カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 梅雨寒から一転して、連日猛暑日が続く日本列島。
屋外実施競技など、いくら開始時間を早朝に早めたりしたとしても、こんな時期にオリンピックをやって本当に大丈夫なのか?と心配になります。
そういう意味では、夏の甲子園も一緒。その内、カチ割氷が名物などと言っていられなくなるのではないでしょうか。

 そんな日本列島を違う意味で熱くしてくれたのが、女子ゴルフの渋野日奈子選手。樋口久子さん以来、42年振りというメジャー大会制覇となる全英オープンゴルフ制覇(但し、岡本綾子さんが昇格前の全英女子OPに1984年に優勝している)でしょうか。
日本では未明での生中継でしたが、夜早い年寄はその分朝も早いので、少し早めに起きて後半のラウンドを“生”でTV観戦することが出来ました。
日本国内でも“しぶこスマイル”は女子ゴルフ界では知られた存在だったそうですが、プレーをする彼女を見ていて、確かに“Smiling Cinderella”として現地ギャラリーを魅了したのも納得出来ました。
若さ故の“怖いモノ知らず”と云えばそれまでですが、勝負所でワンオンを狙ってドライバーで果敢に攻めていった勇気。ショートするよりは後悔しないと、強めに打ってカップの向こう側の壁に当てた最後のバーディーパット。
いくら勢いとは言え、首位から後退しても並ばれても、動じずにプレーをする姿に視ているこちらがいつの間にか引き込まれて行きました。
事前に英語で用意してもらったにせよ、ローマ字読みだったにせよ、笑顔での優勝スピーチも実に良かった!
英国在住の日本人だけではなく、現地の英国の人たちをも次第に魅了して次々に応援者に変えていったのも納得でした。しかも、ギャラリーだけではなく、自身に優勝の芽が無くなった同組のA・ブハイ選手(南ア)が、渋野選手のバーディーパットが決まった時に、我が事のように万歳して祝福していたのが、競争相手をも味方にしてしまった渋野選手の人柄を証明しているようで大変印象的でした。
例え樋口久子さんという先駆者がいたとしても、今回の全英OP制覇は、大震災後の神の配剤に思えた、あのなでしこジャパンのW杯女子サッカー制覇、大阪なおみ選手の全米&全豪制覇、それに続く大和撫子の偉業と云っても良いのではないでしょうか。
思うに、やはり大和民族は女性の方が優秀なのでしょうね、きっと・・・。

 一方、夏の甲子園。長野県勢は、今年も短い夏でした。
今年の県代表は、2010年の松本工業高校以来となる、公立高校の飯山高校がノーシードから勝ち上がっての春夏を通じての初出場でした。
この飯山高校は、過去飯山南、飯山北、飯山照丘の三校が結果統合された高校で、県立高では唯一スポーツ科がある高校です。北信州の豪雪地帯の飯山にある学校ですので、母体となった飯山南は嘗て冬のインターハイで何連覇もした高校ですし、これまでアルペンやノルディック種目に何人ものオリンピック選手(複合の河野孝典氏は団体金、個人銀メダルで、長野県人としては初の個人メダリスト)を輩出しているスキー競技の強豪校です。
スポーツ科の設置以来でしょうか、野球でも最近では県のベスト8にも入り、センバツ大会21世紀枠の県内推薦校となるなど、最近力をつけて来ていました。
しかし、その甲子園では、松本工業が1-14で大敗したのと同様に、強豪校の仙台育英に1-20での大敗・・・。
県内では、「頑張った!」、「最後まで良くやった!」、「お疲れさん!」、そして「感動をありがとう!」・・・など労いの言葉が並びます。
しかしそれでイイのだろうか?・・・。個人的には、どうしても違和感を禁じえませんでした。しかも、長野県代表校の試合で、途中でTVのスイッチを切って最後まで試合を見なかったのは、今回が初めてでした。

 彼らの努力や頑張りを毛頭否定するものではありませんが、果たして本当にそれでイイのでしょうか?・・・。
キレの良いスライダーと低めへのストレート。エースのサウスフォーも、そして2年生の速球派も、決して悪いピッチャーではありません。野手も上背は然程無くとも、どっしりとした下半身。いかにも雪国らしく、スキーなどで体幹を鍛え、がっしりとした体形でパワーもありました。
しかし、本番では守備でのミスや凡プレーもあって相手にスキを突かれ、県内では勝てたのに甲子園では勝てなかったどころか、全くの完敗・・・。
勿論、初出場での緊張もあったでしょう。初出場校なのに、相手は甲子園の常連校という“くじ運”もあったでしょう。しかし、例えどこと当ろうが、試合前に「甲子園に出ることではなく、勝つことを目指して鍛えてきた」と若き監督は言っていたのに、全く歯が立たなかった現実・・・。

 何故なのか、ゲームマネジメントに問題は無かったのか?
今回の飯山高校だけではなく、例えば長野県大会。秋の北信越大会ベスト4で惜しくも選抜出場を逃し、今回も優勝候補だった東海大諏訪と上田西。その上田西が準決勝で完封負けした飯山を“ボロクソ”にまで打ち崩した甲子園での他県の強豪校。また同じく公立で惜しくも準優勝だった伊那弥生ヶ丘。確かに弥生は秋の南信予選2位でBシード校ではありますが、同じ南信1位で、県全体でも第1シードだった本命の東海大諏訪(旧東海大三)が、準決勝で弥生投手のスライダーとスローカーブの軟投派をなぜ打てなかったのか?それぞれが猛省する必要がありましょう(低めへのコントロールと緩急の重要性であって、軟投派を否定する意味に非ず。)

 県高野連など、高校野球に関わる全ての関係者がその敗因をキチンと分析し、他県にも学び、個々にではなく、連携して長期的な強化に繋げていく・・・。そうでもしないと、長野県は“参加することに意義がある”ままで、最近は聞かなくなりましたが“教育県長野”同様に、“過去(戦前)の栄光にすがったままの長野県”で終わってしまうのではないか?
スピードスケートやスキーなどの冬の競技を持ち出さずとも、長野県の高校スポーツが決して弱い訳ではありません。今や全国区の佐久長聖の駅伝部だけではなく、県内選手だけで、留学生まで抱える全国の強豪私立と亘り合う長野東の女子駅伝部。能代のバスケ同様に、公立校で何度も全国制覇した岡谷工業高校バレー部の伝統を引き継ぐ松本国際の高校男子バレー部(190㎝超の長身選手皆無の中で、高速のコンビバレーを展開して今夏のインターハイで見事全国制覇!)と、チーム競技、団体競技でも全国的に活躍している高校もあります。
因みに、県大会で使われる松本市野球場は、当時の松本市長が「長野県勢が本番の甲子園で活躍出来るように」と、内外野を甲子園球場と同じサイズに造ったとも聞きました(記憶上で、未確認情報ですが)。

 過去の悔しさにも増して、そんなことまで考えさせられた(長野県人にとっては今回もあっという間に終わってしまった)今年の甲子園でした。

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