カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 KEF のCoda-9、3年振りの音出しです。
KEF は、有名なタンノイやB&Wなどと同じ英国のスピーカーメーカー。BBCのチーフエンジニアだった人(レイモンド・クック氏)が1961年に創業したと言いますので、当時は比較的未だ若いメーカーでした。
KEFは、リファレンスモデルなどの高級オーディオだけではなく、良心的な価格帯のエントリーモデルも出していて、当時のCodaシリーズ(7~9)も、ちょうど私が秋葉原で購入した90年代中盤に出されていた、そうしたモデルでした。
このKEF Coda-9は、KEFの代名詞とも言える点音源の同軸型(コアキシャル)のUniQドライバーではなく、2.5cmのソフトドーム型ツイーターと、16.5cmの中低域対応のユニット(シリーズのCoda-8と同じ構成)を更に低域用にも追加してトールボーイのエンクロージャーに内蔵したユニットを含め2基搭載した91dBの高能率3 way(他の製品はマニュアルをちゃんと保管してありますが、Coda-9は確か4つ折みたいなペラの紙一枚だったので紛失してしまったようで見つからず、今回KEFのH/Pからの確認。歴代モデルのカタログ等もしっかり掲載されていましたが、殆ど英語版でした)。また、1本10.5kgですので、20kg超もあるLS-202と比べれば剛性はもう一つでしょう。

しかし付属スピーカーと比較して聴くと、スワンや30年前のモデルであるLS-202にも(個人的な嗜好ですが)見劣り(聴き劣り?)していたので、リビングでのメインスピーカーの座は譲りましたが、ここで改めて単独で鳴らしてみると、16年前のモデルとはいえ、そこはBBCモニター譲りの英国のトールボーイであり、付属の小型スピーカーと比べるとさすがに雲泥の差。
同じ小音量でも(元々91dBという能率差ゆえ、同じボリュームであればCoda-9の方が音量も大きくなりますが)、ウッドベースの低音がしっかりと出て、シンバルの音もエッジの切れが出て鮮やかに聞こえます。音が粒立っています。低域が締まる効果が期待できるという付属のスパイク(ピン)を、4本スピーカーの底に取り付けて(床を傷付けぬように)自作の台座の上に据えてあるので、それも利いているのかもしれません。
 ここで、クーベリックの“リンツ”に変更。
弦もしっとりと艶やかで厚みがあり、小型スピーカーに比べると、点ではなく面で鳴っている感じがします。これならアンプ側で低音補正せずとも十分です。また、K-521の音場補正(Supreme EX)は、付属スピーカーで測定し設定されているので、別のスピーカーだとその効果は落ちる(無い?)かもしれませんが、BGM的に聴くサブシステムとしては、それを補って余りあるほどにCoda-9の実力発揮。
もう定かではありませんが、当時秋葉原でもクラシック中心を前提に予算内で幾つか推薦してもらって試聴し、正直KEF というブランドにその時まで馴染みは無く、また海外ブランド嗜好でもなかったのですが、実際に試聴しての音とCodaという名前も気に入って選んだ筈ですので、自分の嗜好に合うように音楽全体が鳴っている感じがします。
ただ、リビングのメインスピーカー群に比べると、例えばピアノトリオのバスドラが些か“くぐもる”感じが抜けないなど、音のスピード感や切れ、そして低域の豊かさでは負けますが、十分に艶のあるスピーカーだと思います。
ただ、それにしても海外製品はコストを掛ける尺度が違う(ユニットを保護するという目的さえ達成出来れば良い?)のか、スピーカーのサランネットはホントに“ちゃち”で枠が捩れるほど。むしろ、付属の小型スピーカーの方が(恐らく定価でも1台1万円もしないでしょうに)遥かにしっかりと頑丈に作ってあります。
 一方、K-521のレシーバーは、多分チューナー部分に掛けるコスト的余裕がなかったのでしょう(それに加えて、付属の安物のアンテナのせいもあるのか)。ネットでのレビュー記事では、「元々チューナーからスタートした音響メーカーにあるまじき受信状態の悪さ」との酷評もあり、期待していなかったFM放送でしたが、我が家の場所の電波状態が良いのか、階下のポータブルオーディオよりも遥かに鮮明に受信出来て、これまた満足でした(さすがに、スピーカーに近付くとサーノイズが聞こえますが、リスニングポジションで離れて聴く分にはそれ程気になりません)。また、アダプター(iPod Dockが第5世代までの対応のため)を下のポータブルオーディオとの兼用でiPodを聴いてみると、ポータブルと比べては失礼ですが、左右独立のデジタルアンプと変更したCoda-9の威力か、低音を含めさすがに良い音がします。このデジタルアンプなら、レシーバーとして別スピーカーでも十分にドライブできそうです(実際に、後継のK-531は、直販のみですが単体レシーバーとしても販売されています)。
唯一の不満。CDのトレーが余りに薄くて、強度が心配。また、天井面のiPod Dockの蓋(カバー)も同様(且つ内部の造作が安っぽい)です。筐体にまでコストが回らなかったようです。

 同じKENWOODとはいえ、結果としてポータブルオーディオよりも安い、購入価格2万円以下でこのスペック。性能的には十二分の満足でした。ユーザーとしては、お陰で2階でのPC作業中なども身近に好きな音楽をBGM的に楽しむことができます。しかし、メーカー受難の時代ですね。

 ただ、先日松本の某所で聴いた城下工業(ナント上田にある会社らしい)の小型真空管アンプ(オリジナルスピーカーを含めブランド名“Sound Warrior”。本業ではなく余技なのか、既に製造終了とか。H/P記載のスペックは僅か1.6W+1.6Wとありましたが、信じられません)。しかも流れていたのは、偶然にもビル・エヴァンス・トリオのCD。
BGMとして極々小音量で流れていたのですが、全体は暖かくて柔らかなのに、特にシンバルのエッジが目の前に浮き出るように鮮やかだった“音像”が、今も耳から離れません・・・・(早く忘れないと)。

 前回の購入編(第731話)に続いての試聴編です。
平日に届いていた、KENWOODのコンパクトHi-Fiコンポ K-521。
帰宅後(ナイターも見ずに)、早速2階に運び、梱包を解いてセッティング開始。模型組み立て同様、何歳であろう(要するにオジンになろう)と“男の子”にとっては、こういう時間が楽しいんです。

 考えてみると、秋葉原のオーディオ専門店で候補の機種を実際に確認して選び、16年前の新築時にそっくり買い換えたリビングのオーディオ・システムも、DENONのレコードプレーヤーとKEFのスピーカー以外は、結果として全てKENWOODでした。
3年前には、自作のスワンと併用するリビングのメインスピーカーを、社会人になって購入し、その後母屋の屋根裏で眠っていたケンウッドの前身であるトリオの LS-202(第276&277話参照)へと、30年振りに復活させてKEFから置き換えてもいます(今でもイイ音で鳴っています!)。結局、ケンウッドの音作りが私の好みに合うのでしょうか。

 さて、K-521は高音質コンポKシリーズの先代モデル。
そう言えば、16年前に雑誌「ステレオ」などのレビュー記事をじっくりと検討して選んだリビングのオーディオ・システムのCDプレーヤー、MDプレーヤー(当時、LPをデジタル保存しようと思ったのですが、デジタルの進化は何が主流となるのかをキチンと見極めないと、MDは今や消え行くのみ)とチューナーも、Kシリーズの前身であるK’sシリーズの中のそれぞれ上位単品モデルでした(プリメインアンプも同じKENWOODですが、小型には何となく不安を感じ、アンプだけは大型のKAシリーズの上位モデルを選びました)。当時K’sは、ONKYOのINTECと共に、高音質コンパクト・モデルの走りだったように記憶しています(単なる音楽好きで決してオーディオマニアではないので、ハイエンドではなくどれも中級クラスですが、出張の度に帰る電車を遅らせて秋葉原を廻り、一番安い店を探して全部纏め買いしたので4割引くらいにしてくれて、お陰で家内の希望した食洗機との交換条件である30万円の予算内に納まった筈です)。

 今回のK-521は、CD・チューナー・アンプの一体型(レシーバー)で、iPod ドックも搭載しており、しかもデジタルアンプを含め左右独立のフルデジタルプロセッシング。この値段で(当初の4万円台であっても)凄いですね。ちゃんと儲かるんでしょうか?出力は40W+40Wですが、BGM的に聴くには必要にして十分。また付属スピーカーも、ウーファーの直径11cm(白いコーンで、特にブラックモデルだと往年のNS‐10Mを連想させますね)と小さいながらもドーム型ツィーター搭載の2 wayバスレフで、キャビネットの厚みも15mmで重さも1本3.4kgと結構しっかり作ってありますが、アンプ側のスピーカー端子が1系統しかないので切り替え不能(都度スピーカーケーブルを付け替え)なため、今回はこのファミリーコーナーの片隅に追いやられていたKEFのCoda-9に変更する前提です。
付属のスピーカーケーブルが2mしかなく、ファミリーコーナーの巾4mでのセッティングの都合上、アンプが左に偏るために長さが足りず、母屋から昔使っていたケーブルを持って来て接続し、付属のFMアンテナ(AMは聞かないので使用せず)も接続してセッティング完了(というほどのこともない、ただ繋ぐだけの単純作業ですが)。
 さて、いよいよ音出しです。先ずは、付属の小型スピーカーでシステムの基本音質のチェックから。音質設定は何も加えずに、最初はFlatでの試聴。
音源は、聴き慣れた「Jazzベスト100」のピアノトリオのCDから、お気に入りのザ・グレート・ジャズ・トリオの演奏する“Milestones”、オスカー・ピーターソン・トリオの“C Jam Blues”、更にビル・エヴァンス・トリオで“Love is here to stay”と“枯葉”。そしてクラシックは、クーベリック指揮バイエルン放送響で、大好きなモーツアルトの交響曲第36番“リンツ”。
先ずは、ピアノトリオから。
Kシリーズを名乗るだけあって、思いの外良い音です。2万円では尚更ですが、発売当時の価格(45000円)であっても、ハイ・コストパフォーマンス・モデルだと思います。但し、このサイズですので、低音はそれなり(一応鳴ってはいる=聞こえる程度。アンプにサブウーファーへの出力端子あり)。ただ、このシステムの特徴でしょうか、ピアノがとてもナチュラルで、シンバルもちゃんと聞こえます。しかし、スピーカー間を4m離しての小音量だと左右の音が纏まりません。説明書の定格欄には、なぜか出力音圧レベルの記載がありませんが、今様の小型スピーカーですので能率はそれ程高くは無さそうです(今は、ローパワーの真空管アンプでのドライブを前提としないので、低能率の方が作りやすい小型スピーカーを、ハイパワーのアンプ側でカバーする前提なのだとか)。
そこで、デジタルならではの付属の音質設定でどこまで改善されるのかと、ケンウッド独自のデジタル音質向上技術の“Supreme EX”と音響イコライザーの“CONEQ”を効かせてみる(Mode3の「フローリングの床など音が良く響く部屋」を選択)と、音が急にふわっとして奥行き感(立体的な拡がり)が出てきました。低音はまだ不足ですが、D‐BASS(低音補正)は不使用。付属のスピーカーの音を確認した上で、ここでKEF Coda-9に変更です。(以下次回にて)

 21日の日曜日。未明から雨予報でしたが、早朝起きても雨音が聞こえません。外へ出て見るとと、ナント一面の銀世界。しかも本格的に降り続いています。

 結局、昼前には霙から雨に変わりましたが、我が家周辺で5cm程の積雪でした。
 既に、桃の花も咲き、リンゴも開花間近。こんな時期の降雪は、いくら信州とはいえ平地では異例です。一日寒くて、3月上旬並みの陽気だったとか。果樹や野菜などの農作物への被害も心配されます。
 写真は。近所の山側のリンゴ園とベランダの積雪の様子。そして、雪を被ったクリスマスローズ。そして、種類は分かりませんが、蟻ケ崎の住宅街で未だ咲いていた桜と、我が家の果樹園のリンゴ。

 会社のある上田市下之郷の上田リサーチパークは、その名の通り企業の研究開発部門や大学などが、森林や田畑といった豊かな自然環境の中に点在しています。
入居した企業や機関などに、市が周辺の環境作りのために桜の苗木を毎年数本ずつ配ったそうで、当社は社歴に合わせてまだ30才未満の若木ですが、本社事業所の周辺にもソメイヨシノを中心に数種類の桜が30本程度でしょうか植えられていて、この時期目を楽しませてくれます。

 事業所内の喫煙所の部屋の横にもソメイヨシノがあって、10日程前だったでしょうか、眺めていると、まだ満開前で風も無いのに時折花びらが散っていました。
「えっ、もう散り始めた訳?」
良く見ると、灰色の体長20cm程の大きな鳥が数羽、桜の木で盛んに花を啄ばんでいます。      

 その後、気になって喫煙の度に桜を見ていると、多い時には10羽以上の鳥が桜の木に来ています。
鳩よりは小さいので、最初はムクドリかと思いましたが、近くで見るせいもあるのか、何となく一回り大きな鳥で、むっくりしておらず体も“尖っている”様に感じがします。
「ムクドリと桜」をキーワードに調べてみると、どうやら正体は「ヒヨドリ」らしく、ヒヨドリは嘴が細く長いために花の蜜を好んで吸うのだとか。そして、この時期は桜の花が大好物なのだそうです。何となく、ムクドリのような気もするのですが・・・?
少なくとも、これまで松本で花見に行っても、桜に鳥が来ていたのを見た記憶がありませんが、会社のメンバーに聞くと然程珍しくはないようです。
昔、労務担当の頃、2月中旬くらいに同じ労連傘下企業の全国労使会議が伊東であり、ちょうど河津桜が咲いているタイミングに当たった年だと、伊東へ行く途中の多分河津駅でしょうか、駅に停車した時に、ホーム周辺にも植えられていた桜の木にたくさんの緑色をした小鳥(多分メジロだったと思います)が群れていて驚いた記憶があります。あれも、花の蜜を吸っていたのでしょうか。
昨日には、既に会社の桜も葉桜。でも、鳥たちはまだやって来ていて、残った花を散らしながら啄ばんでいました。

“梅に鶯”の喩えはあれど、“桜にヒヨドリ”とは・・・?

 14日の日曜日で、今年の松本城の夜桜会も終ったとか。
県外からもたくさん来られたようで、周辺道路も県外車が多くて昼間も混雑していました。
松本城の桜は、3日の開花宣言からあっという間に満開となり、「今年の桜は一週間も持たないのでは?」と心配しましたが、翌週の(降雪含め)花冷えで結構長く咲いてくれました。

 その日曜日に、ハーモニーメイトのチケット購入のために、松本市島内にあるザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化会館。略して音文)へ食料品買出しの前に立ち寄りました。

ここは、元カネボウ(だったか)の工場跡地で、北アルプスをイメージした(多分)大きな三角屋根で、レンガ色をしたホールの周りには往時からの大きなヒマラヤ杉と数十本の桜も植えられた公園になっていて、その桜がちょうど散り始めという感じでした。
公園には、小さなお子さんの手を引かれたご家族連れや近くの特養の方々など、皆さん思い思いに散る桜を眺めていらっしゃいました。
ここからは、美ヶ原や鉢伏などの東山々系と常念を始めとする北アルプス(西山)の両方を眺めることができます。
 おそらく、ここや松本城などよりも標高の高い城山がちょうど満開の頃で、その上にあるアルプス公園は多分まだ6分咲き程度で、満開にはもう少し時間があるのではないでしょうか。
さすがにゴールデンウィークまでは今年は無理かもしれませんが、標高差のある松本では、もう暫く市内でも桜が楽しめそうです。

 一坪ほどの小さなハーブガーデン。
我が家のフラワーガーデンスペースは、自分で作庭した時は、花を楽しみ且つ食材としても楽しむべき一石二鳥を兼ねて、これまで色々なハーブを植えていましたが、ミントの生命力の強さ(竹並み)を知らず植えたため、結局はミント・ジャングルと化し、奥様が「何とかしてぇ!」と悲鳴を上げたので、全体(芝生ガーデン以外)を高校の同級生の経営する園芸店に頼んで植栽変更。その中で、ハーブを植えるスペースを僅かばかり確保した部分です。
一時期のハーブブームもあって、園芸店に並んでいたハーブは殆ど全て試しましたが、結局我が家で残った(受け入れられた)のは、ルッコラとクレソン、そしてバジルとチャイブにパセリのみ。特にルッコラとクレソンは、そのままサラダになり、且つスーパーで買うハウス栽培モノと比べ味が大変濃いので、家族の大好物です。パセリも別の野菜と思えるほど味が濃く美味しいですし、バジルはミキサーでバジルソースに(奥様が)しています。

 ところが、昨年のルッコラは購入した苗がひ弱でヒョロヒョロとしか伸びず、思った程収穫出来ませんでした。そのため、最後は諦めて花芽も摘まずにほったらかしにしてありました。

 先日、何気なくハーブガーデンを見てみると、多年草のチャイブが、今年も小さな芽を一杯出していました。また2年目のパセリも青々した葉が出てきています。但し、パセリは2年目に結実するので、葉の収穫は余り期待できません。「料理に使いたい時にすぐ摘めるように」という奥様からのリクエストで、ベランダのプランターでも栽培する株と合わせて植え替えた方が良いでしょう。
そうした中、5月連休明けくらいにルッコラとバジルを毎年6~8株植えるスペースに、何やら雑草が生えています。農作業に時間を取られ、芝生も含め雑草をまだ取る暇がなく、生えっぱなしでそのままになっています。

ところが、良く見てみると、その葉っぱ・・・大分幅広ですが、何となくルッコラの色と形に似ています。試しに葉の先を少しちぎって食べてみると、紛れもなくゴマの味。それも、随分濃いゴマの香りがしました。
「これっ、ルッコラだぁ!」
間違いありません。どうやら、昨年花芽を摘まずにそのままにしておいたので、結実した種がそのまま零れて、春になって自然に発芽したのです。
しかも、園芸店に並ぶハウス栽培のポット苗よりも、人間の手が全く加えられず自然の力だけで育った分だけ、弱々しさが無く随分強い生命力を感じます。太くて立派な株です。ただ茎が短いので、育ててみないと茂るほど大きな株になるかどうかは分かりませんが、全部で8株ありました。野生というか、自然の力は凄いですね。これぞ、大地の恵みです。
 併せて、今年もクレソンを水耕栽培するために発根させるべく、例年よりは少し早いのですが、今年の春は早かったので、先ずはスーパーから買ってきた束を水の入ったビンに入れました。
このまま日光に当てていると、購入時のハウス栽培の柔らかそうな緑一色から、やがて茎が黒っぽくなって逞しい緑色に変わっていきます。
【追記】
あろうことか、11日の未明に(予報通りですが)松本では降雪があり、早朝起きてみると、我が家周辺で3cmの積雪。近所の山側のリンゴ園もご覧の通り、些か季節外れの雪の花が咲きました。3年前にも桜が咲いてからの4月17日に7cm(高台の我が家周辺は10cm近く)の積雪があり、唖然とした記憶があります。その時は30年振りということでしたが・・・。
ルッコラは寒さに弱いので心配しましたが、大丈夫そうです。また、既に半分ほど散ったヒガンザクラも雪を被って寒そうでした。この寒さで花が少しでも長く持てば良いと思います。
松本城の夜桜会は昨日まで。外堀のライトアップは今日までだとか。何とか持ったようですね。今日は南風が強そうで、花吹雪が舞うことでしょう。

 家内が不在の週末。
所用での帰りに、とある郊外のリサイクルショップに初めて寄ってみたら、広い店内の殆どはコミック誌とゲームソフトに古着類で占領されていて、些か場違いな様子でしたが、片隅にあったAVコーナーに中古の「KENWOOD K-521」と書かれたCD一体型コンポが展示されていて、値札を見ると18000円也。しかもiPod Dock搭載との記載。「イイなぁ、これ!」。

 帰宅して早速ネットで検索したところ、これは音響メーカーのケンウッドのKシリーズで、2009年から発売され、オープン価格で当時45000円。しかし既にモデルチェンジで後継機種が発売されており、K-521は生産終了になっていましたが、流通在庫か、楽天やAmazonなどの通販ではまだ新品も販売されていて、最安値はナント2万円を切っています。そうであれば、わざわざ中古品を買わずとも、多少無理をすればポケットマネーでも手が届きそうです。

リビングで、自作の長岡式バックロードホーンスピーカー“スワン”と併用するメインスピーカーとして、これまたケンウッドの前身でもあるTORIO LS-202を30年振りに復活(第276話参照)させたことにより、(奥様から)邪魔にされて(確かに、フロア型のスピーカーを3台並べると邪魔でした)リビングから追いやられ、2階のファミリーコーナーの片隅で遊んでいる(捨てたら?というので、緊急避難中の)KEFのスピーカーCoda-9。
折角あるので、2階でもせめてCDが聴ければと、安いCDレシーバー(アンプと出来ればチューナーの一体型)を予算2万円以内で探していたのですが、最近借りてくるCDは(奥様が)iPodに入れてくれるので(二度手間だからと、CD-Rには落としてくれないので)、iPod Dock搭載機種であれば一石二鳥です。
階下のリビングでは、これまたKENWOODのポータブルオーディオCLX-70(壊れたリンゴ作業用のCDラジカセの代替に購入。第714話参照)でiPod を聴いていますが、音質的には・・・。
(写真は、リビングのメインシステム用のスピーカーとポータブルオーディオ。KEFのスピーカーCoda-9と後日届いたKENWOOD K-521シルバーの基本構成)

 先ずはネット検索し、同価格帯での同一コンセプトの競合機種であるパイオニア製品(X-HM50)との比較チェックをしたところ、パイオニアの方がハイパワーながら少し安く(最安値1万7千円程)入手出来そうでしたが、クラシック音楽やジャズ中心での音質面では、昔のドンシャリのイメージが拭えないパイオニアよりも、ケンウッドの方が自分の好みには合いそうでしたし、何よりフルデジタルは魅力的。なお後継モデル(K‐531)はBluetooth搭載ですが、それ以外のスペックは殆ど変わっていないようですし、現行モデルは値段も通販でも3万円台半ばですので予算オーバー。また単体レシーバーは、iPod Dockを搭載していない機種であっても最低で2万5千円位はしています。そこで、スピーカーは不要ではありますが、やはりKENWOOD のK-521にすることにして、色は何故かブラックの方が安かったのですが、好みでシルバーをチョイス。
ネット通販で探すと、たまたま出品されていた中に、新品で梱包箱に傷がある所謂「訳あり商品」があって、値段は18900円で送料無料とのこと。これなら都会ではいざ知らず、この田舎のリサイクルショップで見た中古品の値段とそう変わりませんので、何だか得した気分。早速通販でネット購入することにしました(些か長くなりますので、試聴記は後日改めて)。

 電車通勤ではなくなり、「街に出る」機会がメッキリ減ったため、何かの折に出掛けると、ここぞとばかり文庫本を数冊ずつ購入し、時間を見つけては読んでいます。

 やや乱読気味の中で、気にはなっていたのですが手が伸びずにいた中山七里氏の著作を立て続けに3冊読破。
最初は、第8回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作の「さよならドビュッシー」。続けて「おやすみラフマニノフ」。そして、三冊目が「さよならドビュッシー前奏曲」(短編集)。
一応ミステリーですので、前二作はピアニストでもある「岬洋介」が探偵役。三冊目は一作目のモチーフとなる事故で亡くなる老人「香月玄太郎」がアームチェアディテクティブならぬ車椅子探偵として活躍。

 ただ大賞受賞作は、ちょっと誇大広告のような気がします。
ミステリーの題材としてはありふれたものだと思いますが、それを一人称で語らせているところがズルイ。ニ作目もミステリーとしては至極ありきたり。このニ作に共通するのは、むしろ音楽描写の素晴らしさ。文字だけの描写ですので、コミックの「のだめ」とは異なりますが、音楽や演奏描写のリアリティーは共通する部分があると思います。特に「おやすみラフマニノフ」で、音大オケが成長しつつ曲を作り上げていく過程は、正に「のだめ」を連想させます。その意味では、謎解きというより、音楽描写こそが主題であるように感じました。そして、ハンディを背負う岬や下半身不随の玄太郎に時折語らせる“人生訓”が、なかなか鋭く、また良いことを言っています。

 クラシック音楽(+ミステリー)好きが、肩肘張らず、構えずに気楽に読むには良い作品・・・でしょうか。
「ビブリア堂古書店」(TVドラマでは人気が無かったようですが、確かに些か配役のイメージが違うので、1回見て止めてしまいました。少なくとも本の方が魅力的)もそうですが、最近、音楽や文学など或るジャンルの“オタク”的薀蓄を散りばめながら、こうした“軽い”(本格派嗜好の方には軽過ぎる)ミステリー作品が巷に増えているような気がしますね。

 庭の一角、道路沿いの“雑木林風ガーデン”の樹下で、ポテンチュラのグランドカバーの中に植えて、家内が丹精している色とりどりのクリスマスローズ。

最初10株程度だったのが、定期的に植栽変更などの世話をしていただいている園芸店から売れ残りの鉢を安く譲っていただいて植えたり、「こぼれ種」で自然に増えたりして、もう30株ほどにもなっているかもしれません。
今年も、早春に見事な花を咲かせています。白、黄色、赤、ピンク、黒紫、そして一重、八重・・・。咲き終わると、やがてどの色の花も花弁が緑色に変わりますが、これがまた別の趣があります。
(掲載した写真は、3月30日撮影時点での花の様子です)    
 3月中旬に、冬の間に枯れた葉を全部刈り取り、花芽だけにしたので、余計に鮮やかに感じます。花の咲いた後で、今度は葉が出てくるので大丈夫なのだとか。また今年も「こぼれ種」でたくさんの新芽が出てきています。
道路沿いなので、ご近所の方も我が家のクリスマスローズが咲くのを毎年楽しみにしていただいているようですし、また庭や鉢植えなどでご自身でも植えられている方も増え、時々その育て方を先輩格の家内に聞かれてもいるようです。
 暫くの間、道行く人も含めて目を楽しませてくれそうです。

 さて、この3日に松本城外堀北側の観察木の桜が綻び、開花宣言が出されたそうです。平年より1週間、昨年より13日早く、過去10年間で3番目に早い開花だとか。今年の松本は、まだ咲いている梅とこれから満開を迎えるヒガンザクラも合わせて、正に百花繚乱の趣でしょうか。(4日朝の母屋横のヒガンザクラの様子。市内よりは高台ですが、5部咲きといったとこころ)
松本城には320本の桜があり、開化から3日後から8日間ですので、6日から13日までの夕刻5時半から夜9時まで、「松本城夜桜会」として、お堀端などのライトアップが行われます。その間、本丸庭園も無料開放され、園内ではお茶席が設けられ、月見櫓での邦楽演奏などが今年も行われるそうです。
その夜桜も風情がありますが、昼間、残雪を頂く北アルプスとモノトーンの“烏城”をバックに咲く桜との共演は、“北アルプスの城下町”松本でしか見られない早春の風景です。

 信州松本は、『山高く 水清くして 風光る』(平林荘子)候を迎えます。

(・・・と言いつつ、会社のメンバーからは「松本城より、上田城の“千本桜”の方が絶対にスゴイですから!」と薦められたので、今年の桜祭りは初音ミクがシンボル・キャラクターだそうですし、機会があれば少々浮気をしてみようかと思います。その上田城の桜も、仲良く同じ3日に開花宣言が出されたとか・・・)
【追記】
この3日の水曜日に開化したと思ったら、その後の暖かさであっという間に満開になってしまいました。松本城は、13日まで夜桜会でお堀に沿ってライトアップがされていますが、それまで花はもつのでしょうか。
同じ3日に開化した上田城は8日にはもう散り始めたとか。5日にその上田で飲み会があり、二次会が終った後に皆で上田城へ。さすがにライトアップは終っていて真っ暗。門の横に咲いていたシダレザクラを、皆で携帯の画面で照らしながら順番に撮影しました。
高遠も、松本城も既に満開とか。花の命は・・・とは云うものの、今年は短いですね。でもここで花冷えか、今週は最低気温が零度近くまで冷え込んでいますので、一日でも長く咲いていて欲しいと思います。

 高校音楽部のOB会の創立60周年の記念演奏会が3月末に県文(キッセイ文化会館中ホール)で開かれ、聴きに行ってきました。

 メインはモーツアルトの絶筆となったレクイエム。特にラクリモーサなど“天上の美しさ”と思えるほどで、学生時代から一度は自分も歌いたいと楽譜まで買ってありました。学生時代に買った廉価盤のLPとシンガポールで購入したらしい海外盤のCD共、往年の名盤と評判だった(多分)ケルテス&VPO盤が購入してありました。

 それが、高校の音楽部(合唱班と室内楽班があり)のOB会である「志音会」が、創立60周年で取り上げるとの千載一遇のチャンス。
しかし、2年位前から始まった松本と東京での合唱練習は、当然休日の実施となり、生憎農作業で潰れるため、結果穴を開けては申し訳ないので、残念ですが参加しませんでした。
同じ音楽部の後輩でもある長女は、東京での練習に参加しており、娘からは「今なんか自分で音採りなんかしなくても、ネット検索すればパート毎にちゃんと登録されているんだから、一緒に歌おうよ!」と言われたり、またどうやら参加者が少ないらしく、娘を通じて事務局の方からも「お父さんも是非誘って!」と、途中からの参加を勧められたりもしましたが、やはり諦めざるを得ませんでした(でも、50周年の演奏会で、当時現役部員だった娘と親子で同じステージで歌えたのが、皆さんからも羨ましがられたように、父親冥利に尽きる良い思い出です)。
 そのコンサートに、娘の旦那さんも東京から駆けつけ、家族揃って聴きに行きました。県文(キッセイ文化ホール)の中ホールで行われた演奏会は、ほぼ満席。
音楽部は室内楽班ですので、この日のオケ(プログラム前半に、ベートーヴェンの8番を演奏)は、管楽器は吹奏楽部OBや外部の方の応援だと思いますが、それにしても客演の指揮者とテノールを除くと、ソリストもOB(それぞれ、音大を出て二期会などで活躍されているプロの声楽家)。身内の感想ながら、音楽科がある訳でもないのに大したものだと思います。そのアルトとバリトンのソロもお見事でした。

 ステージには、もうさすがに旧制中学時代のOBはおられず、最年長が新制高校になっての5回卒ですので御年78歳の大先輩を筆頭に、現役の在校生諸君まで。2管編成のオケが60名、合唱が約100名の大所帯(ただ、殆ど県外に出ている私の同期はゼロでしたが、やはり地元に居て、しかも会社勤めが終らないと、参加するのは難しいのでしょうね。私も「定年になったら歌おうかな」と思います)。
東京、松本、またオケと合唱の別練習ゆえ、オケを入れての合同練習は前日。演奏会当日も、朝9時から全曲通しでの練習も含め、本番までずっと歌いっぱなしだったようです。80歳近い大先輩もおられますので、大丈夫かと心配だったとか。
トゥーバ・ミルバのトロンボーンソロ、(心配しましたが)お見事でした。
ラクリモーサ、モーツアルトの絶筆。いつ聴いても涙が出るほど美しい曲です。ベネディクトゥス、本番では練習より極端に遅く、歌っていて死にそうだったとか。
全体的にも、ゆったり目のテンポで、確かに最後は多少息切れも感じられましたが、ソリストのOBを除けばオールアマチュアで、良くぞここまで演奏できたもの。OBの一人としても、ステージで歌う娘を見ながら感無量。演奏に感心し、また感動もして聴いていました。ブラァボ!

 70周年には、フォーレのレクイエムなんかどうかなぁ。これなら、(そんなに練習に出られなくても)今でも歌えるかも・・・・。