カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

  “暑さ寒さも彼岸まで”と云う通り、台風15号により巻き込まれる南風の影響か、涼しかった盆明けから一転し、先週は夏の暑さが戻って来ました。
 9月上旬の日曜日の朝8時半。この日も快晴で、暑くなりそうな日でしたが、二階から下のリビングに降りて行くと朝日が高い窓から差し込んでいて、西側の壁に無数の“虹”が現れていました。
所謂プリズム効果で、何らかのガラス体がプリズムの役目を果たして、分光スペクトルが現れていたのです。しかもその数は無数!と思える程で、実際は20個程でした。
そして、その光源となった“犯人たち”は、1階の吹き抜けのリビングの中心にある、設計士さんが柱を上手く使って造ってくれた飾り棚の中のスワロスキー。シンガポール赴任期間中から、奥さまが好きで集めた置物たちでした。
突然室内に出現した小さな虹に見惚れて眺めていました。ところが暫くすると、僅か数分で一つだけになり、そしてそれもすぐに消えてしまいました。なんだか、マジックを見せられたような不思議な感覚に包まれて、一瞬ボーっと佇んでいました。

 高い窓から差し込んだ光が当たったクリスタルがプリズムの様な効果を生み、そのプリズムで分光された光線がスペクトラムとして現れて壁に映写された・・・だけ・・・。
物理的に説明すれば、単にそれだけのことなのでしょうが、しかし人間は、古代エジプトやマヤの様に、太陽光の角度により夏至や冬至、或いは春分や秋分の日だけに現れる光の現象を作り出すことでその日を知り、農耕などの人間の営みに活かしてきた・・・。
ホンの一瞬の出来事でしたが、大袈裟ですが、何だかそんな人類の古の工夫すら思い起こさせる不思議な感覚に包まれました。
 家の中に現れた幾つもの小さな虹。
太陽の軌道が天窓から飾り窓のスワロフスキーを射すのはある一定期間であって、必ずしもエジプトやマヤなどの古代文明の様に春分と秋分の日の年2回、或いはストーンヘッジの様に夏至の日に年1回だけ現れる現象ではないとは思いますが、今まで20数年暮らして来た我が家ですが、迂闊なことに今回初めて気が付きました。
きっと季節の営みの中で現れるのだろう家の中の小さな虹。ちょっぴり不思議な気分にしてくれた自然現象に、暫し見惚れて眺めていました。