に咲く色々な花を見ながら登れる、今回の下西条の山ノ神自然園から登るコースの方が楽しく感じました。一方、登山としての足慣らしには、小野からの「かっとりコース」の方が急登の連続で良いかもしれません。家内はもう「かっとりコース」はイイそうですが・・・。
但し今回のコースも、「前回よりもナルイ」という私メの事前情報は間違いで、結構きつかった由。
とはいえ、天気にも恵まれたこともありますが、山頂からの期待通りの絶景と、そしてサプライズの“山の神”との遭遇もあったりと、二人共大いに楽しめて、下山後も心地良い疲労感に包まれた、そんな二度目の霧訪山登山でした。
それにしても、この霧訪山。前回のかっとりコースは両小野中学の子供たちが、そして山ノ神自然園は地元下西条の有志の方々が、それぞれ“おらが山”や地元の自然を愛してしっかりと整備し大切にされていることを実感し、感激しました。その恩恵に浸ることが出来て、本当に有難く感じました。
(余談ながら、そうした恩恵を実感すれば、インバウンドであれ、観光地でのゴミは捨てずに自身できちんと持ち帰れる筈なのに・・・)
そして、次回はカタクリの満開の頃、もしくはミツバツツジが咲き乱れる頃に、今回と同じ下西条コースでまた霧訪山に登ってみたいと思います。
地元の係の方はもう帰られた様で、駐車場には誰もおられませんでしたが、
「ありがとうございました!」
お礼を言って、自然園を後にしました。



