カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 奥さまのお友達からセリをたくさんいただきました。
安曇野の穂高のご親戚が営まれているワサビ田に自生しているのだそうです。我が家の近くの田んぼの用水路にも自生しています。
因みに信州では田の用水路のことを方言で「せんげ」と呼んでいますが、地元信州では安曇野の「拾ヶ堰(じっかせぎ)」に代表される様に、堰のことを「セギ」と呼びますので、もしかするとそこから訛ったのかもしれません。
ただ、クレソンなどもそうですが、自生しているセリも近くに人家などがあると、どんな菌がいるか分からないので、清水の様な本当にキレイな水質の所で育ったものでないと安心して食べられないそうです。

 セリは「芹」と書き、昔から日本では食べられてきた野草で「春の七草」の一つです。以前BSの大田和彦さんの「ふらり旅いい酒いい肴」で秋田が取り上げられていたのですが、その中でセリの根が食材としていて紹介されていて、「セリは根が美味しい」と初めて知りました。ゴボウの様な食感なのだとか・・・。
 「そうか、だからセリは根付きで店頭でも売られているんだ!」
と目からウロコでありました。
 色々な料理法がありそうですが、我が家では本場の秋田を参考にセリ鍋です。比内鶏とはいきませんが、食材は鶏ツクネを肉団子にしてシンプルにポン酢で頂きました。セリがシャキシャキして何とも美味。
また、セリのおひたしとは別に、セリの根だけを茹でて私メは中華風ドレッシングでもいただきましたが、酒の肴になかなか乙な味。
 そして、先日たまたま視聴していたNHKの「趣味どき」で春の野菜としてその日はセリが取り上げられていました。ナルホドと思ったのはイタリアンのセリのリゾットとセリと鶏ササミを使った混ぜ蕎麦。
そこで、セリはありますので、たまたま買ってあった鶏胸肉をササミの代わりに使って(レシピをちゃんと覚えていなかったので適当に)セリの混ぜ蕎麦を作ってみました。奥さまからは好評でしたが、個人的には、
 「まぁ、こんなモンかぁ・・・」
むしろ、片栗粉をまぶして茹でた鶏胸肉が思いの外柔らかくて、片栗粉でトロミのある汁とも相まって「!!」。
 「おぉ、これだっ!これって金沢の治部煮ジャン!!」
そこで、(休肝日ではない)翌々日残しておいた鶏胸を使って、柔らかく煮たニンジンと、セリ、菜花のおひたしを使って治部煮にしてみました。ちゃんとワサビを添えて。
そしてまだ残っているので、同じく紹介されたセリのリゾットにも挑戦して見ようと思います。茎を細かく刻み炒め、冷凍したご飯は日本故に水で洗って粘り気を取るのがコツと記憶していました。味付けまでは覚えておらず、コンソメを使って適当に洋風にすればイイかなぁ・・・。

 セリ。独特の香りと根も含めた食感に、まさに“春”を、そして春の息吹の様な生命のエナジーそのものを頂いている気がしました。
【追記】
休肝日に先述のセリのリゾットを作ってみました。視聴した際のおぼろ気な記憶をベースに、細かく刻んだセリの茎を薄くスライスしたベーコンと一緒にオリーブオイルで炒め、白ワインと水を加えて煮立ててからコンソメで薄めに味付けをして、水でヌメリを取ったご飯を入れて、自家製塩レモンと塩コショウで味を調整。最後に火を止めて、葉の部分を混ぜて完成。シンプルな味付けですが塩レモンがアクセントとなり、薄味ゆえにセリの香りも十分に感じられました。奥様にも好評で、美味しく“春”をいただくことが出来ました。