カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今年も一年間、このブログ「三代目の雑記帳」をご愛読賜り、誠にありがとうございました。

 些か、ネタ切れと隔日での掲載に疲れ、今年から二日おきのペースでの掲載とさせていただきました。
果樹園のH/P開設と共に始めたこのブログも丸4年が過ぎました。当初月に1千件に届くかどうかから始まったのですが、年々アクセス数も増えて、昨年は何と年間15万件を数えました。
掲載頻度を減らした今年は減るだろうと思っていたところ、年末までに12万件超と、ほぼ毎月1万件というたくさんのアクセスをいただきました。このページを借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 さて、本年最後に掲載の写真は、穏やかに年が暮れますようにと願って、今年も大晦日の京都を描いた東山魁夷の傑作『年暮る』です。
じっと眺めていると、近くの知恩院か、本当に除夜の鐘が聞こえて来るような気がします。
来年1月29日まで開かれている長野県信濃美術館・東山魁夷館の企画展(冬をテーマに描いた80点を展示)の中で、この作品の習作(本制作は山種美術館が所蔵)も展示されているそうです。習作とはいえ、この年末には間に合いませんでしたが、また「年暮る」に会いに行きたいと思います。

 私事ですが、今年は年末年始での家内の骨折入院に始まり、長女の披露宴と自身の異動など、身の回りの変化もありました。
また、声高な政治主導とは裏腹に、遅々として進まぬ国の震災復興に苛立ちながら、景気の変調に不安を感ずる一年でもありましたが、オリンピックイヤーでの感動もあり、何度も「自分も頑張らなくっちゃ!」と、その都度自身の心のギヤを入れ替えた一年だったでしょうか。

 年の節目にあたり、「ヨーシ、来年は頑張るゾー!」と、また心のギヤを入れ替えるべく、新たな年を迎えたいと思います。毎年のことながら、そうして切り替え出来るのが、きっと人間のずるくも良いところだと思います。

 来る2013年「も」、或いは「こそ」、皆さまにおかれましてもどうぞ良い年でありますように。
                        カネヤマ果樹園一同+チロル&ナナ    

 国道143号線から三才山峠への254号線へは、松本市の岡田から信号回避で脇道の農道を使います。街灯も無く、周囲には田んぼとビニールハウスなどの畑が広がります。

 帰路、先日真っ暗い中を、いつも通り254号線から農道に左折して暫く来ると、突然畑から田んぼへ何かの動物が前を横切りました。大きさや形状が猫とは異なり、車のライトに目が光っています。昔に比べて荒れた里山のためか、最近は人里で見つかるタヌキも多いと聞きますので、恐らくタヌキなのだろうと思いました。実際、異動後この半年間で20匹以上、山里などでタヌキが可哀想に道路に横たわっているのを見掛けました。

 数日後、同じ場所で、同じように目の前を通過する動物が・・・。
ゆっくりと言うより、堂々と横切って行って、10数メートル離れた田んぼの中で立ち止まってこちらを眺めています。
ライトに照らされたその姿。タヌキにしては一回り以上大きくて、フサフサと伸びた長い尻尾・・・。
何と・・・、タヌキではなくどう見てもキツネのように思えました。
「えっ、こんなところにキツネがいるのぉー!?」と、思わず絶句。でも、まさかなぁ・・・?

 しかし、冷静(?)になって考えてみると、その場所は岡田六助地区。近くには、地名から来た六助池という小さな溜池があります。
「えっ、まさか六助?」
そうです。その六助という地名は、昔(江戸時代?)、この岡田に住んでいて化けて人をだました(怠け者に、ご先祖さまなどに化けて説教するのだとか)という「六助ぎつね」から来ています。何でも、塩尻桔梗ヶ原の玄蕃之丞などと共に、松本平の三大、或いは四天王とも称された大物ぎつねだったとか。六助池の近くには、その六助を祭るお稲荷さんの祠もあった筈。いくらなんでも何百年も生きている筈は無いので、もしかしたら六助の子孫のキツネだったのかもしれません。こちらを見つめていた光る目を思い出し、暫くは何とも不思議な感覚に捉われていました。
もしそうなら、平和に暮らして欲しいものです。でも、化かされないように気を付けなくっちゃ(それとも、キツネならぬタヌキに化かされたのか・・・?)。

 14日の未明には幾つもの流れ星が見られましたが、空気の澄んだこの時期の夜空は、星がまるで降るようで本当にキレイです。そして地上では、クリスマスのデコレーション一色でしょうか。

 この時期、日本では年末恒例の第九の演奏会(オケの年末の“餅代”稼ぎがその背景だったと聞いた記憶が・・・?)が目白押しです。コンサート情報誌月刊「ぶらあぼ」に拠れば、何と12月だけで174回の第九演奏会が全国津々浦々で開催されているのだとか。イヤハヤ凄いですね。最近では日本を真似て?欧米でも年末に演奏することがあるという記事を以前読んだことがありましたが、でも欧米ではこのクリスマスシーズンは、やっぱりヘンデルの“メサイア(救世主)”ではないでしょうか。しかもヘンデルが英国に帰化していたこともあり、クラシックの声楽曲では珍しく英語版がオリジナル。
ロンドンでの初演で、時の国王ジョージ2世が、第二部の終曲「Halleluyah」で感動の余り起立したため、その後ハレルヤコーラスでは聴衆が起立するのが慣習になったという逸話は余りにも有名です(形式化への批判もあり、最近は必ずしもそうでもないようですが)。

 このハレルヤは、高校の音楽部で定演の最後に室内楽の伴奏で合唱するのが慣わしでした。娘の時も同様でした。
 三部構成で、2時間半にも及ぶ大作でもあるヘンデルのオラトリオ“メサイア”。二部終曲の“ハレルヤコーラス”や、最終曲となる三部終曲の“アーメンコーラス”が有名ですが、それ以外にも、一部第4曲の“And the glory of the Lord…”や大好きな第12曲“For unto us a Child is born…”を始め、対位法で各パートが複雑に絡み合いながらも、ヘンデルらしい明るく親しみ易いメロディーの合唱曲がたくさん含まれています。また三部第4曲のバスのアリア“The trumpet shall sound…”では、その名の通り独奏トランペットの旋律が惚れ惚れするほどカッコイイ!(中学時代の「王宮の花火の音楽」を思い出させますが、この話はまた別の機会に)。
都会ではこの時期恒例の“芸大メサイア”など、全曲演奏会が幾つかあり羨ましい限りです(一昨日、軽井沢の大賀ホールでもコレギウム・ジャパンの全曲演奏会があった筈ですが、教会の多い冬の軽井沢にはお似合いですね)。

 ‘90前半のシンガポールの現地法人への赴任時代。地域貢献から、地元のシンガポール交響楽団(SSO)をスポンサードした2年目から、時期が年末だったこともあり、「赤道直下の“波乗りサンタ”の国に、少しでもクリスマスの雰囲気を!」との想いから、SSO事務局に提案し、時の音楽監督(確か、Choo Hoyさん)も大賛成してくれて、自ら指揮して始まったヘンデルのメサイアコンサート(英国植民地だったこともあって、キリスト教徒が多いシンガポールですので、ハレルヤではやはり殆どの皆さんが起立していました)。合唱を担当する附属のSSOコーラスに入れてもらって赴任中一度は自分も歌いたいと思いました(実際、赴任者やその奥様と思われる日本人団員の方も当時数名おられました)が、結局仕事が忙しくて叶いませんでした。帰任後も含め、少なくとも5年間は毎年演奏されていましたが、もうスポンサードは降りたでしょうし、どこかが引き継いで、今でも赤道直下のクリスマスでの恒例となってくれていれば“言いだしっぺ”としても嬉しいのですが、果たして・・・?
 今宵、南十字星の下のクリスマスを想い、冬のオリオンの下でメサイアを聴くとしますか・・・。
(写真は、横浜みなとみらいの「ゆず」プロデュースというXマスツリー。そして、シンガポール赴任中に購入したらしい手持ちのショルティ指揮CSOのメサイア全曲盤CD。もしかしたら合唱練習用に買ったのか、今となっては購入動機も不明。当時英語版での名盤は、多分リヒター&LSOだったと思うのですが、何故かショルティとバロック音楽というちょっと意外な組み合わせ。勿論その後主流となった古楽器オ-ケストラではありませんが、往年の名花キリ・テ・カナワなどを独唱陣に配し、フルオケながら合唱含めて清冽でキビキビとした演奏です)

 今年のリンゴ発送も終了し、少し時間の空いた奥様。
「今まで気になっていて・・・」と、おもむろに家の中のクローゼットや物置、はたまた階段下の収納スペースや引き出しなどの整理を始めました。
高じては、階段下の収納スペースを整理する棚が欲しいとネット注文し、珍しく自分で組み立てて、夜中まで「ここでもない、あそこでもない」と熱中しています(空き箱の段ボールを片付けよとのご命令に、「ヘ~イ!」と素直に従います)。

 こちらは、まだリンゴ箱の片付けや加工用のリンゴの出荷などの外での仕事もあったので、全て奥様にお任せです。そして、「あー、スッキリしたぁ!」と、一人ご満悦。昨年末は、奥様の骨折入院でたった一人の大掃除でしたが、今年は多分大丈夫そうで何よりです(その分、指示命令は多そうですが)。

 しかし片付いてキレイになるのは大いに結構なのですが、困ること。
「ちょっとぉ、ここにあった耳かきはどこヨー?」、「爪切りが無いけどぉ?」、
「取っておいたプレミアムビールが消えたけど・・・?」
と、その都度新たな保管場所を聞かないと、何がどこにあるのか全く分からなくなってしまいました。
ま、ご本人はストレス発散にもなったようですが、片付けには個人の趣味や嗜好、主義主張があるもの。ですから、棹さして流されていた方が楽で、そこでもしこちらが「でも、こうした方が・・」などと言おうものなら、「智に働けば角が立つ」でしょうし、あぁ、とかく我が家も住みにくく・・・。

 12月14日と15日。ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール。略称音文)の小ホールにて、二夜連続でバッハの『無伴奏チェロ組曲全曲演奏会』が開かれました。昔から大好きな曲ですので、何としても生で聴きたくてチケットを購入し、満を持して出掛けました。
 二夜の組み合わせは、初日が1・4・5番、二日目が2・3・6番。ソリストは、ジャン=ギアン・ケラス。カナダ出身のフランス人の人気チェリスト。音文には、彼の率いるアルカン・カルテットで過去2回来演しているのだそうです。しかも、今回は改修中の大ホールが使えないため、僅か190席の小ホールという、聴く側からすれば本当に申し訳ないような何とも贅沢なコンサートです。音文の事務局の方によれば、彼もこんな小さなホールで演奏するのは初めてだと言っていたそうですが、そうでしょうね。恐縮です。

 二夜共、さすがに完売だったそうです。
静寂の中に組曲第一番の耳に馴染んだプレリュードが流れて・・・。途中何の電気信号も介さず空気の振動だけで、本当に生で聴いているんだと思うと目頭が熱くなるような気がしました。
その感慨だけで個人的にはもう充分で、演奏自体のことをとやかく言う必要はないと思いますが、初日よりも二日目の方が遥かに良かったと思います。
初日は繊細でナイーブなバッハではありましたが、淡々と弾いているようで、「生の無伴奏チェロ組曲を聴いた」という感想。むしろ、弾き慣れたであろうアンコール曲の方が良かったと感じました。どちらかと言えば、大好きなマイスキーの“浪花節”的なバッハではなく、エスプリの効いたフルニエ風のバッハでしょうか。
ところが二日目は、何故か音量も別人のように大きく聞こえ、朗々と鳴るチェロは、特に最後の第6番のメロディアスなフレーズなど歌心も十分で、たった190人の聴衆ですが大きな拍手に包まれ、前夜よりも多かったカーテンコールにもそれが表れていたように思います。キレや勢いもあり、また力強さも感じられて実に感動的な演奏でした。ギアン・ケラスは、正に貴公子然としていて、これなら女性ファンも多いのだろうと思われます。事実、“追っかけ”のファンの方なのか、後ろから「王子ホールでも聴いたんですけど・・・」と話す声が聞こえてきました。

 因みにアンコール曲は、初日がクルターグ作曲「信仰」とデュポール作曲「練習曲第7番」。二日目は、クルターグ「影」とピアッティ作曲「カプリース第7番」。メモを見ながら、たどたどしくも日本語で曲目を紹介する姿勢に好感を持ちました。

 どうしても生で聴きたかった、念願のバッハの無伴奏チェロ組曲全曲を実際に聴くことが出来て、特に感動的な第二夜の演奏に大満足の演奏会でした。その夜唯一欠けていたもの。それは、片手のグラスでしょうか・・・。      

 一足早い、素敵なXマスプレゼントになりました。

 12月10日の月曜日。松本も1cm位、この冬初めての積雪がありました。
これまでも何度か雪が舞ったり降ったりしましたが、我が家周辺で、辺り一面が白くなったのは今シーズン初。

 朝7時過ぎ、いつもと同じ時間に出勤です。始業1時間前には、会社に到着しているので、多少渋滞しても大丈夫です。
積雪1cmでも圧雪されると結構滑ります。周辺の幹線路はこの冬初めての塩カル(塩化カルシウム)が撒かれ、既に融けていますが、脇道は圧雪のまま。スピードを落として安全運転です。
雪道に慣れると、凍結路より圧雪路の方がむしろ走りやすく、またどちらにせよ、急ハンドル・急停車・急発進などといった「急」と付く運転さえしなければ、4点で支える車はそんなに滑るものではありません。

 さて、初めての雪の三才山峠。有料道路ゆえか、こちらも既に塩カルが撒かれていて、路面は既に融けていました。でも、やはり周囲の雪のせいか、どの車も普段より10kmほど速度を落としての安全運転です。
鹿教湯温泉の手前で、待っている右折車に後ろからぶつかったのか、2台の車が反対車線にハザードを付けて停まっていました。コツン程度で大した事故ではなさそうでしたが、後続車が慌ててブレ-キングをせぬように曲がる方も早めにウィンカーを出す方が安全です。

 有料道路以外では塩カルは撒布されておらず、トンネルを抜けた上田側の方が雪の量も多そうで、圧雪状態が続きます。皆一様に安全運転です。しかし、融雪効果はともかく、前が見えなくなるほどフロントガラスが(車体も)塩カルで真っ白く汚れるのは何とかならないものでしょうか?

 会社近くに来て、田んぼばかりで信号の無い交差点での右折。周りに車が一台もいないのを確認し、試しに普段通り減速し、普段同様にハンドルを切ってみると、案の定テールが流れて前輪も含め、四駆と雖もやはり滑ります。
こうやって、どういう運転をすれば滑るか(=逆にそういう運転をしなければ滑らない)という感覚を、1シーズン振りの雪道ですので、早めに体に思い出させることも大切です。

 雪のお陰で、会社には通常より10分ほど遅れて到着しましたが、皆スピードを抑えて車間距離をある程度保っての安全運転に、むしろ普段よりも安心安寧のドライブでした(“きらクラ”をその分、いつもより長めに車中で聴くことも出来したし・・・)。

 今年も11月の三連休を中心に、20日過ぎから開始したサンふじリンゴの収穫作業。
大まかな選別後、色、傷などを見ながら、大きさ別に贈答用、自家用、加工用などに更に細かく選別していきます。それと並行して、ご注文いただいた皆さまへの荷造りと発送作業。
一日も早くお届けしたい、また到着日指定ということもあり、週末だけではなく、平日も帰宅後に始めて深夜までの作業が連日続きました。

 その間、作業場の中は山積みになったリンゴ箱だらけ。
後の作業がし易いように、選別した大きさ別にリンゴ箱を並べていくのですが、スペース確保のために20kg前後のリンゴ箱を5段に積み上げていきます。

 その作業環境も今年はちょっぴり改善。深夜は余りに寒いので、足元だけを暖めるように、昔懐かしいタイプの石油ストーブを新たに購入。しかし、改善でファンヒーターと同じように、大昔の給油式から灯油タンク式になっていたのにはちょっとビックリ。また点火も乾電池で自動着火。便利です。

 そして、作業のお供はFM放送と、CD。
家内からは“アナログ人間!”とバカにされながら、昔娘に買った古いCDラジカセを愛用(低音用スピーカーもあり、結構良い音がします)。何と言われようが、イヤホンで大音量で聴き続けるのは好きではなく、耳にも決して良くないですから(と思います)。ただ最近調子が思わしくなく、家内からはiPodと専用スピーカーにすればと薦められていますが、どうもなぁ・・・。
 さて今年の深夜作業のお供は、市の中央図書館から借りて来て(家内が)ダウンロードした、バーンスタイン指揮VPOのマーラーの5番(5楽章構成ですので、有名なアダージェットは第4楽章でした)と、グールドの「リトル・バッハ・ブック」。そして、「巨人」はSKOのライブ盤。何より録音が素晴らしい。特に打楽器など、音が浮き出ている感じがします。最後に熱狂的なブラボーの声や満場の拍手も収録されていますが、納得の快演です。
・・・と、グールドでリフレッシュして、マーラーに元気をもらって、先週末でほぼ終了することが出来ました。ヤレヤレ、あぁ、しんど・・・。

 良く、音楽ファンの著名人や音楽評論家などへの質問に、
「もし、無人島で暮らすとして、たった1枚しか持って行けないとしたら、どの曲を持っていきますか?」
というような質問がされますね。

 人間、悲しい時の慰めや、元気を出したい時の励ましや、時として心落ち着けるべき癒しや・・・。更に個人的には、加えて夜一人静かにグラス(私は冷酒ですが)を傾ける時も音楽は大切な要素です。
そんな様々なシチュエーションで聴きたい曲はそれぞれ異なりますが、それを全て満たさずとも、最大公約数的に出来るだけ兼ね備えたたった一枚を選ぶとなると・・・。難しいですね。クラシックだけではなく、ジャズもイイし・・・。

 もし私が選ぶとすると、やっぱり大バッハの傑作『無伴奏チェロ組曲』でしょうか。我が愛聴盤は、ミッシャ・マイスキー。そして、アンナー・ビルスマの全曲録音盤。
慰めにもなるし、元気も出るし、癒されもします。冷酒片手に夜一人・・・。イイなぁ・・・。
そう言えば、そんなにクラシック音楽好きでもない長女も、高校時代、受験生の時だったか、マイスキーのCDをずっと部屋に持って行って時々聴いていたようですが、気持ちが分かるような気がします。しかし、私がこの曲を「イイなぁ」と思い始めたのは、30代になってからなんですがネ・・・。
残念ながら年初の家内の骨折騒ぎで流れてしまいましたが、二人で旅行を画策していた時の彼女からのメール。「アーノンクール行く?」でしたが、その次は「ミッシャ・マイスキーがサントリーホールに来るよ!」でしたっけ。別に気にしなくてイイのに(でも、マイスキーかぁ・・・)。

 18世紀に書かれた曲とは思えず、時代を超越した普遍性を持つ不思議な曲。宇宙的な拡がりすら感じます。
カザルスが“発掘”し、広く世に広めたことはつとに有名ですが、それまで“埋もれていた”というのが信じられません。20世紀になって、漸く時代が追いついたのか?咽び泣く様な旋律と渋いチェロの音色が、現代人の、とりわけ日本人の感性に合うのか・・・?

 さて、リンゴの発送もひと段落したので、今宵奥様は久し振りに娘たちの所に上京して不在。
今夜はグラス片手に、一人静かにマイスキーでも聴くとしますか・・・。

 今週末、二夜連続で、ザ・ハーモニーホール(松本音文小ホール)で全曲演奏会(チェロ独奏:ジャン=ギアン・ケラス)が開かれます。

 毎年2回実施されている、ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール。略称“音文”)の会員組織であるハーモニーメイト主催の演奏会鑑賞バスツアー。音文ではなかなか聴く機会の少ない大規模編成のオーケストラ鑑賞を目的に、会員のために行われています。会員サービスで、松本から往復の交通費込みですので、随分お徳だと思います。
今年度の第2回目は、来年1月下旬に東京都芸術劇場でマチネで行われる都響&インバルの新マーラー・ツィクルスⅤ。リニューアルされた芸術劇場は、娘からの招待でのロジェベン&読響(第671話)を10月に聴いたばかりです。

 この時期で日帰りなら大丈夫かなと、メイトになって初めて応募したところ、クラシックファン垂涎のプログラム(?多分)にバス1台定員35名という少人数の募集人員で、しかもくじ運の悪い(=全く無い)我が家にも係わらず、後日当選案内の葉書が送られて来たではありませんか。ヤッター!来年はくじ運良いかも・・・!?(宝くじでも買ってみようかな。それとも応募が少なかったのか・・・?)
 今回のマーラー・ツィクルスは交響曲第5番。そして演奏会は、モーツァルトのフルート協奏曲第2番との組み合わせ。先月、カメラータ・ザルツブルグで、シェレンベルガーさんのオーボエ協奏曲を聞いたばかり。どちらにも同じケッヘル番号(K314)が与えられていますが、オーボエとフルートの対比も楽しみです(ソリストは上野由恵嬢)
そして、定評あるエリアフ・インバル指揮東京都交響楽団のマーラー。恐らく現在の日本のオケで聴ける最高の組み合わせでしょう。これまでの芸術劇場での演奏会は全て完売らしく、都内でも入手困難(但し別会場などで計3回開催)なチケットだと思いますのでまさに宝くじみたいなもの。第3楽章?だったでしょうか、映画『ベニスに死す』で使われて有名になったアダージェット。確か、弦楽とハープだけだったような・・・。記憶があやふやなので、当日までに聴いて事前学習をしておかねば・・・。でも、本当に楽しみです。

 しかもバスツアー(1月下旬なら中央高速も大丈夫でしょう・・・きっと)なので、何と言っても自分で移動せずに(音文発着ですが)会場に運んでもらって、松本まで帰って来られるのが魅力です。
(職場旅行ではないので、車中で飲んでばかりという訳にはいきませんが・・・)

 今シーズン最後の演奏会です。
さぁ頑張って、それまでにリンゴの剪定作業終わらせよ!っと。

 11月下旬の三連休は、今年も恒例のリンゴ採り。
我が家周辺では、どこのリンゴ園でも家族総出の作業風景が見られました。

 今年は、毎年来てくれる妹夫婦に加えて、長女夫婦も東京から手伝いに来てくれました。しかもリンゴ採りと並行して、収穫したリンゴの選別作業と、お待ちいただいているお客様への出荷作業が夜まで続き、例年猫の手も借りたい(我が家の愛犬、チロルとナナの手は役立たず・・・)くらいに忙しいので大変助かります(今年は、せっかくの三連休の初日が生憎の雨で収穫作業が出来ず、余計に短期集中となりました)。

 さて作業中、娘が、「ねぇちょっと、これ見てみてぇ~!」との声。
何事かと皆で見てみると、彼女の掌に乗った、小さな雪だるまのようなリンゴ。「珍しいよネー!」
確かに、子供の頃から50年近くリンゴを見ていますが、こんな“変な”リンゴは見たことはありません。

恐らく、リンゴの蔕(ヘタ)の部分がくっ付いていて、小さなリンゴが大きなリンゴの上に逆さまにチョコンと乗ったようになっているのでしょう。
要するに、ちゃんと一輪摘花をせず、その後の仕上げ摘果でも見落としてしまったようです。脚立に上らない彼女が採ったということは、手が届かぬような樹上の高い所ではなく、地上から楽々手が届く下の部分。農家としては、作業の甘さを証明される以外の何物でもありません。「はぁ~・・・」とため息です。
「でも、スノーマンみたいで可愛いからイイじゃん!」
「捨てちゃうのも可哀想だから、お正月の鏡餅の代わりに飾っておこう!」
・・・ということで、こちらの作業の甘さを指摘されるように、そのままダイニングテーブル横に鎮座しています。ヤレヤレ・・・。
(大きさを比較し易いように、特大、中玉のリンゴと並べてみました)