カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 高校音楽部のOB会の創立60周年の記念演奏会が3月末に県文(キッセイ文化会館中ホール)で開かれ、聴きに行ってきました。

 メインはモーツアルトの絶筆となったレクイエム。特にラクリモーサなど“天上の美しさ”と思えるほどで、学生時代から一度は自分も歌いたいと楽譜まで買ってありました。学生時代に買った廉価盤のLPとシンガポールで購入したらしい海外盤のCD共、往年の名盤と評判だった(多分)ケルテス&VPO盤が購入してありました。

 それが、高校の音楽部(合唱班と室内楽班があり)のOB会である「志音会」が、創立60周年で取り上げるとの千載一遇のチャンス。
しかし、2年位前から始まった松本と東京での合唱練習は、当然休日の実施となり、生憎農作業で潰れるため、結果穴を開けては申し訳ないので、残念ですが参加しませんでした。
同じ音楽部の後輩でもある長女は、東京での練習に参加しており、娘からは「今なんか自分で音採りなんかしなくても、ネット検索すればパート毎にちゃんと登録されているんだから、一緒に歌おうよ!」と言われたり、またどうやら参加者が少ないらしく、娘を通じて事務局の方からも「お父さんも是非誘って!」と、途中からの参加を勧められたりもしましたが、やはり諦めざるを得ませんでした(でも、50周年の演奏会で、当時現役部員だった娘と親子で同じステージで歌えたのが、皆さんからも羨ましがられたように、父親冥利に尽きる良い思い出です)。
 そのコンサートに、娘の旦那さんも東京から駆けつけ、家族揃って聴きに行きました。県文(キッセイ文化ホール)の中ホールで行われた演奏会は、ほぼ満席。
音楽部は室内楽班ですので、この日のオケ(プログラム前半に、ベートーヴェンの8番を演奏)は、管楽器は吹奏楽部OBや外部の方の応援だと思いますが、それにしても客演の指揮者とテノールを除くと、ソリストもOB(それぞれ、音大を出て二期会などで活躍されているプロの声楽家)。身内の感想ながら、音楽科がある訳でもないのに大したものだと思います。そのアルトとバリトンのソロもお見事でした。

 ステージには、もうさすがに旧制中学時代のOBはおられず、最年長が新制高校になっての5回卒ですので御年78歳の大先輩を筆頭に、現役の在校生諸君まで。2管編成のオケが60名、合唱が約100名の大所帯(ただ、殆ど県外に出ている私の同期はゼロでしたが、やはり地元に居て、しかも会社勤めが終らないと、参加するのは難しいのでしょうね。私も「定年になったら歌おうかな」と思います)。
東京、松本、またオケと合唱の別練習ゆえ、オケを入れての合同練習は前日。演奏会当日も、朝9時から全曲通しでの練習も含め、本番までずっと歌いっぱなしだったようです。80歳近い大先輩もおられますので、大丈夫かと心配だったとか。
トゥーバ・ミルバのトロンボーンソロ、(心配しましたが)お見事でした。
ラクリモーサ、モーツアルトの絶筆。いつ聴いても涙が出るほど美しい曲です。ベネディクトゥス、本番では練習より極端に遅く、歌っていて死にそうだったとか。
全体的にも、ゆったり目のテンポで、確かに最後は多少息切れも感じられましたが、ソリストのOBを除けばオールアマチュアで、良くぞここまで演奏できたもの。OBの一人としても、ステージで歌う娘を見ながら感無量。演奏に感心し、また感動もして聴いていました。ブラァボ!

 70周年には、フォーレのレクイエムなんかどうかなぁ。これなら、(そんなに練習に出られなくても)今でも歌えるかも・・・・。