カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 11月に入り今月中旬くらいまででしょうか、ぽつぽつと「年賀欠礼」を知らせる葉書が届きます。
  「あぁ、今年も年の瀬か・・・」
何かと気忙しくなる年末を前に、暫し感傷に浸ります。その中で一軒、5年前の亡父の時の返礼もあり、先日“新御霊”のお参りに伺って来ました。
 「新御霊」と書いて「あらみたま」と読みます。
以前亡き父の喪中の際にもご紹介したのですが(第818話参照)、その時の文章をそのまま記載すると、
『新御霊(あらみたま)。長野県内でも松本平だけに残る風習。
その年に亡くなった新仏のいる家に、親戚・同姓など近しい者が、年の暮れにお参りに行くこと。
本来は、死者の霊がお盆同様に正月にも家に戻るとされ、新仏のいる家が正月を迎えることが出来ないので、「お寂しい暮になりましたが」と慰めにお参りをするもの。我が家周辺の地区では、その家の主人は葬儀に参列するので、新御霊のお参りは専ら夫人がその家を代表して訪問する慣わし。』
どうして松本地方だけにそうした風習が残っているのか分かりません。ネットで「あらみたま」と検索すると、神道での「荒魂」として「あらぶる神」と出て来るのですが、神仏混合の時期もあったとはいえ、「荒魂」と「新御霊」との関連性は無い様です。因みに、家内の高校時代からの親友は諏訪のお寺のお嬢さんだったのですが、昔は諏訪でも新御霊(あらみたま)の風習がお寺には残っていた由。

 親戚の父方の叔母の連れ合いが今年亡くなったので、20日にご自宅へ新御霊のご挨拶に伺って来ました。92歳になる叔母さんお一人ですが、毎日散歩を欠かさずに歩いておられる由。買い物も近くのスーパーへ歩いて行かれるそうで、お元気そうで何よりでした。ただ、今年は新年をお祝いすることはないので、“寂しいお正月”にはなりますが・・・。