カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 「ドラフトで有望な選手を指名しても、金に任せてFAの有力選手を集めるために、若手選手の出場機会が減って結局大成しない・・・云々。」
 「せっかく素質があるのに、巨人ではすぐに結果を出さないと目をつむってでも継続して使うことが出来ないので、結局若手選手が育たない・・・云々。」
これまでも良く云われたことですが、最近では巨人で活躍出来ずにトレードされ、その後移籍先で活躍している日ハムの大田泰示選手やロッテの沢村祐一投手がその証明として、冒頭の批判論の象徴の様に云われています。果たしてそうなのでしょうか?

 確かに、大田泰司はその素質の高さと自前の大砲への期待もあって、毎年期待されて試合に出ても結果を残せず、その折角の体格を活かせないまま、時には窮屈で前かがみのクラウチングスタイルの様なバッティングフォームになってしまい、素人が見ても打てそうもない気がしたものです。
 「一体、誰がこんなフォームにさせたんだ!?」
類稀な身体能力を持て余す大田に、当時ラグビー日本代表のHCだったエディさんが、アスリートとしてのその素質にほれ込んで本気でラグビーへの転向を口説いたりしたことすらありました。
それが、日ハムへトレードされた途端にレギュラーの座をつかみ、毎年20本近いホームランと3割近い打率を残す活躍。
また、“格差トレード”と今年話題になった沢村も同様。新人賞獲得などの活躍も当初はあったものの、ここ数年は四球連発で打たれて自滅の繰り返しだったのが、移籍後は連続三振でゼロ更新。セットアッパーから、最近ではクローザーを任される活躍を見せています。
その結果が、「やはり・・・」とか「それみたことか・・・」と、冒頭の批判に繋がりました。果たしてそうなのでしょうか?

 思うに、彼等二人は真面目過ぎ。結果が出ないと内に籠って落ち込むタイプ。結果が出ずに焦ると、更に悪循環で余計焦りに繋がる・・・の繰り返し。
自分で自分を追い込んでしまう。結果、自滅・・・。
では他球団では何が違ったのか。それは、一挙手一投足まで注目されてマスコミの目に始終さらされている球団と、そんなプレッシャーから解放されて、少し失敗しても批判されることも無く、然程気にせずにノビノビと好きな野球に打ち込める環境。
一番の原因は、能力を活かせずに周囲の期待の大きさに押しつぶされてしまった本人たちの心の弱さではなかったのでしょうか。

 では、高卒2年目から活躍している坂本勇人と同じく高卒4年目で不動の4番を務めるに至った岡本和真。彼らは同じ球団で何が違ったのでしょうか?
高校時代に結構(かなり?)ヤンチャだったという坂本と、天然キャラ気味で先輩からのイジラレ役で良い意味で鈍感な岡本和真。些少のことには動じない、そんな大らかさと明るさが彼らを大成させたのではないでしょうか。
勿論、球団の指導力や育成力などの環境要因もあるとは思いますが、それを活かせるかどうかは本人次第。伸びるかどうか、活躍出来るかどうかは飽くまで本人の責任でしょう。
仮に、もし日ハムに育成力や指導力があるとしたら、では斎藤佑樹や清宮幸太郎は一体どうしたのでしょうか?

 斎藤雅樹の投球時の腰回転からサイドスローの方が向いていると見抜いた藤田監督や、イチローの振り子打法を矯正させずに一軍へ抜擢した仰木監督といった名伯楽の様な指導者や、その時に置かれた環境に恵まれることも重要ですが、本人の素質だけではなく持って生まれた性格もそれ以上に重要な要素だと思います。
必ずしも、指名が競合するドラフト1位が活躍するとは限らないこの世界。下位指名や、例え育成指名であっても、数年後に球界を代表するような“名選手”の卵が指名されているかもしれません。
来る10月26日は、今年のプロ野球ドラフト会議。今年も、そんな“ベースボール・ドリーム”誕生に期待しています。

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