カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 12月最初の日曜日。
コユキを世話していただいた埼玉の保護団体からの連絡があり、その保護団体から引き取ったワンコたちの里親さんたちが集まる交流会として、毎年一回開かれている「里親会(卒業犬オフ会)」が埼玉県のドッグランで開かれるとのこと。今年が第9回だそうです。
せっかくの機会ですし、お陰様でコユキが元気に過ごしていること(第1469~72話を参照ください)、更にコユキのお陰で“先住犬”ナナも元気になったこと(第1480話)を是非報告させていただこうと、信州から参加させていただくことにしました。
場所は埼玉県の狭山市にある会員制のドッグランとのこと。トライアル中にコユキの緊急手術をしていただいた協力病院が同じく狭山市内でしたので、今回狭山へは3回目。ある程度慣れて安心のドライブです。

 朝9時過ぎにナナとコユキも一緒に出発です。コユキは今回もクレートの中ですが、未だ慣れないのか、いつも車に乗る度に今度はどこに連れて行かれるのかと不安になるようで、大好きな家内と一緒でも暫くはブルブル震えています。これまでの彼女の“犬生”は、単なるビジネスツールとして扱われ、ブリーダーから不要として捨てられたコユキです。全く可愛がられることの無かったであろう8年間(推定)を取り戻してあげるのは、そう簡単なことではないのかもしれません。時間を掛けて気長に接してあげるしかないのかもしれません。
指定された狭山のドッグランの場所までは、NAVIで松本から215㎞、3時間半の表示。途中圏央道合流前に、談合坂のSAでワンコたちも一緒にトイレ休憩し、八王子JCTから圏央道へ。前回、狭山の動物病院へ行った時は平日だったのでトラックが多く混雑していた記憶があるのですが、この日は日曜日だったせいか、思いの外交通量が少なく快適なドライブでした。
NVI通り3時間半のドライブで、12時半からの受付開始に合わせて12:40にドッグランの指定された駐車場に到着。里親の方々の車が続々と来られます。

 武蔵野の風情を漂わせる様なケヤキなどの木々に囲まれ、ウッドチップが敷き詰められた会員制の静かで広いドッグラン。ドッグラン自体が里親だそうで、この日の午後はご厚意で保護団体の貸し切りにしていただき、里親会に合わせて、園内では支援団体からの寄付されたグッズのフリマなども開かれていたり、皆さん思い思いにワンコを遊ばせたり、犬談議(犬自慢?)に花を咲かせています。
我々は受付番号が73番だったのですが、午後1時の開始時刻には、それこそ101匹ならぬ100匹以上のワンちゃんたちが大集合。しかし、信州だと良く見掛けるゴールデンやラブなどは皆無。柴犬さえも数える程で、さすがに都会のためなのか、大型犬は少なく皆室内犬であろう小型犬が殆どです。それと驚いたのは、多くのワンコたちが真冬の“防寒着”を着ていたこと。この日、信州に比べれば遥かに暖かかったので、我が家のナナとコユキは、朝の散歩で着ている防寒ウェアは(持っては行きましたが)着ないで外出用のバンダナだけだったのですが・・・。人間も、真冬に上京すると(信州より暖かくても)皆さん信州以上に(若しくは信州よりも早い時期から)冬の装いでビックリすることがありますが、ワンコもきっと同じなんですね。

 さて、早速我々も受付を済ませ、コユキを引き取って一時世話をされていた保護団体の“仮親”Hさんにご挨拶。彼女はこの日受付担当で忙しく対応しておられたので、その受付終了まで、コユキを我が家まで車で一緒に連れて来てくださったHさんのご主人とお母様と暫し談笑です。
最初は怖がっていたコユキも、生まれて初めて可愛がってくれた最初のご家族を匂いで?思い出したらしく、すぐに尻尾を振って甘えています。
そのご家族だけではなく、仮親Hさんのブログでコユキの境遇とその後の経緯(コユキの手術をしていただいた、支援病院でもある狭山の動物病院と我が家の掛かり付けの松本の動物病院の院長先生同士が、偶然にも大学の同級生だったということまで)をご存知だった里親さん達が、それこそ何人もの方からすっかり元気になったコユキに「本当に良かった!良かったネー!」と声掛けいただいて、皆さん我が事の様に喜んでくださいました。
更には、コユキのお陰で奇跡的に元気になったナナの事も知り、最初コユキの里親が埼玉周辺の首都圏ではなく遠い信州と知って、我が家以外に何件もの里親希望の応募があった中で、なぜそんな遠くへトライアルに出すのかと当初怪訝に感じられたそうですが、結果、それも運命的と驚かれ皆さん納得されていました。
 しかし、ここに集まった幸せなワンコたちの様に、保護犬全てが無事に里親に引き取られていく訳ではなく、例えばコユキを世話してくださったHさんのお宅にも、NHK-BSで保護犬・保護猫の紹介をしてくれた番組にもその埼玉の団体も出演されてのですが、その際スタジオに出演した本当に大人しいミニチュアダックスのシニア犬や最近新しく保護された同じミニチュアダックス(先天的に視力が無いのだとか)は、その後もずっと募集は継続していますが未だ里親が見つからないのだそうです。でも、例え一時的な“仮親”であれ、そのHさんのご家族は皆さん彼等を家族の一員として分け隔てなく愛情一杯に可愛がっておられ、本当に頭が下がる思いでした。
そうした状況を伺う度に我々も気持ちは動くのですが、持病を抱えたナナとたった数ヶ月の“安寧”にまだどこか不安を感じているコユキの二匹で正直手一杯。もう無理だなぁ・・・。
 会場でHさんご家族に紹介いただいた、里親さんとそのワンコたち。
どのワンコも保護犬に至ったそれぞれの事情を抱えていました。中には、本当にキレイで可愛い犬なのに、動物病院へ入院させて引き取りに現れずに置き去りにされたという最初から確信犯の酷い前飼い主もいたのだとか。どんなにその子は迎えが来るのを待っていただろうに・・・。
この日の里親会に集まった元保護犬は、ミニチュアダックスとチワワが大半を占めていましたが、ファッションの様な一時の流行やCMでのブームで人気が出て飼われ、その後人間の身勝手で捨てられたのでしょうか?
しかし、ここにいるワンコたちはまだ幸せです。全国にはそうした犬が毎日の様にどこかで保護されており、自治体の中にはまだ殺処分をせざるを得ない所もあって、本当に胸が痛みます。個人ではせいぜい一匹や二匹でしかありませんが、一匹でも多くの保護犬が引き取られて愛情一杯に幸せな“犬生”を送れることを祈ります。

 最後全員でワンコを抱いての集合写真を撮り、まだオフ会は続くようでしたが、我々は松本まで帰らないといけないので、この日知り合った皆さんにご挨拶して来年の再会をお約束し、先に失礼をさせていただきました。
 「ハイ、ナナもコユキもお疲れさま。さ、ウチへ帰ろうか!」
(後で、知ったのは、この日のオフ会への参加者は220人、ワンコが160匹とのこと。我が家もそうですが、カップルやご家族で参加された方も多く、また二匹連れの方も多かったので・・・。でもこの保護団体からの“卒業犬”が参加資格なので、保護されて今はそれぞれの里親に引き取られて幸せなワンちゃんが少なくとも101匹以上はいたのでしょうね、きっと!)
 余談ですが、帰路の途中で目に入った大規模な農産物直売所に立ち寄り、地元野菜の中から奥様念願のサツマイモ(今冬も薪ストーブの残り火で焼き芋にして、自家製の干し芋造りをスタートされています)をたくさん買って帰りました。
埼玉県では昔からサツマイモでは川越が有名ですが、直売所にたくさん並んでいた「紅はるか」という品種を買って、松本のスーパーで買うモノ(今年は高い!とブー垂れておられます)の倍の大きさで半分の値段だとホクホク喜んでおられました(それだけでも、埼玉まで来た甲斐があったのだそうです)。芋もホクホク美味しいと宜しいのですが・・・。

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