カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 コロナ禍対策として、現在唯一の特効薬であろうワクチン接種。
過去サリドマイド児や薬害エイズなどを経験してきた我が国において、命を預かる薬事行政として新薬の認可に慎重にならざるを得ないことは理解出来なくはないのですが、米国CDCが「予想されるリスクを効果が上回ることが期待される」としてワクチンを早期認可したのに対し、スタートは然して変わらなかった筈の国産ワクチン開発が遅々として進まないことに忸怩たる思いを抱く国民は決して少なくないと思います。「巧遅は拙速に如かず」。
昔、医療事業を立ち上げようとした時に、臨床試験などの承認審査の面(承認までの時間が掛かり過ぎる)で日本での治験を諦め、結局欧州でスタートさせたことがありましたが、日本人の持つ国民性としての慎重さは時として重要だとしても、場合によっては障壁となることもあり得ます。
そして、“事程左様に”と思えるのが、コロナワクチンの接種における「公平性」と「平等」についてです。
我々日本人は、能力よりも時に運にも左右される狩猟民族と異なり、普通にやっていればそれ程結果の収穫量に差が出ない農耕民族故の違いか(農耕社会における“運”は、天候不順や台風などで、その時は全員が“平等に”その影響を被る)、若しくは島国故の“村八分”を恐れてか、余りに公平性を重視し過ぎるのではないかと思うのです。

 今回の自治体のワクチン接種の予約受付の混乱を見るにつけ(報道等で知るにつけ)、その原因は、受付から接種までの業務を担当する各自治体が(自分たちへの批判、非難を避けるために)余りに公平性だけを考えているためではないか・・・と思えてしようがありません。
例えば、宝くじの様に限られた人しかその恩恵を得られないのであれば、早い者勝ちかクジ運次第の抽選でも良いのですが、早いか遅いかの順番はともかく、結果として(国民全員分のワクチンが順次確保されて)対象者全員が接種可能な中で、今回優先すべきは如何に効率的に接種率を高めるかであり、その結果如何に接種数を増やすかの量とスピードの方が遥かに重要であって、早いか遅いかの順番など合理的に(住民へ)説明出来さえすれば、二の次、三の次で構わない筈。従って、受付対応などに限られた時間と人と金を掛けるべきでは断じて無い!もし年齢別に接種するのであれば、住民台帳に基づいて、誕生日順でもアイウエオ順でも良い。もし指定された日に対象者が不都合でれば、その対応に手間暇など掛けず、自動的に予備日を設けておくか全員終了後に第二次としてまとめれば良い。

 更に批判覚悟で言わせてもらえれば、接種する順番は、高齢者からではなく、経済社会での生産者である社会人や労働者、未来を支える子供たちや若者からであるべきであって、高齢で寝たきりの老人から先に接種すべきではない(自治体によっては85歳以上から接種開始)。
我が家では、母も私たち自身も居住する自治体の早期接種対象者(先ず75歳以上、次に65歳以上)に該当するのですが、家にこもりきりで出歩かない母やリタイアした私など後回しで良い。但し、感染率や重症化率が高い高齢者施設でのクラスター発生を避けるために、デイサービスに出掛ける93歳の母を優先接種させるべきなのであれば、それは理解し得るが・・・と思うのです。
以前より高齢化社会における(現役世代による)高齢者の医療費負担が大きな問題となっていますが、それが寝たきり老人の延命ではなく、如何に健康寿命を延ばしPPKで終わらせるかのための予防(戦後まもなく佐久総合病院の故若月先生が馬車で農村を回りながら始めた減塩運動など)であれば理解納得は出来ますが、例えば、先日母の健康診断で、掛かり付けの医院の先生が、最近母が痩せたので癌かどうか腫瘍マーカーでの検査を勧めて受けさせたのだとか。
誤解を恐れずに言わせてもらえれば、最近の母は食事とトイレを除けば殆ど寝ているだけで、デイサービス以外出歩かない93歳の人間です。(国保が適用される)お金を掛けてのその検査にどんな意味があるのでしょうか?検査と薬漬けを助長する医療側(開業医?)にも問題があると言わざるを得ません。

 感染拡大防止に向けて、何を、誰を、どこ(地域)を優先させるか?もし災害時などの非常時であれば、トリアージも止むを得ないのではないでしょうか(医療従事者でも無いのに、自身の接種を優先させたどこかの自治体三役や薬局チェーンの会長など言語道断ですが)
そして、その非常事態が収まった後で、そうせざるを得なかった原因をキチンと分析し、それがもし行政側の失政であればその長が自ら責任を取れば良い!
緊急時は、多少拙速であっても良いから、とにかくスピードと効率を第一義として対策を急ぐべし!・・・でしかないと思いのです。
確かに、感染者数に関しては感染爆発の海外に比べて桁違いに抑え込んだ日本。しかし、着々とワクチン接種を進め集団免疫を獲得しつつある欧米諸国を見るにつけ、然るにこの国は一体どうしてこうなのだろう・・・???
誰がどう考えても接種率を高めることの方が重要な筈なのに、自身への非難・批判を回避するがためか、手段の公平性や平等ばかりを考える無能な政治家や公務員しかこの国にはいないのでしょうか?
責任は自分が後で取る!として、多少手段の公平性を犠牲にしても、結果の効率を最優先で突き進める様な有事のリーダーはこの国には生まれ得ないのでしょうか??

 全くアホらしくて、可笑しくて、情けなくて、涙さえ出て来ます。

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