カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今回はワンコたちと一緒で、特にコユキは慣れない環境に自分たちだけが置いて行かれると不安な様ですし、出来るだけ一緒に居られるようにと、泊まった部屋がミニキッチン付きのドッグヴィラですので、一度を除いて、昼食を含め殆どの食事をホテルでの部屋食にすることにしました。

 部屋食が可能となる前提として、ここ伊豆高原も軽井沢や那須同様に別荘地ですので、別荘族御用達のスーパーマーケットが必ずある筈です。
例えば、軽井沢では地場のスーパーであるツルヤが別荘族御用達で、上田に通っていた時に御代田に住んでいるメンバー曰く、軽井沢の品揃え(例えばチーズ類など)は他のツルヤとは全然違うのだとか(家内曰く、その売れ残りで賞味期限が近づいた商品が松本で時々安売りされているのではとのことで、チーズ好きの家内は喜んでいます)。
また蓼科の別荘族や原村のペンション村の御用達には茅野の大きなJAコープがお薦めで、富士見の事業所に居た頃、元寿司職人だった寮の管理人さんも絶賛していたのですが、確かに山の中とは思えぬ様な魚介類の新鮮さに驚いたことがありました。
那須も別荘地で、道の駅の朝採れ野菜は新鮮で(信州よりも)驚く程安価。しかしスーパーは地場の店(ダイユー)しかなく、また栃木も海無し県故魚介類は期待できず、食材調達上は信州同様(チーズや乳製品、肉類は豊富)で少々残念でした。
さて、伊豆高原では?と調べると、大室山への入り口を過ぎて国道135号線から城ヶ崎海岸への道に折れてすぐの場所に「東急ストア」がありました(更に国道を行くとイオン系のBIGもありました)。軽井沢は西武系で箱根は小田急ですが、どうやら伊豆は東急が開発した様です。
「東急ストア」は然程おおきな店舗ではありませんでしたが、案の定で、地元伊豆ナンバー以外の別荘族と思われる東京方面の県外車も数多く停まっていました。
 初日の夕食は、運転や移動で疲れて調理するのが面倒だったので、簡単に地魚の刺身の盛り合わせとマグロの中トロ(但しこちらは地中海のマルタ産)、そして地元産のアジの干物にしました。
決して高価な刺身を買った訳でもありませんが、5種類ほどで盛り合されていた地魚の刺身は、アジやカンパチ、イサキだったかの白身魚とどれも新鮮でプリプリの歯応え。さすがは、“魚の宝庫”である相模湾の地魚でした。

 二日目は新鮮な地魚を今度は鍋にして食べたかったのですが、東急ストアでは焼きや煮付けには良いかもしれませんが、鍋向けの地魚が見当たらなかったので、ネットで調べても地魚が買える場所が見つけられず(漁港に行けばともかく、伊東市内の鮮魚店は伊豆高原からは結構遠いので)、そこでフロントの方に相談すると、ホテルからすぐ近くの伊豆高原にも鮮魚店があるそうで紹介してくれました。そこで、その日の昼に行ってみました。
そこは車で数分の所に在った「監物鮮魚店」という本当に小さなお店でしたが、自分の保冷車も持たれて伊豆の漁港から直接仕入れている由。まだお若いご主人に鍋に向く地魚を推薦してもらって、金目鯛とアラ(魚偏に荒と書いて「𩺊」)二尾を捌いてもらいました。因みに、大相撲の九州場所で力士が食べるのを楽しみにしているという「アラ」は「クエ」という大きな魚だと云われますが、鮮魚店の「アラ」が随分小振りだったのでお聞きすると、本来の「アラ」はスズキ目ハタ科の別の魚で、同じハタ科の高級魚「クエ」の九州での呼び名が「アラ」とのこと。しかし、その本来の「アラ」も大変美味しい魚なのだそうです。その「アラ」の小型サイズの「小アラ」がここ相模湾で採れるのだそうで、金目鯛が1200円、アラが一尾200円少々と、小振りとはいえ海無し県の我々からすれば破格の安さ。キンメはウロコを取ってくださり、それぞれ捌いていただいた身の部分と、内臓を取り除いたそれこそ「粗(アラ)」の部分から良い出汁が出るからと、三尾の「粗」を一緒に包んでくださいました。
この日も東急ストアで豆腐や野菜など魚以外の鍋用材料を購入し、夜は部屋食で地魚の寄せ鍋です。
鮮魚店のご主人の言われた通りで、キンメは勿論アラの身自体も確かに美味しかったのですが、その身の旨さよりも、むしろそれぞれのアラ(粗)からの出汁の旨さは(海無し県の信州人だからかもしれませんが)出色!実に感動モノでした。
そこでせっかくですので、翌日の昼食はこの出汁を使っておじやにしました。ご飯と溶き卵を入れてさっと煮たのですが、旨!一粒残らず完食しました。山国ではなかなか味わえない、海辺ならではの贅沢!・・・でした。
 さて、伊豆での話はまだ続くので相前後するのですが、最終日に信州へ帰る途中で早昼に立ち寄ったのは、来る時にも寄った「伊東マリンタウン」。
食の選択肢が色々とありそうだったのですが、生憎この日は朝からザンザンの雨模様。そのためテラス席は無理なので、ナナとコユキは外に出られずに車の中でお留守番。
そこで建物内の「伊豆太郎」という地元の回転寿司屋さんでささっと食べることにして、私は近海地魚の握り10貫のセット、家内は地魚の刺身とミックスフライ定食を選択。
確かに刺身は新鮮でしたし、特に生シラスが甘かったのには驚きましたが、一方のイカとエビ、アジのミックスフライは残念ながら冷凍物が使われている感じで、フワフワ、サクサクを期待していたのですが、ベチャっとしていて新鮮さは微塵も感じられず、家内は半分残してしまいました。しかもそれぞれ2200円と2800円という値段・・・。刺身はともかく海浜とは思えぬ様なフライは散々で、コスパ的にはチョットなぁ・・・・とガッカリでした。
信州でもそうなのですが(地物野菜を買う場合は、例えば蓼科に行くビーナスライン沿いの「自由市場」は観光客ばかりで、地元の人は誰も買いに行かない)、海産物も観光客相手のお店ではなく地元の方々が行かれる店を探すべきなのでしょうね、きっと・・・と反省した次第。
 その後、途中熱海の手前の「真鶴ブルーライン」沿いに在った蒲鉾の「鈴廣」に寄って、お友達と自宅の分もお土産の蒲鉾を購入。
前回の箱根湯本では地元の方に勧められた「籠清」で買ったので、今回は(途中には「籠清」もあったのですが)箱根駅伝の中継所でも知られる「鈴廣」を試すことにした次第です。
最終日は生憎朝からずっと降り続いた雨の中のドライブでしたが、幸い昨日までは天気に恵まれましたし、この日はただ帰るだけなので、観光中に降られるよりもまだイイか・・・。後は、雨の中、視界と濡れた路面に気を付けて、くれぐれも安全運転で松本まで5時間のロングドライブです。
人間もですが、ナナとコユキも車に乗っているだけでも疲れるだろうと思います。
 「さてと、早く家に帰ろうね!」。