カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 奥さまが月一で教えて頂いている生け花。何流か聞いてはいませんが、古風ではなく割と現代的。今回はクリスマスシーズンに合わせてか、真っ赤なバラと真っ白なユリにサンゴミズキでしょうか。なかなか華やかです。驚くのは真っ白なユリの花の“デカイ!”こと。
真っ白なユリというと、昔はテッポウユリくらいしか知りませんでしたが、最近の花屋さんに並ぶユリは、オリエンタル・ハイブリッドという東洋系の異なる品種を掛け合わせて誕生させた品種であるカサブランカと呼ばれる品種が主流。昔のイメージのテッポウユリに比べると大きさは4~5倍にもなるでしょうか、大変大きな花ですしまた匂いも強い(人によっては強烈にすら感じます)。
東洋系のオリエンタル・ハイブリッドと呼ばれるカサブランカも、日本原産のユリなどを掛け合わせてオランダで生まれた品種だそうです。

 大航海時代を経て、ヨーロッパが世界の隅々に覇権を拡げて行った中で、金銀やスパイスなどと同様に、ヨーロッパ大陸には無い珍しい植物も投機の対象となり、17世紀以降、イギリスやオランダを中心にプラントハンターと呼ばれる植物採集家が持ち帰った品種がベースとなって、様々な園芸品種が生み出されて行きました。
その中でも、江戸時代に鎖国をしていた日本は彼等にとって未知なる地であり、また原種のみならず、菊やアサガオ、更には独特な盆栽に至るまで、庶民の間にまで既に固有の園芸文化が確立していた日本は、シーボルトのアジサイに代表される様に、彼等にとっては正に垂涎の的だったことでしょう。

 それにしても見事なカサブランカの大輪です。白と赤、そしてクリスマスらしい緑と赤。この時期に相応しい色の組み合わせが、室内に暫しの彩りを与えてくれています。