カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 三年前に初めて小田原漁港(早川漁港)に行った時は、魚市場の2階にある行列の「魚市場食堂」で食べたのですが(第1563話)、ネット評判程の感激が無く、二度目となる一昨年は小田原漁港仲卸「やまや水産」直営という漁港隣の地魚専門食堂「めし家やまや」へ(第1653話)。
L字型のカウンター席のみの10席程の狭い店なのですが、若い店主のお嬢さんはじめ、女性中心のスタッフの働きぶりがきびきびしていて、実に気持ちが良く、そして何より、ここで食べた10数種類の地魚が載った海鮮丼“どど丼”が新鮮プリプリで絶品だったので、昨年も漁港の無料駐車場に停めて「やまや」へ向かったのですが、ナント「本日臨時休業」の貼紙で、止む無く他店を探すことに。しかし「やまや」の入っているビル「小田原水産会館」の同じ一角にある鰺専門店「大原」(アジフライの評判店の由)は行列で、ナント一時間待ちとのことで諦め。
そこで、昨年は「やまや」の2軒隣に「港のごはんやさん」という食堂を発見し、その日のお薦めの中から私メと長女がシラス丼と鯵のセットで、光物の苦手な奥さまは今回もミックスフライをチョイス(第1726話)したのですが、こちらの食堂もアジフライを始め、どれも山国の“海なし県”では食べられない鮮度と美味しさでした。

 そして今年。昨年まさかの臨時休業で食べられなかった、あの“海鮮どど丼”を何としても食べたいと、二年振りの「めし家やまや」一択・・・です!
12時前に到着。この日は平日の火曜日だったのですが、漁港の無料駐車場は既に満車。空くのを待って狭い駐車スペースに何とか駐車し、いざ「やまや」へ。
既に10人くらいのお客さんが外の椅子に座っていて、記帳すると何組もが順番待ち。そこで時間潰しに鮮魚や干物のお店を見て回りました。一時間位はと覚悟したのですが、思いの外回転が速く、30分程で名前を呼ばれて着席することが出来ました。
「やまや」はL字のカウンター席のみ。カウンター越しの厨房も狭く、お客さんが帰られた後の食器の片づけ等に、スタッフは一旦店の外に出てから、お客さん同様に各席の真後ろのガラス戸を開けて入って対応するという不便さ。しかし、そんな不便さも気にならぬ程にテキパキと対応。そしてこの日はスタッフ4名全員が女性のみ。板長を務める若き店主が全ての魚の調理を担当し、汁物や、揚げ物、配膳、洗い場を他のスタッフが各々担当されていました。前回来た時は、女性スタッフに加えて男性スタッフも2名いたのですが、本社の水産会社のスタッフが手伝いに来ていたのでしょうね、きっと。
 この日の注文は、二人共“海鮮どど丼”とアジフライ二枚のサービスセット(税抜き1900円)にしました。前回はミックスフライを頼んだ家内も、今回はせっかくなので、もしアジフライもセットになるならと、相模湾の地魚が載った“どど丼”をチョイスとのこと。ご飯の量を聞かれるので私メは普通盛り、家内が小盛りでお願いしました。
今回も、全て捌いてくれた若き店主さんが“どど丼”に盛られたこの日の地魚10数種類を今回もマグロのほほ肉(写真ではワサビの両側)から始まり、ヒラメ、スズキ、タイ、アジなど順番に説明してくれるのですが、残念ながら全部は覚え切れませんでした。どの地魚も新鮮でプリプリなのですが、特にヒラメはシコシコ、アジはコリコリした食感で身が締まっていて絶品でした。さすがは“日本三大深海”相模湾の地魚です。その十数種類の地魚の中で、家内の苦手な光り物は私が戴きます。
セットメニューで付くこの日のアジフライ。タルタルソースで(好みでカウンターのトンカツソースでも)戴くのですが、サクサクでふっわふわ。やはり地物のアジの鮮度と美味しさは、“海無県”の信州人からすると、羨ましくて溜め息が出る程に全く以て別物です。
それにしても、イワシやアジの光り物がこんなに好きになったのは、考えてみると次女が最初の勤務が成田空港で住んだのが成田だったから。
地元の成田山の参道沿いのお寿司屋さんで食べた、銚子で水揚げされたというイワシとアジ(は銚子では無かったと思いますが)が目から鱗の全くの別物だったのです。いくら流通が発達してもやはりまだまだ敵わない。嘗ての“呼子のイカ”の様に、現地で新鮮なモノを食べてこその本当の美味しさだと感じた次第です。勿論同様に、もぎたてのフルーツなど信州でこそ味わえるホンモノもあると思います。
 二人共、ご飯(丼用は酢飯です)も完食し、漸く二年越しでの念願が叶った「めし家やまや」の“海鮮どど丼”に大満足でした。
 「あぁ、美味しかった・・・ごちそうさまでした!」

 箱根旅行三日目。
この日は、コユキも一緒に箱根観光です。ワンコOKの箱根の観光スポットの中で、選んだのは箱根園。こちらは、西武系のプリンスホテルが運営する芦ノ湖畔のリゾート・レジャー施設です。
目的は、箱根園から駒ケ岳ロープウェイに乗って、箱根火山の中央火口丘である標高1,327mの駒ヶ岳山頂からの絶景。山頂からは、目の前の富士山は勿論、遠く相模湾や伊豆大島、房総半島などぐるりと360度の展望が楽しめ、また山頂には箱根神社元宮もあります。
また芦ノ湖畔の箱根園には樹齢百年のオオシマザクラの大きな一本桜があって、この時期はその花も楽しめるのだとか。他にもレストランや水族館などの有料施設も色々ある様です。

 因みに、箱根には駒ケ岳ロープウェイの他にも大涌谷経由のロープウェイもありますし、また芦ノ湖の遊覧船も二種類あって(発着する桟橋が異なる)、どちらを利用すれば良いのか(しかもお互いの連携も無いので)迷うのですが、これらは嘗て“箱根戦争”と呼ばれて熾烈を極めた、西武グループVS.小田急を傘下に持つ東急グループの企業間競争の名残の由。

 先ずは箱根園の有料駐車場に車を停め、ロープウェイで駒ケ岳の山頂へ向かいます。麓駅の表示に依ると山頂の気温は一桁とのこと。乗車時間は7分で、ワンコはリュックやキャリーケースなどに入っていれば乗車OKです。
前日の金時山登山では姿を現してくれなかった富士山ですが、この日はくっきりとその山容を望め、次第に高度を上げて行くロープウェイからは正に絶景です。100人程乗れるという駒ケ岳ロープウェイですが、半分以上が外国からの観光客の皆さんでした。
山頂駅からは、一周する遊歩道や箱根元宮への登る道があります。この元宮は、箱根神社の奥宮 として1964 年( 昭和39 年) に西武グループが再建したものだそうですが、元々駒ヶ岳は霊峰富士を望む場所として山岳信仰があった場所とのこと。因みに山頂一帯は、リードを付けていればワンコも散策OKです。
360度の景観は、この時期は少し霞んでいて都心や房総半島は見えませんでしたが、富士山と眼下の芦ノ湖は勿論、相模湾や伊豆大島なども見ることが出来ました。
 ロープウェイで戻り、芦ノ湖畔のオオシマザクラへ。この桜は「箱根園」のシンボルで樹齢百年。開園時に寄せ植えされた5本の幹が上手く育って一本の大樹の様に見え、直径22m、周囲が70mにも枝が広がり末広がりに花が咲き、「湖畔の一本桜」と呼ばれています。例年だと4月末が見頃だそうですが、今年はこの桜も一週間早く開花して、残念ながら既にかなり散ってしまっていましたが、“名残の桜”を楽しむことが出来ました。
 その後、元箱根に移動して今年も箱根神社へ参拝。源頼朝を始め鎌倉時代に関東武士の信仰を集めた関東総鎮守であり、また曽我兄弟ゆかりの神社でもあります。
こちらはカートやキャリーケースに入っていれば、ワンコも一緒に境内だけではなく本殿へもお参りすることが出来ます。境内はペット禁止とする寺社仏閣(特に六道の中で三悪道の一つである畜生道とする仏教では)が多い中で有難いことです。
 わが国では、江戸時代のお伊勢さんや金毘羅さんでは、高齢などで参拝出来ない飼主に代わってお参りする犬の代参が認められていたとか。特に伊勢神宮では、飼い主が代参する犬に道中と参拝に必要な費用を犬に括り付けた「おかげ犬」が実在していた記録があり、
『江戸時代の人たちは信仰心が厚く、伊勢神宮までの長い道のりを懸命に歩く犬をサポートし、寝床やご飯を与えることは自身の徳を積めると考えていて、そうして色々な人に助けてもらいながら伊勢神宮へと辿り着いた「おかげ犬」は、伊勢神宮の宮司さんから竹筒に入ったお札を貰い、再び色々な人から助けてもらいながらご主人の元まで無事に帰ったと言われています。』
とのこと。また金毘羅さんにも「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれた代参犬が存在していました。
 縄文時代にも丁寧に埋葬された犬の骨が遺跡から発掘された例がありますが、もしかすると、古来、日本は現代以上に“Dog Friendly ”な国だったのかもしれません。

 4月中旬に元々予約してあった、三泊四日の箱根旅行。
3月になってナナが急に具合が悪くなってから亡くなるまでの二週間のドタバタもあって、すっかりキャンセルするのを忘れてしまい、結果的にコユキだけになってしまったのですが、キャンセル料も勿体無いので気分転換も兼ねてそのまま行くことにしました。

 昨年は、4月上旬の季節外れの降雪で富士吉田から須走が通行止め。そのため遠回りの伊豆経由で行ったのですが、今回は昨年よりも念のため一週間遅いこともあって、富士吉田から須走を経て御殿場経由で行くことが出来ました。途中コユキは車で良く寝ていたので、高速道路ではノンストップで休憩せず、初めて乙女峠のテラス席わんこOK のFUJIMIテラスでランチ休憩。この日は雲が多かったものの、富士吉田や乙女峠からも富士山が良く見えていました。それから箱根仙石原のスーパーに立ち寄って滞在中の食材を調達し、休憩含めて松本から3時間ちょっとでいつものドッグヴィラに到着しました。

 翌日は、我々の“シーズン開幕”初登山として、今回も金時山に登ることにしていました。
今年も昨年同様で些か手抜きではありますが、「はこね金太郎ライン」の「金時見晴パーキング」まで車で行って、そこから仙石原からの登山道と合流する矢倉沢峠を経て登るコースです。
  (矢倉沢から少し登ると眼下に仙石原の眺望。左上に大涌谷の噴煙)
登山口の標高が金時神社コースより160mほど高く、箱根町側からの登山道の金時神社や仙石原からの各コースと比べ、最短で手軽に登ることが可能なルートです。コースガイドに依れば、標準コースタイムで登りが1時間05分 で下りは50分とのこと。
金時山は首都圏の中で、アクセスの便が良く手軽に登れる人気の山なので、登山道はしっかりと整備されているのですが、ただ標識のコースの時間表示だけは健脚者向けなのか余りに短すぎて、その時間では普通は絶対に登れないと思います。
この日も快晴予報では無かったのですが、朝早ければ富士も見えるかもしれないと、7時半過ぎから登山開始です。
今シーズンの初登山ということもあり、足慣らしも兼ねてゆっくり歩を進めます。途中、何組かの方々には先に行ってもらい、また公時神社と仙石原ルートとの分岐点で少し休憩もしましたが、ほぼコースタイム通りに1時間10分弱で8時45分前に山頂に到着しました。
 この時期の登山の楽しみで、登山道では先ずは真っ赤なボケの花の歓迎に始まり、芭蕉翁の『山路きて 何やらゆかし すみれ草』の如く、紫のタチツボスミレが至る所に咲いていて、更に中腹くらいまで登って来ると今度は山桜やミツバツツジも咲いていて、木々に覆われて景色は見えずとも登山者の目を楽しませてくれます。
途中、山頂近くの急登で、初老の方が接写して花の写真を撮っておられたので撮影が終わるのを待っていると、恐縮されながら教えてくださったのは、その花は「コイワザクラ(小岩桜)」という珍しいサクラソウ科の山野草で、その名の通り岩場に咲く絶滅危惧種Ⅱ類の日本固有種なのだそうです。ひっそりと深山に華憐に咲く山野草ですが、愛好家の中には採取してしまう輩もいるそうで心配されておられました。そうした山野草は、謂わば『手に取るな やはり野におけ 蓮華草』なのでしょう。
山頂からは、残念ながら今回も富士山は雲の中でした。山頂に滞在中、少し山容が現れた瞬間もありましたが、笠雲か富士の頂上には帽子の様な雲が掛かっていました。
途中我々を軽々と追い抜いて行った、健脚の2歳のフレンチブルの“ジェリー”君も既に到着して休んでいました。聞けば、下りはしっかりリュックの中に入って下山とのこと。揺られるとすぐに寝てしまうのだとか。
このまま山頂に居ても富士山は見えそうも無かったので、我々は頂上で15分程休憩して9時には下山を開始。途中、何組もの方々が登って来られ、登山道の少し広めの所でお互い道を譲りながら待ち合わせ。そのためか、1時間近く掛かって駐車場に下山しました。
登山口に用意されているタワシと水槽で登山靴の泥を洗い落としてから車に戻ると、駐車場が既に満杯で、これから登るためにどこか空くのを待っておられた年配のご夫婦がおられたので、早めに駐車スペースをお譲りして車でホテルに戻りました。
 家内は、最近あまり山登りのトレーニングをしていなかったので登る前は心配していたのですが、思いの外スムーズに登れたと気を良くしていましたので、次回はGW明けにでも、里山の足慣らしで霧訪山と、その次に今年も毎年恒例の三城からの美ヶ原登山でしょうか。

 先住犬のナナがいたので、今までは何をするにしてもどこに行くにしてもいつもナナが一緒。寝るのもいつもナナにくっ付いて一緒に寝ていたコユキでした。そんな毎日だったのが、ナナが突然“虹の橋”を渡ってしまい、コユキにとっては初めての“独りぼっち”。

そのため、“赤ちゃん返り”の様に、寝る時は家内の枕元でくっ付いて寝る様になってしまいました。また、今まではナナと競って食べていたのに、競って食べないと“張り合い”が無いのか、食も細り残すようになってしまいました。ナナが居る時は、ナナの目を盗んではナナの分まで食べていたのに・・・。
また、散歩もナナの後を追いかける様に歩いていたのに、独りだと気乗りがしないのでしょうか。特に家内が娘たちの所に手伝いに上京している時は、特に歩いてくれなくなりました。そして、歩かないと余計食欲が無くなり、ご飯を残すという悪循環。
そこで、いつもの散歩コースではなく、気分転換に新しい場所に連れて行って歩いてみることにしました。
 先ずは松本城公園。そしてアルプス公園と城山公園。更に、我々も初めて散歩に行ってみた信州スカイパーク・・・です。ちょうど桜の時期に、松本のそれぞれの桜の名所を一緒に楽しむことが出来ました。
そして、我々にとってささやか乍ら“新たな発見”は、元々裏庭”の様だったアルプス公園はともかく、初めて行った松本空港の周辺に拡がる信州スカイパークの予想以上の素晴らしさでした。
正式名称は「長野県松本平広域公園」で愛称の“スカイパーク”として市民に親しまれています。
この信州スカイパークは、は、長野県松本市と塩尻市にまたがって位置する日本一標高の高い「信州まつもと空港」を囲む敷地にある長野県最大の県立都市公園です。松本空港の滑走路の周りをぐるりと囲む、県下最大規模の多機能・多目的型公園で、その広さは凡そ140ha、東京ドーム約30個分という広大な公園で幾つかのゾーンに分かれていて、その周囲に14ヶ所もの無料駐車場があるそうなので、「松本山雅」のホームゲームがある日を除けば駐車場に困ることは無さそうです。
アルプス公園もですが、ここも無料なので(子供用の施設の中には有料のものもあります)、お弁当持参で遊具などで一日楽しんだりする家族連れや、一周10㎞のウォーキングコースも設けられているので黙々と歩いたりといった健康づくりに励むシルバーエイジなどにもお薦めですし、広い芝生の広場などもあるのでワンコの散歩にも最適です。
但し、我が家のコユキはそんなに長くは歩けないので、ドッグ用のリュックを買って、目的地まではリュックの中に入って行き、到着してから外に出て散歩です。でも環境が変わって気分転換になるのか、どこに行ってもいつものコースよりは歩いてくれます。そしていつもよりもしっかり歩くと、お腹も減ってご飯も残さず完食という好循環。
 更に副産物として、散歩用に購入したリュックに入っていると、JRの電車にも一緒に乗ることが出来ます。因みに電車にはカートでも乗車可能ですが、我が家のカートはナナとコユキが一緒に入れる大きなタイプなので、リュックの方が移動は楽。これまでカートを折り畳んで車に積んで行って、旅行先の公園などでは使っていましたが、ワンコ連れで電車に乗ったことは一度もありませんでした。但し、乗車中は顔が出ない様にしないといけませんが・・・。手荷物扱いとなり、一駅でもどんな遠距離でも、普通でも特急でも何度でも一日290円で乗り降り自由で、或る意味乗り放題です。
そこで、生まれて初めて電車に乗って諏訪湖畔公園へ。そして、電車移動に慣れるように間を置かず、木曽の奈良井宿へも行ってみました。
余談ですが、奈良井宿の「松屋茶房」。こちらは二匹のトイプーの看板犬ショパンとピアノがいるので、ワンコ入店OKの喫茶店です。そこで今回もお休みすると、ナント、こちらも父親犬のショパンが亡くなった直後でした。そのためお互い亡くなった時のワンコの様子を話しては、皮下点滴など、偶然の同じ様な状況を伺いながらお互い涙にくれていました。

 今回の電車での移動の一番の目的はコユキの気分転換なのですが、結果としてリュック使用の“副産物”として、我々も含めてこれまで車だけだった我が家の行動範囲が、少しでも(例えば、今までは例えフェリーを使ってでも車では行く気にはなれなかった九州や北海道へも、もしも電車だったら行けるかなぁ・・・)拡がればと思っています。

 マンションへの引っ越しを機に、以前使っていたTVを最新モデルに買い替えたのですが、リビングのSONYの有機ELは平面スピーカーが搭載されていてこれが結構良い音がするので、今流行りのサウンドバーの追加は不要。しっかりと低音も出ています。
そして、寝室は大きなTVは置けないので、スペース的には40インチ程度が限界。しかし、このサイズでは有機ELは勿論ありませんし、4K液晶モデルもありませんでした。店頭で見比べてみると、有機の高精細さの画面は当然として、液晶の4Kと2Kを見比べると、やはり画素数4倍の差は一目瞭然の違いがありました。そこで、一年前当時4Kの液晶TVで40インチサイズに近かったのがシャープの43インチとパナソニック42インチ、それとヤマダ専用のフナイの43インチと3機種だけでした。
価格で言えばフナイが一番お買い得なので、個人的には寝室で見るならフナイでもイイかと思ったのですが、家内はブランドもですが本来は40インチがMaxの筈なので43インチの大きさに難色。個人的にはフナイは定年前の何度かの米国(西海岸ばかりでしたが)出張時に、ロスの街中で看板を良く見掛けましたし、米国内で一番売れている日本のTVブランドということも知っていましたので然程違和感はありません。ただ、大きさとなると・・・?そうかと言って、40インチの2Kではやはり見劣りがしてしまいます。そこで候補の中で一番小さい42インチのパナのBRAVIAの4Kモデルにしました。このモデルは当時既に製造中止が決まっていて、後継モデルは43インチにサイズアップされることになっていました。そのため、スペック的には最新機種と比べれば多少見劣りする部分はあったのですが、そこは4Kの中でのサイズ優先となりました。

 寝室のTVには、前の家で使っていたホームシアターシステムYAMAHA AVX-S30Wをそのまま接続していましたので、今回のBRAVIAでも使うことにしました。このヤマハのホームシアターシステムは、10年位前に購入したのですが、AVアンプとサテライトスピーカー、サブウーファーの構成で、ヤマハがエア・サラウンドと呼ぶ疑似5.1chで最大210W、サブウーファーが50Wの出力。当時通常価格が5万円位だった筈です。
低音の迫力含め、Movie モードは“映画館並み”と言っても決してオーバーでは無い程良い音がしていました。しかもTVなど接続機器側にデジタル出力があれば、光ファイバーケーブルでのデジタル接続可能というエントリーモデルとしては優れモノで、勿論音質はピュアオーディオを手掛けるヤマハサウンドでした。しかし、当時は未だHDMI接続は無く、イチイチTVとオーディオ側を二つのリモコンで操作しなければならず、その煩わしさで家内は脱落。しかも家内は然程音に拘りも無いため、いつしか使わなく(使えなく)なっていました。
それが、この引っ越しで寝室も新しいTVになったのを機に、BRAVIAの画質には大いに満足なのですが音が余りに貧弱だったために、家内が設定したグーグルホーム接続でAVX-S30Wを使い始めた結果、システムとしての音と画像には十分満足していました。AVX-S30Wも漸くその本領発揮!というところでした。

 入居して一年近くが過ぎた昨年の秋頃。スピーカーの重低音が早朝から夜中まで響いて我慢出来ないという騒音クレームへの注意勧告が管理会社からマンション掲示板に張り出され、定年で勤めておらずほぼ一日中家にいる身としては気になったのですが、それ程大音量で聞いている訳でもないし(しかも我が家で音量的に大きいのは、むしろTVではなく、時折家内が不在の昼間にクラシックやJazz を聴くステレオの方ですがサブウーファーは無いので)、多分ウチでは無いだろうと思っていました。
ところが、10月末の義姪の結婚式があった軽井沢からの帰路、運転中に私の携帯へ電話があり、家内が出ると管理会社から重低音の原因が我が家ではないかとのこと。前日もその日も低音がヒドイと管理会社へ住人の方からクレームがあったのだとか。家内が、前日の朝から当日まで我々は不在だったことを伝えると「じゃ、間違い無くお宅ではありません。すぐにその旨連絡します!」とのことで一件落着したのでした。
しかし、濡れ衣が晴れたとはいえ疑われたのはナントモ気持ちが悪い・・・。
ヤマハのホームシアターシステムには本格的なサブウーファーがあり、大音量では聞いてはいませんが、床置きなので重低音が下に響かないとは言えない・・・のです。
そのため、これまで聞いていた音量を下げて聞いたり、サブウーファーの音量そのものも下げたり(或いはサブウーファーを外してみたりも)したのですが、それだと如何にも物足りない・・・。そんな悶々とする日々が続きました。
色々ネットで調べてみると、一軒家では問題無いが、集合住宅に住んでいる人で「床置きのサブウーファーの低音が階下に響いて問題になることがあったために床置きのサブウーファーは諦めた」、或いは「サブウーファーは使わない」というコメントが幾つか見つかりました。
重低音の原因がクレームをされた日に間違いなく不在だったので、“犯人”が我が家では無いのはハッキリしたとしても、このまま使っていて、もし何気なく映像に気を取られてボリュームを上げてしまい、いつ何時センシティブな階下の住人の方からクレームが来ないとも限らない。かといって毎日音量を気にしながらTVを視るのも、リラックス出来ずに何とも煩わしい・・・。
 その結果、ヤマハは諦めて廃棄処分とし、床置きのサブウーファー付きのサウンドバーの方が音が良いことは一目瞭然なのですが、サブウーファー付では今と変わらないので。今回はサブウーファー一体型のサウンドバーを購入することにしました。
リビングの大型TVならともかく、寝室のTVですので高価なモノは必要ありません。コスパが良い製品を求めて色々調べてみると・・・、ありました。それは、日本の音響メーカーの老舗、デノン(DENON)のサウンドバー DHT‐217です。
大ヒットモデルだった216の後継モデルとして今年発売された新製品で、一本のサウンドバーなのに下向きサブウーファーを2本搭載して新たに最新の立体音響技術であるDolby Atomosを搭載するなどバージョンアップされていて、価格もアップしてはいますがそれでも3万円弱に抑えられた高コスパモデルです。勿論TV側にARC/eARC端子があれば、HDMI接続でTV側のリモコン一つで使えるので便利です(但しサウンドバー側のモード切替えにはTVリモコンは対応していません)。
AV専門誌のレビューに依ると、『スピーカーは3ウェイ6スピーカーの2.1ch構成。内訳は前面中央に90×45mmの楕円形ミッドレンジを2基、前面両端に25mm径ツイーターを2基、底面に75mm径のサブウーファーを2基となる。サイズは従来機とほぼ同じで、幅890×奥行120×高さ67mm。高さが1mm高くなっているのは、インシュレーターを1mm高くしたため。サブウーファー下の空間を拡大し、音の抜けを良くした』とのこと。
勿論、一本で10万円するような高級機もあれば、独立したサブウーファー付きでより迫力ある音響を楽しめるシステムもあるのですが、DENONのDHT‐217は価格帯が3万円ながら他社の上位機種並みのスペックで、少なくともこの価格帯でDolby Atomosを搭載しているモデルは他にありません。
モードはMovie、Musicの他に、夜間視聴用にダイナミックレンジを落としたNight モードが選択できるのも有難いところ。またPureモードもあるので、Bluetooth接続で音楽用スピーカーとしても活用出来ますので、そのコスパは半端ありません。
因みに、我が家のステレオの方のレシーバーMR-612 はマランツ、今回のサウンドバーはDENONですが、2002年に旧「日本コロムビア」のオーディオ機器部門(元々は電音からのデンオンでしたが、アルファベット表記の英語読みでデノンに変更。ダットサンのDATSUNが“ダッツン”となったのと同じです)と、元々フィリップスのオーディオ部門だった「日本マランツ」が経営統合して誕生した川崎市に本社を置く企業グループで、現在は米国資本。どちらも老舗のピュア・オーディオメーカー。
従って、音には定評のあるDENONのサウンドバーですので安心です。サブウーファーは一体型で、床置きではありませんので低音が床に直接響くこともありません。低音を実感するためにはそれなりの音量が必要にはなりますが、結構低音も出ている感じがしますし、音源にも拠りますがDolby Atomosが搭載されていて立体的にも聞こえるので、サウンド的にも大いに満足でした。

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