カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 12月19日の夜。松本ザ・ハーモニーホール(以下略称“音文”)。
小曽根真さんのピアノトリオにエリック宮城(ミヤシロ)さんのトランペットをフィーチャーしたスペシャルバンドで、音文主催コンサートとして“Xmas Jazz Night”が開かれ、勇んで聴きに行きました。
 小曽根さんは昨年6月にも師匠ゲイリー・バートンとのグラミー賞受賞デュオでのコンサートが音文であったのですが、会社の重要会議の日と重なり断念。
今回は、ここ数年(年を重ねった結果)聴き始めたJazzの中でも、好きなピアノトリオにハワイ出身日系三世のエリック宮城さんのトランペットがフィーチャーされた、信州ではなかなか聞けないであろうJazzライブです。
小曽根さんとエリックさんはTVで演奏を聴いたことがありますが、小曽根さんはクラシック音楽も演奏されていますし、また所謂ハイノート・ヒッターと呼ばれるエリックさんの超絶技巧には唖然とした記憶があります。お二人共Jazzの名門ボストンのバークリー出身(後述のベースの中村さんも)で、若い頃から本場米国で活躍された世界的ジャズミュージシャンの面々。

 この日のチケットは完売とか。客層もですが、ホールも天井にも照明が当てられていて、いつものクラシックの演奏会とは少し雰囲気が異なります。
客席後方から小曽根さんがスポットを浴びながらにこやかに登場。早速、ピアノトリオでのセッションで開演、二曲目からエリックさんが登場。最初は、クラシックのコンサートとは違う(クラシックギターでは使われますが)電気的に増幅された音に些か戸惑いつつも(普段演奏されるライブハウスとは異なる天井高ホールの容積故、ベースはともかく、ピアノは無くてもイイ様な・・・?)、直ぐに違和感も無くなります。
それにしても、さすが世界の“ハイノート・ヒッター”。生で聴くエリックさんのトランペットの、高音の何と優しく暖かな音色なのでしょうか。溜息が零れます。
エリックさんは、若い頃米国の有名バンドに入り、そのツアーで60数日間連続で演奏し、途中唇が切れたこともあるのだとか(それでも、演奏方法を敬愛するボビー・シュー?さんからアドバイスを受けて、演奏を続けたのだそうです)。トリオを組む中村健吾さん(Bs)も高橋信之介さん(Ds)も巧い(小曽根さんの説明に依ると、特にホールでのドラムス演奏は、そのバランスがとても難しいのだとか。「信之介はパーフェクトです!」との紹介)。
皆さんのアドリブソロにホレボレします。皆さん、小曽根さん率いる15名のビッグ・バンド“No Name Horses”のメンバーとか。
ジャズの良いところは、クラシックの様に息を潜めて聴かずとも、ソロの後で起こる拍手など、リラックスして聴けること。自然と体もスウィングして行きます。それと、ジャズプレイヤーの人たちって、総じて皆さん優しくて紳士の様な気がします。
 途中休憩を挟んで、小曽根さんとエリックさんの曲を中心に、マイルス・デイビスの曲などを含め、前後半で9曲を演奏。Jazzは素人ゆえ、スタンダードな曲しか知りませんので、初めて聴く曲ばかりでした。
スタンディング・オベーションの拍手に応えて、最後に、今宵銘打たれたクリスマス・コンサートに相応しく、カーテンコールに応えて、アンコールとして客席の合唱もリクエストされての“Silent Night”。途中で、エリックさんが客席に降りられて、通路を一周しながら耳元での演奏をプレゼントしてくれました。何とも心温まる“ハートフル(Heartfelt?)”な夜でした。
 「こんなJazzが松本で聴けるなんて、夢みたいだよね。ウン、良かった!」
(えっ、チック・コリアも聴きに来ようかな!って?・・・)