カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 11月9日の金曜日。県文(キッセイ文化ホール)で開催された、ハーモニーメイト主催のカメラータ・ザルツブルグ松本公演。

 県営陸上競技場時代からの公孫樹もすっかり黄葉していて、芸術の秋のコンサートに彩りを添えてくれています。(夜間で色が変ですが、実際は黄色)
音文が改修中のため県文の大ホールとなり、キャパが3倍近くですので心配しましたが、九割方埋まったでしょうか。会社の後輩の方も来られていて、何でも高校同期のお嬢さんが出演(ハープ独奏)するので、同期で後援会を組織して動員したのだとか。なるほど、フルートの方も松本出身なので、その効果もあったのでしょうね。

 今日は、ザルツブルグの室内オケらしく、オール・モーツァルト・プロ。
前半に、フィガロの結婚序曲、フルートとハープのための協奏曲。休憩を挟んで後半に、オーボエ協奏曲と41番ジュピター。お馴染みの曲目が並びます。(個人的には、東京での小菅優をソリストに迎えてのピアコンの連続演奏会の方が良かったのですが、松本縁のソリストですのでやむを得ません)

 序曲はまさに序奏という感じで、聴く方も含めて、腕慣らし、口慣らしといった演奏。そして、松本縁の若いソリストを迎えたフルートとハープのための協奏曲。フルートは松本出身で現在東京シティフィル主席の神田勇哉さん、ハープはお父上が松本出身の平野花子嬢というお二人の熱演はともかく、オケは抑えた控えめな演奏でした。やはり箱が少し大き過ぎたかなという印象。でも、この有名なコンチェルト。確か、ランパル&ラスキーヌがパイヤールと協演した往年の名盤LPが買ってあった筈ですが、ハープという楽器の特性上、生で聴く機会は珍しいのだろうと思います。アンコールには、メンデルスゾーン「歌の翼に」。歌唱部分をフルートが、伴奏部分がハープに編曲(スイマセン、編曲者は分かりません)されていました。

 後半は、指揮者のシェレンベルガーご自身のソロで、オーボエ協奏曲。さすが、帝王カラヤン時代のBPOの主席だっただけに正に名人芸、見事な演奏でした。特に弱音の美しさが印象的。なぜか第3楽章辺りから、ホールも暖まったのか、急に音響がふんわり暖かく感じられたのは気のせいでしょうか。
このオーボエ協奏曲。長年行方不明となっていた楽譜を発見したのは、モーツァルテウムの学長を務め、このオケの創立者でもあるパウムガルトナーとか。縁の曲でもあります。メロディーやリズムなど、どこを切り取ってもモーツァルトの音楽に、確かに本場ザルツブルグの牧歌的?な“おらがモーツァルト”といった雰囲気の柔らかな風がホールにも流れていたように思います。

 そして、締めを飾るジュピター。以前、上岡敏之さんがブッパタール響との英雄のアンコールにこの曲の第4楽章を演奏し、その繋がりを示してくれました。
今宵、ジュピターを聴きながら、もしモーツァルトが35歳で夭逝しなければ、果たして42番以降どんな交響曲を残したのだろうと、感慨深く聴き入っていました。
途中、隣で奥様がウトウトと。「何故か、モーツァルトだと眠たくなっちゃうのよネ~」。そう言えば昔(30年前?)、音文でのモーツァルテウム管の時もそうだったような・・・。モーツァルトを聴くと、脳波からα波でも出て来るのでしょうか。お酒の醸造でモーツァルトを流す酒蔵もあったので、どうやら麹と一緒。
何度かのカーテンコールに応えてのアンコールに歌劇「偽の女庭師」序曲が演奏され、団員たちが客席からの盛大な拍手に応えて、最後に日本式に全員でお辞儀をしてから、お互いの演奏を称え合って袖に下がっていきました。

 最初も休憩後も、遠路はるばる松本まで来られた楽団員の皆さんを、ステージ登場から全員を拍手で出迎えた歓迎に応えてか、和やかで暖かな演奏会でした。