カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前回の購入編(第731話)に続いての試聴編です。
平日に届いていた、KENWOODのコンパクトHi-Fiコンポ K-521。
帰宅後(ナイターも見ずに)、早速2階に運び、梱包を解いてセッティング開始。模型組み立て同様、何歳であろう(要するにオジンになろう)と“男の子”にとっては、こういう時間が楽しいんです。

 考えてみると、秋葉原のオーディオ専門店で候補の機種を実際に確認して選び、16年前の新築時にそっくり買い換えたリビングのオーディオ・システムも、DENONのレコードプレーヤーとKEFのスピーカー以外は、結果として全てKENWOODでした。
3年前には、自作のスワンと併用するリビングのメインスピーカーを、社会人になって購入し、その後母屋の屋根裏で眠っていたケンウッドの前身であるトリオの LS-202(第276&277話参照)へと、30年振りに復活させてKEFから置き換えてもいます(今でもイイ音で鳴っています!)。結局、ケンウッドの音作りが私の好みに合うのでしょうか。

 さて、K-521は高音質コンポKシリーズの先代モデル。
そう言えば、16年前に雑誌「ステレオ」などのレビュー記事をじっくりと検討して選んだリビングのオーディオ・システムのCDプレーヤー、MDプレーヤー(当時、LPをデジタル保存しようと思ったのですが、デジタルの進化は何が主流となるのかをキチンと見極めないと、MDは今や消え行くのみ)とチューナーも、Kシリーズの前身であるK’sシリーズの中のそれぞれ上位単品モデルでした(プリメインアンプも同じKENWOODですが、小型には何となく不安を感じ、アンプだけは大型のKAシリーズの上位モデルを選びました)。当時K’sは、ONKYOのINTECと共に、高音質コンパクト・モデルの走りだったように記憶しています(単なる音楽好きで決してオーディオマニアではないので、ハイエンドではなくどれも中級クラスですが、出張の度に帰る電車を遅らせて秋葉原を廻り、一番安い店を探して全部纏め買いしたので4割引くらいにしてくれて、お陰で家内の希望した食洗機との交換条件である30万円の予算内に納まった筈です)。

 今回のK-521は、CD・チューナー・アンプの一体型(レシーバー)で、iPod ドックも搭載しており、しかもデジタルアンプを含め左右独立のフルデジタルプロセッシング。この値段で(当初の4万円台であっても)凄いですね。ちゃんと儲かるんでしょうか?出力は40W+40Wですが、BGM的に聴くには必要にして十分。また付属スピーカーも、ウーファーの直径11cm(白いコーンで、特にブラックモデルだと往年のNS‐10Mを連想させますね)と小さいながらもドーム型ツィーター搭載の2 wayバスレフで、キャビネットの厚みも15mmで重さも1本3.4kgと結構しっかり作ってありますが、アンプ側のスピーカー端子が1系統しかないので切り替え不能(都度スピーカーケーブルを付け替え)なため、今回はこのファミリーコーナーの片隅に追いやられていたKEFのCoda-9に変更する前提です。
付属のスピーカーケーブルが2mしかなく、ファミリーコーナーの巾4mでのセッティングの都合上、アンプが左に偏るために長さが足りず、母屋から昔使っていたケーブルを持って来て接続し、付属のFMアンテナ(AMは聞かないので使用せず)も接続してセッティング完了(というほどのこともない、ただ繋ぐだけの単純作業ですが)。
 さて、いよいよ音出しです。先ずは、付属の小型スピーカーでシステムの基本音質のチェックから。音質設定は何も加えずに、最初はFlatでの試聴。
音源は、聴き慣れた「Jazzベスト100」のピアノトリオのCDから、お気に入りのザ・グレート・ジャズ・トリオの演奏する“Milestones”、オスカー・ピーターソン・トリオの“C Jam Blues”、更にビル・エヴァンス・トリオで“Love is here to stay”と“枯葉”。そしてクラシックは、クーベリック指揮バイエルン放送響で、大好きなモーツアルトの交響曲第36番“リンツ”。
先ずは、ピアノトリオから。
Kシリーズを名乗るだけあって、思いの外良い音です。2万円では尚更ですが、発売当時の価格(45000円)であっても、ハイ・コストパフォーマンス・モデルだと思います。但し、このサイズですので、低音はそれなり(一応鳴ってはいる=聞こえる程度。アンプにサブウーファーへの出力端子あり)。ただ、このシステムの特徴でしょうか、ピアノがとてもナチュラルで、シンバルもちゃんと聞こえます。しかし、スピーカー間を4m離しての小音量だと左右の音が纏まりません。説明書の定格欄には、なぜか出力音圧レベルの記載がありませんが、今様の小型スピーカーですので能率はそれ程高くは無さそうです(今は、ローパワーの真空管アンプでのドライブを前提としないので、低能率の方が作りやすい小型スピーカーを、ハイパワーのアンプ側でカバーする前提なのだとか)。
そこで、デジタルならではの付属の音質設定でどこまで改善されるのかと、ケンウッド独自のデジタル音質向上技術の“Supreme EX”と音響イコライザーの“CONEQ”を効かせてみる(Mode3の「フローリングの床など音が良く響く部屋」を選択)と、音が急にふわっとして奥行き感(立体的な拡がり)が出てきました。低音はまだ不足ですが、D‐BASS(低音補正)は不使用。付属のスピーカーの音を確認した上で、ここでKEF Coda-9に変更です。(以下次回にて)