カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 米国ではサラダ用に大変ポピュラーだと知ったケール。
サラダに使われるのは、通常の葉の硬い青汁用とは異なり、パセリの様な葉をしたカーリータイプのケールで、葉が柔らかく生食に向いています。

 最初はキャベツにも似た(注:同じアブラナ科で、ケールはキャベツの原種とされる)“普通”の葉でしたが、次第に内側からカールした葉が出てくるようになりました。そこで、数日おきにハーブガーデンのルッコラと一緒に、家庭菜園のキュウリやトマトを加えて、全て自家製野菜でのサラダにしています。
一切消毒無しの無農薬なので、青虫さんの好きな葉物野菜やハーブは穴だらけですが気にしません。
カーリーケールはアメリカで食べたモノよりジャミジャミ感が無く、むしろ柔らかい気がします。でも、味はしっかりケールの味。
 ケールは、情報に拠ると、
『・・・食物繊維が豊富で、抗酸化ビタミンやカルシウム、βカロテン、ミネラル、葉酸、たんぱく質が豊富に含まれています。特にβカロテンはなんと、トマトの5倍!カルシウムは牛乳の2倍含まれています。葉酸は妊娠中に摂りたい栄養素でサプリメントで補う場合が多いのですが、自然の食べ物から摂れたら安心安全。そんな葉酸もケールにはしっかり含まれています。また、快適な睡眠を得るために重要なメラトニンも沢山含まれているんです。そのため、不眠症の改善に役立つ効果が期待されています。そのため、ケールは「野菜の王様」と呼ばれています。・・・』
とのこと。青汁だけではなく、生食で食べられればそれに越したことはありません。米国で(健康志向の人たちの間で)サラダ食材として盛んに食べられているのも大いに納得出来ます。

 夏野菜の代表である茄子(ナス)。
長ナスや水ナスなど、色々な種類がありますが、我が家を含め、昔から松本地方で良く栽培されているナスは長卵形のナス。野菜苗で売られている最近のナスで代表的なのは、「千両」というタキイ種苗の種類でしょうか。
漬け物に良し、油との相性も良いので揚げたり焼いたり煮たりと、色々な料理に使われています。そうした中で、信州では「ナスのお鉄火」と呼ばれる家庭料理、鉄火味噌のナス炒めがポピュラーです。そして、お焼きとしても、炒めた野沢菜(これは本来漬かり過ぎて酸っぱくなった野沢菜漬けを使うので、時期としては春先の具材)や切干大根などと並んで代表的な具材(「ナス味噌」との表記もあり)でしょう。

 ところが最近まで知らなかったのですが、長野などの北信地方と中信地方とでは、同じお焼きの「ナスの鉄火味噌(ナス味噌)」でも、ナスの種類が違うのです。最初は、そのお焼きのナス味噌が十分に炒めていない(炒め方が足りない)ものとばかり思っていたのですが、そうではなくて使われているナスそのものの種類が違うのだとか。松本などの中信地方では専ら冒頭でご紹介した「千両」に代表される様な長卵形の“普通”のナスのお鉄火ですが、長野などの北信では炒めモノには昔から専ら「丸ナス」が使われるのだとか。そしてこの丸ナスの最大の特徴は所謂“煮崩れ”しないこと。従って、お焼きの具の鉄火ナスも「炒め方が足りない」のではなく、「炒めても形が変わらない」結果だったのでした。
 奥さまのお友達から毎年頂くたくさんの野菜。その中の一つがその「丸ナス」です。これは、昔ご主人と長野県内をアチコチ転勤された際に、北信地域への赴任時に、やはり松本ご出身で知らなかった「丸ナス」の存在を知り、松本の自宅に戻られてからも、鉄火味噌など炒めたり揚げたりする料理での「丸ナス」の美味しさが忘れられず、農業をされている弟さんに頼んで。わざわざ毎年栽培してもらっているのだとか。その丸ナスを我が家でもお裾分けして頂いているのです。お鉄火に限らず、天婦羅でもそうですが、揚げたり焼いたりしても身が崩れず歯応えがある食感が素晴らしい。でも決して固いのでもありません。一方、漬け物などには「千両」などの“普通のナス”の方が向いていて、この丸ナスは向いていないと思います。
 松本市には一本ねぎがありますが、上田に通勤して初めて知った、坂城町のネズミ大根や上田市のみどり大根。そして、北信には小布施丸茄子に代表されるのでしょうか、丸ナス。そう云えば、信州を代表する野沢菜も江戸時代に野沢温泉の住職が京都から持ち帰った天王寺蕪が冷涼な信州では蕪が大きくならずに葉だけが伸びたモノとの言い伝えがありますし、狭い信州だけでも、各地に伝わる伝統野菜があるのは実に興味深いですね。

 サイトウキネン音楽祭から名称を変えたセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)。妹の勤務先がスポンサーとのことでチケットを頂き、8月18日に行われたサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)による最初のオーケストラ・コンサート(Aプロ)を聴きに行って来ました。

 今年もファビオ・ルイージが4年連続で客演指揮者を務め、3年連続となるマーラーでの今年の演目は交響曲第9番(マーラー信者に拠るところの最高傑作と云われる、俗に“マラ9”。全体が生と死をテーマに書かれていて、死を迎える最後は音楽が消え入るようにして終わる。その第4楽章アダージョの最後の小節には、マーラー自身に拠りドイツ語でersterbend「死に絶えるように」との指示が書き込まれている)。従来のソナタ形式に戻っての4楽章構成で、90分近い大曲。そのため、このオーケストラコンサートのAプログラムはこの1曲のみで、当然ですが途中休憩無く全楽章が連続して演奏されます。
 久し振りに聴くSKO。前回が大好きな十束尚宏さんも振られた“20周年記念演奏会”だった筈なので、5年振りでしょうか。この日がメインのオーケストラコンサートの開幕なので、ロビーは華やかさが溢れています。
それにしても4年連続で客演するファビオ・ルイージ氏。SKOとの相性の良さが評判ですが、某音楽評論家曰く、どんな実力ある指揮者でも、昔のカラヤンの様な絶対的君主や練習が厳しい指揮者は今や好かれず、民主的でオーケストラ団員に好かれることが指揮者としては最も重要なのだとか。
メトロの首席指揮者などを歴任したマエストロの実力は勿論ですが、団員に好かれていることがSKOとの相性の良さに表れているのでしょうか。
一見、有能なバンカーの様な雰囲気ですが、やはりそこはイタリア人のマエストロ。寄せては返す、押しては引く波の様に自由自在で、そして想像以上に情熱的な指揮振り。名手揃いのSKOの反応も凄い・・・。この日のコンマスを務められた矢部達哉さん以下、SKOの厚みのある弦の巧さは定評あるところですが(ヴィオラ首席の川本さんのソロパートも艶やかでとても素敵でした)、それにしても管楽器の上手い事といったら唖然とする程でした。それもその筈で、バボラクさんのホルンを初め、有名オケの首席クラスが各パートに揃っているのですから。それにしても、感動よりも感心して溜息と共に呆気にとられておりました。
 「はぁ~・・・、ホントに巧いなぁ・・・!」
第4楽章の最後、弦楽がそれこそ“死に絶えるように”音が消え、マエストロが指揮棒を下ろすまでの静寂を破る様に静かに拍手が沸き上がり、やがてブラヴォーの歓声と共にホール全体を拍手が包み込みました。
何度ものカーテンコールの後、団員も客席に深々と一礼してからお互いを称え合い袖に引き上げても拍手は鳴り止まず、やがてそれに応えるように指揮者を始め全員がステージに再登場。10分以上も鳴り止まぬ盛大な拍手に応え、何度かのお辞儀の後、一人ひとり手を振りながら退場し、漸く我々聴衆も退席しました。

 母のショートステイ期間中に合わせて、お届けモノの荷物を運びがてら、車で娘の所に上京しました生憎、都会に近付くにつれての雨。慎重に運転しながら、ゆっくり走って談合坂で昼食がてら休憩し、ここで“都会に慣れた”談合坂で奥さまに運転を交代。幸い平日故に首都高も然程の渋滞も無く、予定通りに羽田ランプで高速を降りて、最初に娘の住むマンションへ荷物を届けてからいつも通り大鳥居のホテルへ。

 その後、この日も雨模様だったため、今度こそ!と思っていた蒲田の“羽餃子”を諦めて、この日はカンターには出ないとのことで娘の働く様子は見らないとのことでしたが、濡れずに夕刻の羽田空港へ。
江戸小路は「朝顔市」風の夏の装い。何だか、ここに来た方が“日本の夏景色”が感じられます。
蒲田の餃子をあきらめたためか、今回は中華で飲茶を何品かと私メは餡かけ焼きそばと奥様は中華風冷麺。上品な味で美味しゅうございました。
 翌日、娘のお休みだったので日帰りで初めて房総へドライブです。娘の住む大田区からはアクアラインへのアクセスもすぐで便利(結構産業道路からの進入路がナビを使っても分かり辛かったのですが・・・)。途中、海ボタルで休憩。結構混んでいました(平日でも夏休み期間でしたので)。
房総では、昼食で鯵のタタキ定食を。値段は決してお安くはありませんが、やはりこの鮮度は海辺ならでは。プッリプリで弾力があり、臭みなど全く無し。残念ながら鰯のなめろうやサンガ焼きまでは食べられませんでしたが、イイですね、どんなに輸送時間が短縮されたとしても、果物や野菜も産直が美味しいのと同様に魚はやっぱり海辺には敵いませんね。
 翌日は、用事のある奥さまと別れ、頼まれたお土産を購入するために東京駅に。その後で、ステーションギャラリーで開催されていた「幻の画家 不染鉄展」を見ようと思ったのですが、思っていた以上に購入に手間取り閲覧時間が無くなってしまったため、諦めて地下街でのランチに変更です。八重洲地下街には残念ながら北は無く、「エリックサウス」という南インド料理店があります。そこで、好みのカレーを2種類選ぶランチミールスにして、バターチキンとマトンを選択。南なので、ナンではなく、パパドゥとターメリックライスで頂きます。久し振りの本格的なインド料理で満足でした。
 その後で表参道で奥さまと合流し、一緒に糀谷に行ってから松本へ向かいました。

 お盆に来られた県外からのお客様をご案内して木曽路へ。
松本から、信州らしい観光を兼ねて昼食となると、天候に左右される高原や山などの景勝地は夏はリスクが高いので、(松本を除けば)木曽の奈良井宿か上田の別所温泉(「信州の鎌倉」)。今回は久し振りの木曽の「時香忘」の蕎麦と奈良井宿をご案内することにしました。

 松本からは、いつも通り奈良井川の堤防道路から郷原街道を抜ける脇道を走り洗馬で国道19号線に合流。
奈良井観光を後にして先に木曽福島の「時香忘」目指しました。ところが・・・です。駐車場に車の姿は無く、
「えっ、定休日???」
入口の張り紙曰く、ナント「オーナー夫婦の体調回復までの間、定休日を大幅に変更します。8月は日曜日と11日から20日までお休みします。」とのこと。続けて、「先2ヶ月の定休日を食べログに掲載しております」との記載。
「オイオイ、食べログは嫌いで見ない人だっているでしょうがっ!!」
本来であれば自身のH/Pで告知すべきでしょうが、もしH/Pが無いとしても、「食べログ」だけに告知すると云うのは、お客様商売としてはあまりに不親切ではないでしょうか?しかも、「店は関係ありません」の様な何とも第三者的な書き方は一体何?奈良井から往復1時間の無駄なドライブをお客様にお詫びし、奈良井宿へ戻りました。
 奈良井宿は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかの様な鄙びた雰囲気が素敵です。有名店ではありませんが、宿場の中のお蕎麦屋さんで昼食にお蕎麦を食べ、宿場を散策。お客様にも雰囲気を喜んでいただいて、松本に戻りました。

 元の会社の後輩たちとの、年に一度の松本での食事会。
元々は松本のB級グルメからスタートしたのですが、田舎では限られてしまし、一年前の定年退職時の激励会のお礼も兼ねて、今回は我が家での“インドカリーを食す会”。松本市中には北インド料理の(お酒と一緒に、サモサ、タンドーリチキンなどの前菜に始まりガラムマサラ各種を味わえる様な)レストランが無いため、郊外の“エスニック風”のレストランを車で巡ると運転手が飲めませんので、(飲むためにも「じゃあ、ウチで食べよう!」と相成りました。

 最初は、奥さま手作りのシンガポール・チキンライス(海南鶏飯)とタイ・グリーンカレーと思ったのですが、自家製野菜を使ったサラダやプルスケッタなどの一品料理が追加された結果、食べ切れないからと、カレーを何種類か用意することにしました。

 インド風カレーはこれまで市販のルーで色々試したのですがインドらしくなく、結局評判の良い無印商品のレトルトで「バターチキン」と「プラウンマサラ」。更に、最初から予定していたヤマモリという会社の「タイ風グリーンカレー」。これ現地のタイに工場があり、「こぶみかん(バイマックル)」の葉まで入った本格的なカレーキットです。今まで試した中で、正に現地の味だったグリーンカレーで、具材には鶏モモ肉と我が家のナスで、牛乳を加えて調理します。
 無印のインド風カレーは、もう少し辛味と甘みが強調されても良いかと思いましたが、他にも辛味の強いスパイシーチキンなどもありましたので、自分好みの味を探してみるのも良いかもしれません。但し、一般のレトルトに比べると些かお高めの価格設定ですので、試しに自分で調理するバターチキンのカレーキットも合わせて購入してみました。

 奥さまの作った何種類かの一品料理に加え、3種類のカレーに合わせるのがタイのジャスミン米なので、更に現地風で美味。お陰さまでお客様にも大好評で、「次回の設定はシンガポール・チキンライス(海南鶏飯)を是非!」とのリクエストを頂いてお開きとなりました。
 「ホンジャ、またネ!」

 今年は、奥さまから自家用の野菜もちゃんと作って欲しいと厳命されたため、果樹園横の畑スペースに数年振りに野菜を栽培しています。

 先ず畑を耕すことから始めないといけないのですが、暫く使っていなかったためトラクターがバッテリー上がりで動かず。小型の耕運機もエンジンが掛からず・・・・とトラブル続き。
 そこで、農協(JA)の支所(経営効率化の一環で、昨年岡田と本郷支所が統合され、新たに女鳥羽支所として発足)に耕運機を軽トラに積んで運び、部品交換等も含め一週間程掛かりましたが修理をしてもらいました。
また、トラクターはバッテリーを外して同じく支所に持ちこんで充電してもらいました。ところが、今度はタイヤの空気が抜けていたので、いつも行く知り合いのスタンドに相談し、エアタンクを貸してもらって自分で充填しました。
 そして、伸びていた雑草を刈り取り、浅くトラクターで起こしてから雑草の根を4本鍬で取り除いてから、苦土石灰を撒いて再度トラクターで今度は深く起こします。そして、次に耕運機で土が細かくなる様に何度も往復して耕します。そして、鋤などを使って畝を何本か造り、必要な部分を雑草除けと乾燥防止のためにマルチシートを張って畝を覆います。農家で有難いのは、祖父や父時代からの農具や農業資材、肥料が(探せば)全て揃っていることでしょうか。

 栽培準備をした上で、いつもの同級生が営む地元の老舗の「ナカツタヤ」から今年もポット苗で購入。
キュウリを6本、トマトを5本、ナスも5本。加えて今年はカボチャとオクラも2本ずつ。友人からいただいた小ネギ40本も一本ネギとして育てるべく、畝を立てて植えてみました。またトウモロコシ(スイートコーン)とインゲン(つるなしタイプ)は種で購入し、ポットで育苗してから移植。
大根はもう上田に行く機会が無いことから、今年は自分で辛味大根を育てることとし(但しネズミ大根は坂城町から門外不出)、奥さまのリクエストで地元で「硬大根」と呼ぶ信州地大根も種で購入。辛味大根だけは早めに植えてみました。地大根は秋の収穫前提で夏植えになります。

 更に、今回のアメリカ行きで、現地で食べたサラダで人気のケールに奥さまがハマり、日本でもサラダで食べたいとのこと。
色々探してみると、青汁用ケールだけでは無く、トキタ種苗の「カリーノケール・ミスタ」というフリル形状の葉になるカーリーケールの種を発見。生食サラダ向きとの記載もあり、何でもヴェルデ(緑)とロッソ(紫)の2種類の種子が入っているとのこと。早速ポットで育苗し、本葉が2~3枚になったところで移植してみました。
 キュウリは順調に成長し、親指大くらいの大きさで収穫して何度もモロキュウに。たくさん収穫できた時は妹のお宅にもお裾分けです。トマトやナスは収穫できたものの、日当たりが悪いのか量は今一つでしょうか。二本だけの植えたオクラも順調。オクラは、花も野菜にしておくのは勿体ないくらいキレイです。ただ、冷や奴の薬味だけの調理法では勿体ない。
 ケールは、ルッコラ同様青虫さんの大好物の様です。完全無農薬なので結構青虫さんに穴だらけにされた葉もありますが、見つけた時にその都度お引き取りいただいています。
この前初めて収穫して、サラダにしてみましたが、米国西海岸で食べたケールと同じ食感と味でした。これ、サラダに絶対お薦めです。日本でも人気になるかもしれません。

 最近、新聞などで時々目にする耳慣れない言葉、“オノマトペ”。
一体ナンジャラホイ?と気になって調べてみると、日本語では「擬声語」とか。だったら、そう言ってくれれば分かり易いのに、と思うのですが、所謂「ワンワン、ニャーニャー」といった動物の鳴き声や、「しくしく」とか「ズキズキ」、或いは「しとしと」「しんしん」といった状態を表す言葉のことだとか。
語源は古代ギリシア語で、英語では“onomatopoeia”という単語があるにも拘らず、カタカナで最近目にする「オノマトペ」は“onomatopée”という綴りのフランス語なのだそうです。

 特に最近注目されているのは、医療現場で、患者さんの痛みをより正確に把握するのに、このオノマトペが有効なのだとか。通信回線を使った遠隔医療の発達などがその背景にはあるようですが、ナルホドと思い至ったのは、シンガポール赴任時で、一番厄介だったのはお医者さんとの会話。子供を病院に連れて行って診てもらう時に、具合を正確に伝え切れないもどかしさを痛感しました。ですので、在住の外国人の方がますます増えていく中で、医療現場で症状を表すのに、そうした擬声語が、出来れば将来的に世界共通に標準語とされれば便利だろうと思います。

 この“オノマトペ”。医療現場のみならず、チビリチビリ、フワフワなど、料理の状態や美味しさなどを表現するのにも随分有効だと思います。その意味で、料理界での“オノマトペ”の達人は、何といっても以前日経新聞に連載されていた『食うあれば楽あり』でお馴染みだった醗酵学者の小泉武夫先生ではないでしょうか。ジュルジュル、ぴゅるぴゅるなど、正に小泉流“オノマトペ・ワールド”全開といった趣でした。

 家を建ててから20年。家も“勤続疲労”で色々ガタも来ており、ギシギシ音を立てていた玄関ドアの補修や雪害で壊れた雨樋の補修など、プチリフォームをお願いしました。その際足場を組んだこともあって、この際もう寿命の来ていた薪ストーブも交換しました。

 薪ストーブも家を建てた時に入れましたので、勤続20年。
高齢化に従い薪運びも大変かも・・・と、最初はペレットストーブも検討してみましたが、間伐材活用で裁断して固形化するペレット製造に自治体が補助をしているので、ペレットそのものの調達コストが将来的に不安要素となりうることもあって、結局ペレットよりもシンプルな薪ストーブにしました。FF方式のペレットにすると排気ダクト等の工事が必要になりますが、薪ストーブならそのまま今までの煙突も(利用可能であれば)使えます。

リフォームをお願いした工務店さんが探してきてくれたのは、伊那市に本社のある輸入代理店さん。北欧や北米のメーカーなど幾つか扱っておられる商品の中から、こちらの予算もあり、推薦いただいたカナダSBI社の「ドロレ デコ(DROLET Deco)」という薪ストーブに決定しました。2次燃焼方式で、世界で一番厳しい米国の環境基準EPAの排ガス規制適合品です。今までの鋳造品と違って、モダンなデザインです。
 設置工事の際、掃除を兼ねてチェックしていただいた煙突は幸い交換の必要無しとのことで安心しました。リビングが吹き抜けのため、我が家の煙突は屋根まで真っ直ぐですし、またこれまで広葉樹の薪だけを使ってきましたが、針葉樹は煤が出易いというよりも、むしろ一番肝心なのは良く乾燥した薪を使うことだそうで、十分乾燥していれば針葉樹の薪も使って良いとのことでした。
それにしても、「ピアノよりは楽ですよ」と笑っておられましたが、重機を使わずに(使えずに)人力で100kgを軽く超えるストーブを設置するのは大変な重労働だと感心した次第。
3時間近く掛かって古いストーブを撤去し、新しいストーブが設置されました。モダンなストーブがリビングに据えられ、何だかリビングルームの雰囲気も一変したような気がします。

 20年ほど前に家を新築した際、吹き抜けのリビングの強度確保のための柱を活用して設けられた飾棚。両側がガラス扉になっていて、奥さまがシンガポール赴任中に買い集めた陶器やクリスタル製品などの収納を兼ねて飾られています。その下はオーディオラックを兼ねたウッドボックスで、こちらは機材やケーブル類が見えない様に木の扉で覆われています。因みに、以前もご紹介した様に設計士さんにお願いして、スピーカーケーブルも床下を這わせて壁側とウッドボックス内から出してスピーカーとアンプを繋げているので、邪魔なケーブルが床や壁を這わせるなどということはなく、実にスッキリしています。

 しかし、ドアのノブ一つに至るまでの設計事務所の先生やスタッフのみなさんとの膨大な打ち合わせの中で、重要項目ではなかったのか、本来ならスピーカーケーブルをAB切替え可能なように2組4本にしたかったのですが相談も無く(スピーカーケーブルの選択も)工事終了。しかも、一番の問題は、予算オーヴァーの対策での削減対象(二者択一で、家内のプッシュした食洗機が残され)に、両開きのオーディオボックスが片面開きとなってしまったこと。そのため、各機器を繋ぐケーブル類の着脱が前方からは手が入らず、毎回四苦八苦でストレス溜まります。いつも私メがブー垂れるので奥さまも我慢し切れなくなったのか、20年来の“勤続疲労”で家の不具合をプチリフォームする際に、遂に反対側にも扉を付けることになったのです。
 先日それが完成し、職人さんが実に丁寧に取り付けてくれました。取り外した板材は剥げたりして使えず違う板材で作ってくれたのですが、さすがはプロ。同色で、殆ど両側区別が付かないくらい良く似ていて感心する程の出来栄えでした。
 早速、機材を戻し再設定。やはり両側が開くと実に簡単スムーズでストレスフリーに、
 「あぁ、どうしてもっと早くこうしておかなかったんだろう!」
と後悔しきり・・・。遂に20年来の念願が成就して(≒積年の恨み辛み?を晴らすことが出来て)、大いに満足した次第です。
(小せぇ、小せぇ・・・って、フン、放っといてください!)

 6月に入って、ポット苗を買って来て恒例のハーブガーデンに移植しました。
今年は、奥さまから「自家用の野菜もちゃんと作って欲しい」と厳命されたため、果樹園横の畑スペースに数年振りに野菜をも植えることにしました。従って、ガーデンスペースの一部、一坪ほどの狭いハーブガーデンへは、今年は野菜は植えずにハーブのみ。そのため、例年の倍のハーブを植えることが出来ます。二月にストーブの木灰を撒いて鋤込んであります。
 プランターを含め、植えたのは、パセリを2株と、多年草ですが3年目の今年は枯れてしまったので再度セルバチコを2株。定番の、バジルを5株にコリアンダーが5株と、ルッコラが4株。そして、屋根下で雨が掛からない部分には今年もミニトマトとフルーツトマトを一株ずつ。多年草のチャイブは、今年も元気に生えています。

 6月末から何度も収穫していますが、灰を撒いた効果か、例年になくルッコラとセルバチコ、そして昨年失敗したコリアンダーが今年は実に順調で生育が良い様に感じます。ただ、コリアンダーはすぐに花芽が出てきて、そのままにしておくと(結実させるために)董が立って他の葉は枯れてしまうので、小マメに摘み取る必要があります。花芽の葉はコスモスの様な細かい葉先の花なので、一目で区別出来ます。
その意味で、一番手が掛からず、毎日のようにサラダ用に使えて有難いイチオシハーブはルッコラでしょうか。サラダ好きの我が家では、もっとたくさん植えても良いかもしれません。
 コリアンダーは昨年までよりは良かったものの、結局一ヶ月で新芽が出なくなってしまいました。既にポット苗は店頭から姿を消していますので、自分で種を蒔いて育苗して見ることにしました。しかし、真夏の時期なので、イタリア産のコリアンダーではなく、暑い方が良いのか(何の科学的根拠もありませんが)と熱帯のタイ産のパクチーの種にしてみましたが、果たしてちゃんと育ってくれるかどうか・・・?