カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 松本は4月7日に開花宣言が出されました(気象庁の松本測候所が2007年に無人化されて以降、測候所内の標本木ではなく、松本城管理事務所の市の職員が代わって観察するお城の内堀のソメイヨシノが開花宣言の基準木として観察対象に変更され、それまでの高台にある沢村の測候所時代より開花日が数日早くなっています)。
春のお彼岸前後の冷え込みの影響で、当初3月30日だった松本城の開花予定が延びたのですが、開花から満開までが長かった東京などとは異なり、開花後の暖かさで松本ではあっという間に満開になってしまいました。
我々は8日から5日間箱根に行っていたのですが、松本城や街中の桜はその間に満開を迎えてしまいました。

 そこで、箱根から戻って、14日に城山公園から“城山トレイル”の遊歩道をアルプス公園まで、朝のウォーキングを兼ねて歩いてみることにしました。
途中、宮淵から始まる急坂の途中に在る丸ノ内中学の校庭の桜は満開で、中には既に散り始めた木もあります。
車道をショートカットする城山公園へ続く桜並木のトンネルを抜けて、城山公園へ。城山公園含め、市内の桜のスポットは桜まつりが開催中で、城山公園も園内は期間中一方通行で係員が誘導していましたが、既に満車。開花後の暖かさで一気に開花が進んだようで、500本という城山公園の桜は満開です。開花三日目の10日から松本城のお堀が17日までライトアップされていますが、この分ではお城の桜はもう散り始めているかもしれません。
城山公園内には屋台も出て、家族連れやグループが思い思いにお花見の場所取りをしています。人が不在でブルーシートが敷かれた場所は、お昼の宴会用なのでしょうか。
この城山公園は、解説によると『江戸時代の天保十四年(1843)に松本城主であった戸田光庸が、犬甘城址に桜や楓数千本を植え、領民に開放したことがきっかけとなり、明治六年(1873)の太政官布告に基づいて、明治八年(1875)に長野県(当時は筑摩県)で初めて公園に指定されました。』
城山公園は、江戸の昔から松本市民の憩いの場でもあります
 さて、我々は桜よりもウォーキングで、勝手に“城山トレイル”と名付けた城山からアルプス公園までの遊歩道を歩きます。
城山公園にある石碑に標高665.7米とあり、途中鳥居山(743m)を経てアルプス公園の最高地点は標高775mとのこと。
車の表示に依ると、渚の我が家のマンションの駐車場は575mでした(市街地は平坦で、お城の横の市役所の標高は592mです)が、渚から宮淵までは平か(奈良井川が流れ下るので)なだらかに多少下っているかで、そこが城山々系の先端部分で、宮淵から丸ノ内中学を経て、城山公園からアルプス公園手前の鳥居山(743m)を経てアルプス公園まで城山々系の尾根沿いの遊歩道はちょっとしたトレッキング気分を味わえます。この城山々系の最高地点が里山である芥子坊主山(標高891m)です。
マンションからは、城山公園までが距離2.5㎞で標高差90m、アルプス公園が3.5㎞で標高差200mということになります。
遊歩道は僅か片道1.1㎞と表示されていますが、トレイルランの練習をされている方や、我々同様ウォーキングをされている方々が結構おられます。

林の中を登って行く遊歩道の脇には、咲き始めた真っ赤なボケやタチツボスミレの群生が見られます。桜の様な華やかしさも、また桜の様に見とれてくれる人も少ないのかもしれませんが、それはそれで彼らも立派な春の風情です。
この城山トレイルの春の楽しみの主役は桜だとして、その後はナラの新緑から夏の林の緑陰、そして秋の紅葉と、途中残雪の北アルプスの峰々も眺めながら、気持ちの良い里山の遊歩道です。眼下に拡がる安曇野の田んぼに水が張られ、水鏡となって残雪の常念を映すのも、もう間も無くでしょうか。
 アルプス公園の手前、遊歩道の終点となる鳥居山に展望台となる東屋があり、そこで残雪の北アルプスを眺めながら小休憩の水分補給。そして車道に出てアルプス公園へ。
市中から車で僅か10分足らずで来られる都市公園でありながら、高台に在って標高も高いので信州の高原気分も味わえ、70haを優に超えるという広大なアルプス公園には昔の県の種畜場時代からの桜も含めて1300本の桜があり、以前は市街地とは1週間以上遅れて咲いたのですが、このところの暖かさで既に木によっては5分咲きから8分咲きでしょうか。東京などは今年の桜は長く楽しめたようですが、信州の桜は今年は短そうです。
広いアルプス公園には桜の他にも、真っ白な辛夷(コブシ)の花が咲き揃い、“北国の春”の訪れを桜よりも先に報せてくれていました。
遊歩道を城山公園まで戻り、公園脇の「憩いの森カフェ」に立ち寄り、気持ちの良いテラス席で、私メは自家焙煎の浅煎り珈琲(深煎りも選べます)、家内はたっぷりのカフェラテで暫し休憩して、また来た道を下って家に戻りました。
 同じ日、庄内のショッピングモールのホームセンターに買い物に行く用事があり、そこの駐車場から弘法山を撮影してみました。頂上に東日本最古の前方後方墳がある弘法山は、古墳発見後地元の方々が整備して山全体に植えた4000本もの桜で、お椀を伏せた様な小山全体が薄いピンク色に染まり、まるでふわっと浮き立つようです。遠目にも古墳の在る頂上にもたくさんの人が居るのが見えました。
 そして3日後の17日。この日が松本城の桜のライトアップの最終日なのですが、午前中コユキも一緒に松本城までウォーキングに行ってみました。コユキはそんなに歩いてくれないので、途中で疲れたらリュックに入ります。
お城には平日なのに、インバウンドの外国人始め、たくさんの観光客が来られていましたが、300本という肝心の松本城の桜は残念ながらもう葉桜でした。
皆さん桜にばかりで余り見向きもされないのですが、大株の紅白のボケの花が色鮮やかでした。

 松本の今年の桜はこれで終わりです。
『 世の中に絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし 』(在原業平)
とは言うものの、また来年・・・。

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