カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 城山公園に程近い松本市蟻ヶ崎の「放光寺」。
山号を「日光山」と号し、市内では牛伏寺と並ぶ厄除け祈願で有名な古刹ですが、こちらでは毎年7月の17・18日の二日間「ほおずき市」が開かれているのだそうです。
「ほおずき市」で全国的に有名なのは浅草寺ですが、夏の風物詩でもあり、都内でも浅草寺だけではなく、また全国各地でも行われているようです。
松本市内ではおそらく放光寺だけでしょうか。“放光寺のほおずき市”自体も、地元に居ながら殆ど聞いたことはありませんでした。

 ホオズキは、漢字では「鬼灯」と書き、東南アジア原産のナス科ホオズキ属の多年草とのこと。薬効もあるようで、また「鬼灯」と書く様に厄除けとして提灯の代わりに飾るのだとか。朝顔やほおずきの鉢、金魚や風鈴などが江戸の庶民にとっての夏の風物詩だったのでしょう。
子供の頃は、雑草かと思う程にアチコチで見掛けて採って遊んだような気がしますが、最近では田舎でも身近で余りホオズキを見掛けなくなりました。
18日、留学中の娘に頼まれた荷物の中に海苔などの「日本的」なモノを入れて一緒に送るための買い物ついでに、放光寺に先に寄ってみました。
我が家からは裏山の坂を上ればすぐですが、この日は車で、城山公園の駐車場に車を停めて歩いて行くことに。難なく駐車出来ましたが、公園の芝生の広場で遊んでいる家族連れの皆さんも何組か居られましたので、アルプス公園に臨時駐車場を設ける程の厄除け縁日の混み様とは雲泥の差。
 城山公園の駐車場からは、歩いて数分で到着。拍子抜けするほどに、参拝客はまばらでした。
参道の両側に、ホオズキの鉢を売る露店と地物野菜と子供用の玩具の炉店がそれぞれ一軒ずつあるだけ。厄除け縁日の露店の賑わいとは比べ物にはなりません。どうやら、ホオズキも野菜の販売もお寺の皆さんが揃いのTシャツを着て対応されているようで、「御供ですからどうぞ!」と勧められて、我々もアイスキャンディーをいただき、木陰の休憩所で涼みながらいただきました。何とも家庭的な雰囲気。50万人を優に超える人出という浅草寺とは比べるべくもありませんが、地元の小さな「ほおずき市」に、これはこれで何だかホッコリ出来ました。お寺さんのお宅の飼い犬というトイプー君が、露天で愛嬌を振りまいてお手伝い。家内が
 「犬を連れてお詣りに来ても構いませんか?」とお聞きすると、
 「えぇ、(ここは)大丈夫ですよ!」とのこと。
因みに、今年の厄除けの時に居た法被姿のブルドック君(第1054話参照)のことをお聞きすると、露店を出されたテキヤさんが連れてきた飼い犬ではないかとのことでした。
来年の厄除け祈願のお詣りの時は、散歩がてらナナも連れて来れそうです。そう云えば、殆どの寺社仏閣は境内へのペット連れは禁止だと思いましたが、金比羅様(第751話参照)では江戸時代に長旅の金毘羅詣が困難な飼い主に代わっての犬の代参が認められていましたっけ・・・。
 観音様にお参りを済ませ、我が家ではホオズキの鉢は要らないので、頂いたアイスキャンディーのお礼に、少し野菜を買って放光寺を後にしました。