カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 これまでも何度かご紹介した、松本のおやきの人気店『さかた』。
松本ICから上高地方面に向かう途中の新村にあって、駐車場はいつも満杯。地元客のみならず、お土産で求める県外からのお客さんも多く、狭い店内はいつも人で溢れています。他にはテナントでも出店しておらず、ネット販売も無く、その店に行って購入するしかありませでしたが、信州らしい品として、頂き物へのお返しや娘たちへのお土産などで、年に十数回は家内が買いに店に行っていたと思います。

 その「さかた」が安曇野市穂高有明地区へ突然移転とのこと。
地元紙の広告では、これまで無かったイートインスペースも設けた由。これまでも、上高地や飛騨高山への道路沿いだったので、観光客の方々相手に対象を絞ったということではないと思います。店舗が広く大きくなったのでしょう。

 7月末の火曜日。お中元のお返しに、移転した有明の新店舗へ行ってみることにしました。松本市街らは、有明の山麓線沿いの店まで小一時間。漸く到着すると、月火と二日続けて定休とのこと。新店舗も松本地方の古民家である本棟造り。山際の郊外ですので、駐車スペースも広く取られていました。
「火曜日もかよ~!?」止むを得えません。そのお宅には毎年お送りして喜んでいただいてもおりましたし、他にこれと言った代わりの品も思い浮かばず、お返しが遅くなってはいけないので、実家に行く家内に変わり、翌日奥さまの代理で、ドライブがてらナナも乗せて再度行ってみました。
開店直後に到着。店内は、安曇野を望む窓越しにイートインのカウンター席が10席程設けられてはいましたが、店舗そのものは、以前と比べて決して広くはありません。以前は4名ほどで対応していた筈の販売担当の女性スタッフも僅か二人だけ。「えっ?」と思いつつ、「おやきを送りたいのですが・・・」と店員の方にお願いすると、「送りはやっていません!」とアッケラカンとした返答。「えっ?以前の店では何度も送りでお願いしましたけど・・・」。
 「ハイ、こちらではもう送りは対応していません!」
 「・・・・・」
「スイマセン」、「申し訳ありません」の一言も無く、余りに“あっけらかん”とした対応に、空いた口も塞がらず、すごすごと引き下がるしかありませんでした。
むしろ、店舗で購入して出て来られた地元客と思しき母娘連れが、「ヒドイよね、あの木で鼻をくくった様な態度は・・・」と、私とのやり取りを横でご覧になったのか、私に言うでもなく憤慨して二人で話しながら店から出て来られたのが印象的でした。

 「何でかなぁ・・・?」
元々、支店を増やすでもなく、ネット対応もせず(勿論H/Pもありません)、昔から然程“商売っ気”は無いお店ではありましたが、「それにしても」と思わざるを得ませんでした。
年10回ほどの客が一軒減っても、売上に影響は無いのかもしれません。
しかし、それにしても、客商売である以上「誠に申し訳ありませんが・・・」
の修飾語を、例え慣用句的に付けたとしても損はしないでしょうに・・・。
 「何でかなぁ・・・」
唖然として、ガッカリして、予定していた家内へのお土産のおやきすら店頭で(そのスタッフからは)買う気にもなりませんでした。
店が広くなったのでもなく、便利になったのでもなく、直営でしか販売しないのであれば(それは品質維持や乱売を防ぐために、経営方針としてあっても良いと思います)、少なくともここよりも集客力は高いであろう以前の店も続ければイイのに・・・と、新店舗に来てみて余計今回の移転理由が分からなくなりました。以前は店内に発送用の「さかた」専用の宅配伝票も用意されていただけに、もし手間暇が掛かって大変ならば、購入して自分で送るにはそれに合った箱を探すのが大変なので、客自身が送れる様に、せめて発送用の箱だけでも用意してくれてあれば良いのにと思いました。
我家からは遠くなったこともありますが、有明に来たついでであれば兎も角、「さかたのおやき」を買うためだけにここに来ることは、もう二度と無いだろうと思います。
【追記】
“片や”という意味で紹介させていただきます。
お盆のお供え用に、松本の老舗和菓子店「開運堂」の夏の季節限定菓子「冷やし白玉」を買いたいと家内が言うので、我が家からは一番近い開智の「松風庵」に行きました。こちらも以前ご紹介したことがあるお店で、和風庭園を喫茶室から眺めながら、お茶と和菓子を頂くことが出来ます。
夕刻だったのですがまだ営業中で、家内が確認すると、前日までの季節限定商品で、この日の午前中で既に全部売り切れたとのこと。残念がる家内に、「もしかしたら、まだ他の店にまだあるかもしれませんから・・・」と、本店始め何店舗かに電話で問い合わせて下さいました。結果、本店も売り切れだったのですが、幸い地元デパート「井上」の開運堂の売店にまだ在庫があるとのことで教えていただき、早速松本駅近くの店に行って必要数を購入することが出来ました。
贈答用ではなく家使いですので、何十個も購入する訳でもないお客さんの為にそこまで面倒を見ていただき、先述の「さかた」の対応との違いに驚くと共に、経営方針?、或いは社員教育?・・・。一体どこにその差があるのだろうと考えさせられた次第。