カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今年のゴールデンウィーク。次女は空港勤務故、人が遊ぶ(出掛ける)時 は繁忙期で休み無し。長女も責任が重くなって毎日忙しいらしく、娘たちの帰省は諦めていたのですが、後半になって、思いがけずも長女夫婦が二泊で帰って来てくれました。

 そこで、5日のこどもの日。折角ですので、木曽路を観光がてら、婿殿がまだ行ったことが無い、木曽の「時香忘」に蕎麦を食べに行くことにしました。我々も一年振りくらいでしょうか、久し振りです。子供たちが帰省して来た折や、県外からのお客様をお連れする時(途中奈良井宿の観光がてら)しか行きません(第554話&642話参照)が、「時香忘」は、その後もTVの旅番組で何度も紹介されるなど、地元客よりも県外からお客様の方が多い行列店です。
奥さまが、開店前に並んで一日10食限定の二色蕎麦(黒い田舎と白い更科を別々に打って、二枚貼り合せて切った蕎麦)を是非食べたいとの仰せ。然らば・・・と、開店30分前の11時到着前提に9時半に出発することにしました。松本からは、ゆっくり走って1時間半の行程です。
出がけにネットでチェックすると、11時半ではなく11時開店との表示に、「げっ、ダメかも・・・」。

 今回もショートカットで、奈良井川の堤防道路から善光寺街道(北国西街道)で洗馬を抜けて国道19号に合流するルートで向かいます。
松本では曇り空が、木曽に近付くにつれて雨脚が強まり本降りの様相。
でも、“全て山の中”という木曽路は、道路沿いを流れる奈良井川と木曽川(鳥居峠が分水嶺)の清流とも相俟って、若葉が雨に洗われて目にも鮮やかです。
また、シダレやオオヤマザクラなのでしょうか、木曽路では未だ桜も咲いていて目を楽しませてくれました。木曽路名物の「桜茶」(八重桜の塩漬け)にするのか、そこ彼処(かしこ)に植えられた八重桜がちょうど見頃を迎えていました。

 木曽福島から開田高原に向かう361号線を上り10分弱。予定通り、開店時間の11時に到着。何と、既に20台近く停められる筈の駐車場は満杯で、道路脇にまで車の列が・・・。
家内が順番待ちの記帳をして戻って来て、12番目で2時間待ちとの仰せに皆絶句。車に戻る途中で様子を聞かれたというキャンピングカーで来られた中年ご夫婦は、札幌ナンバー。しかも二度目の来訪とか。「う~む、時香忘恐るべし・・・!」。
「どうするぅ?」と聞かれても、ここまで来て他に行ったのでは、何しに1時間半も掛けて来たのか分りません。ただ、本降りの雨で、付近の散策も無理ですし、店に入っても行列なので、車内で待つしかありません。
ただ、蕎麦は江戸時代のファーストフード。コース料理でも無く、されど・・・とは言え「たかが」蕎麦ですので、「多分、2時間も待つことはありますまい!」
しかし20台近い駐車場は、我々ともう一台の松本ナンバー(地元木曽も同様)を除けば全て県外車。木曽という位置的に、総じて中京方面が多いようです。待つ間も、道路には、駐車場に入れない車が次々と順番待ちの列に加わります。やはり、時香忘恐るべし・・・。
 結局、予想通り1時間ちょっとで席に着くことが出来ました。
打つのに手間暇が掛かるであろう限定の二色蕎麦(「夜明けそば」)は、連休中は提供していないとのこと。全員粗挽きのオヤマボクチの大盛りを注文。待つ間、事前に供される薬味用の生わさび(芋)を、茎の付け根近くの香りが一番良い(辛味は先端の方が強い)という、ご親戚が穂高のワサビ農家という奥さまのお友達からのアドバイスをふまえ、鮫皮のおろし金でしっかりギリギリまで擦り卸します(お隣のテーブルは半分しか・・・。あっ、勿体ないですヨ!)
 飯山の富倉蕎麦同様に、ツナギにオヤマボクチを使う粗挽きの蕎麦は香りもあり、相変わらずのモチモチした食感です。蕎麦粉を入れて溶いた蕎麦湯も美味。ただ、いつもより蕎麦が短く切れていたような気もしましたが・・・?(お値段も大盛りで1800円と、前回よりも300円近く値上げされたような)。
婿どのも満足されたようで、何よりでした。もし次回ご両親が来られたら、観光がてらお連れすることにしました。
しかし、二色蕎麦を食べるためにも、やはり連休は避けた方が無難の様です。

 帰路は、雨降りのため開田高原も奈良井宿散策も諦め、松本へ直帰しました。