カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 北横岳登山の翌日。この日は、以前途中までしか行かなかった横谷峡に行ってみることにしました。
ホテルのフロントで頂いた蓼科のマップに拠ると、蓼科湖から奥蓼科の横谷峡まで3.2㎞の信濃自然歩道などの散策路があるとのことなので、車を使わずにトレッキング(ハイキング?)がてら歩いて行くことにしました。

 横谷峡へは2つルートがあり、一つは石遊(いしやす)の湯や楢の木池を通る信濃路自然遊歩道ともう一つはサイクリングロードを兼ねた散策路ですが、自然遊歩道の方がアップダウンがありそうだったので先ずは往路にして、帰路は平坦そうなサイクリングリードの散策路を歩くことにしました。双方3.2㎞とのこと。
また横谷峡は、一番上流の「おしどり隠しの滝」まで行けば、片道4㎞程はありそうです。従って、蓼科湖からは往復10㎞以上のウォーキングです。
8:30にホテルを出発。自然遊歩道は車道の様で、途中作業の軽トラと何台かすれ違い。蓼科CCの横も通ります。別荘なのでしょうか、道沿いに何軒か家があり、県外車が停まっていました。
途中、林の中で大きなニホンジカと遭遇。定年前の上田への通勤時に、鹿教湯付近で道路に飛び出して来た鹿にぶつかりそうになったことがあったのですが、林野庁の職員の方々の目撃記録でも、霧ヶ峰から美ヶ原までの中信高原国定公園が県内では一番鹿の目撃数が多い地域なのだそうです。
途中にあった「石遊(いしやす)の湯」は、戦時中の鉄山の跡だそうで、鉱山から噴出した日帰り温泉だそうです。

更に歩いて行くと、楢ノ木池の近くで、まだ2歳という人懐っこい甲斐犬と元気な青年が散歩で追い抜いて行きましたが、今夏ワンコと一緒に八ヶ岳の天狗岳に登ったとかで、やはり夏に女性だけのグループで登った奥さまと天狗岳への登山話で盛り上がっていました(二人の会話中、私メとワンコは蚊帳の外で、顔を舐めてくれたりと、彼女に遊んでもらっておりました・・・)。
最後、奥蓼科の別荘地の中の急坂を上って、麦草峠や白駒の池に至るメルヘン街道(国道299号線)の横谷峡入り口に到着。9時半でしたので、蓼科湖から丁度一時間。
 横谷峡は渋川の渓流沿いに散策路が設けられていて、幾つかの滝が渓谷を彩っています。先ずは木戸口神社下にある乙女の滝からスタートです。タタラ製鉄との関連も指摘される出雲の国造り神話同様に、諏訪も建御見名方命の大古の頃から軍需用に使われた戦時中まで、石遊の湯の様な鉄の鉱山があったのですが、この渋川も川底の茶褐色の岩を見る通り鉄分が多そうで、流れは清流ですが魚は棲んで居そうもありません。きっと渋川沿いの温泉は茶褐色の鉄分の多い泉質なのでしょう(蓼科温泉の三室源泉は酸性泉で透明です)。
この横谷峡に点在する滝には、滝毎にその場所に飛散しているマイナスイオンの数が表示されています。因みに、乙女の滝は「マイナスイオン20000」。
その後、崖崩れで一旦横谷温泉旅館の敷地の中を通る迂回路を経由して遊歩道に戻ります。霧降の滝、鷲岩、屏風岩、そして冬は凍る氷瀑から一枚岩へと、渓谷沿いの散策路を歩いて行きます。渓谷沿いなので湿気は多いにしても、横谷峡のある奥蓼科も八ヶ岳の麓らしく、林の中に鮮やかな苔の絨毯が拡がっていました。
渋川の下流側から歩いていますので、当然上流に向かって上って行くのですが、結構な急坂の場所もあって、ハイキングというよりはトレッキング気分。この先に王滝とおしどり隠しの滝もあるのですが、既に一時間。4㎞近く歩いて来たのですが、まだ結構掛かりそうだったので、ワンコたちが待っていることもあり、今回も踏破出来ずに一枚岩から引き返すことにしました。
 昔は確かグリーンバレーという名前だったパークホテル。一回倒産し、現在ホテルは別資本で営業しているようですが、庭園などはかなり荒れてしまっていて勿体無い限り。横谷温泉旅館以外の奥蓼科はさびれた感じが否めません。
パークホテルの脇から、帰路の散策路を歩いてホテルの在る蓼科湖へ戻ります。往路にもあったのですが、帰りの散策路でも道端に、オモト(万年青)の実のような、直立する、小さなパイナップルのような形状をした緑や真っ赤に熟した実の付いた植物が目に付きました。中には高さ1.5mくらい大きなモノもあります。葉っぱはゴボウの葉に何となく似ていますが、赤い実が異様に目立ちます。後日ネットで調べてみると、山や林の湿り気の在る場所に生えるサトイモ科の多年草で「マムシグサ」という、何ともオドロオドロシイ名称の植物だと分かりました。
 蓼科湖から歩いて奥蓼科の横谷峡へ。横谷峡は今回も全部は歩けませんでしたが、蓼科湖から遊歩道や散策路で往復も歩いたので、12~13㎞程度のウォーキングとなり、午前中の3時間コースでしたが結構な距離になりました。
早昼を食べてからホテルに戻り、午後はゆっくりと温泉三昧。その昔、戦につかれた兵士を労わったであろう“信玄隠の隠し湯”で、現代人の我々は平和なウォーキング疲れの体をしっかりと癒すことが出来ました。
【追記】
台風19号により、蓼科の在る茅野市北山地区でも、洪水こそ無かったものの4000戸を超える大規模な停電などの災害が発生したそうです。北八でも、蓼科山では倒木等により、7合目以上で登山道が歩けなくなっているとのこと。また、大雨の度にではあるのですが、今回も諏訪湖に注ぐ上川が溢れて水がついた場所があるそうです。
謹んでお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈りしております。

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