カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 我々、生粋の“松本っ子”が当たり前と思っていても、県外から来られると、驚いたり意外だったりすることも多いようです。そんな話題としてお送りします。題して「信州松本“ぶったまゲーション”」。

 昔からスーパーマーケットの練りモノ売り場に普通に並んでいる「スギヨのビタミンちくわ」。昔から「ちくわ」といえば「スギヨのビタミンちくわ」が定番で、全国ブランドとばかり思っていました。
前回の「辛子いなり」同様に、この「ビタミンちくわ」も「秘密のケンミンSHOW」で紹介されたそうですが、視聴しておらず、長野県独特とも思っておらず、スギヨも紀文と同じ“練りモノ”の大手メーカーだとばかり思っていました。

 株式会社スギヨは、能登半島の石川県七尾市に本社を置く水産加工の会社。しかも、「ビタミンちくわ」だけではなく、あの“カニカマ”を初めて開発したメーカーなのだそうです。
スギヨのH/Pからそのまま引用させていただくと、
『「ビタミンちくわ」は、昭和27年(1952年)に誕生しました。ビタミンを豊富に含む油ザメの肝油を配合したアイデア商品として、戦後の栄養不足に悩んでいた消費者から圧倒的な支持を受けました。以来、発売から66年のロングセラー商品として長くご愛顧いただいています。ビタミンちくわの売上の7割を占めるのが長野県。なぜスギヨ本社がある石川県ではなく長野県なのか。その理由は、大正時代にさかのぼります。古来、能登のブリは、越中(現・富山県)のブリ街道を通って、飛騨、信州へ送られていました。その歴史にヒントを得て、杉與商店(現・スギヨ)が大正時代、ちくわの穴に食塩を詰めて長野県へ発送したところ、海のない同県にとって、貴重なタンパク源と食塩がセットになった商品として飛ぶように売れ、「ちくわと言えば杉與(すぎよ)」と長野県に広く定着したのです。』
とのこと。この冬も、鍋物やおでんの時に、この「ビタミンちくわ」には大変お世話になりました。

 今では流通や輸送技術も改善され、長野県でも新鮮な魚が食べられるようになりましたが、そう云えば塩イカも腐らない様に塩漬けされたイカで、これも海無し県の信州向けの商品だったとか。方言もそうですが、県外に出て或いは県外の方から指摘されて初めて気付くことも多くあるものですね。