カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 次女が二人目を出産して以来、奥さまが定例で毎月二週間近く家事手伝いと孫の世話に横浜に住む次女の家に行っています。近くに居れば必要な時にいつでも親に頼れるのでしょうけれど、婿殿のご実家も同じ県内とはいえ静岡との県境ですし、我が家も松本ですぐには駆けつけて揚げられないので、定期的に手助けに行ってあげるのは止むを得ません。それにやはりお義母さんに頼るよりも実の母と娘の関係の方が、(時に言い争いをしたとしても)遠慮なく何でも頼めるでしょうから・・・。
そのため当然ですが、その間私メは独りで家事をしなくてなりません。そこでその(=夫を独りにさせてしまった)代償として(家内曰く、孫の世話の方が余程体力的にはシンドイそうですが、それはそれとして)、横浜から戻って来る時の“お土産”で必ず買って来てもらうのが、バーガーキングのスモーキーBBQワッパーなのです。しかも2個!(絶品だったグリルドビーフバーガーは残念ながら期間限定商品でしたので、今のラインナップ内でのイチオシです)


 インバウンド需要(新幹線で来て、長野から白馬や野沢温泉に向かう外国人スキー客や観光客)を見込んで、長野市内には今年に入って県内初出店でバーガーキングとウェンディーズが相次いで進出したそうですが、残念ながら松本にはまだバーガーキングは出店していないので(将来出店するかも不明)、わざわざ横浜から買って来て貰っているのです。
ただ、そうかと言って松本に在るマックやモスに(独りで)月2回も行かないことを考えると、月二回必ず食べるバーガーキングの方が個人的な頻度は高いので、今のままでも良いのかもしれませんが・・・?

 ま、それはともかくとして、松本に居ての月2回の“バーガーキング三昧”!?私メにとっては、大袈裟ながら“至福の時!”なのであります。
 「ナニ!?人間の器が小さい?・・・イエ、小さくて結構!毛だらけ・・・」
そんな些細なことに喜びを感じられ、例えどんなに小さくとも満足することの方が、むしろ年に一度有るか無いか分らぬ様な大きな満足よりも(それが何かは良く分かりませんが)遥かに幸せなのではないでしょうか!?
勿論、横浜で買って持って来て貰って松本の自宅で食べるので、どんなに早くても食べられるのは買ってから3時間後。
ですので、そこでレンチンすればオニオンスライスがシャキシャキしていない云々・・・と、店で出来立てを食べる、或いはテイクアウトにしても地元の店から買って帰って食べるのとは、“作り立て”という意味での鮮度が落ちるのは当然であり致し方ありません。でも、しかし、そうは言っても・・・、と色々言ったところで、それでもバーガーキングはバーガーキングそのものなのです。
 と、他の人がどう感じるかはどうでも良いこと・・・。例え冷めていようが、時間が経っていようが、それを実際に食べる本人がどう感じるかだけで充分なのです。
そんな訳で、奥さまが松本へ戻って来るのを、「まだか、まだか」と指折り数えて楽しみに待っている今日この頃・・・・なのでした。
【追記】
先日帰られた奥さま曰く、
「美味しそうだったから、私もアボガドワッパーを自分用にも買ってみた!」
とのこと。
この時期の期間限定商品のメキシカンアボガドワッパーではなく、通常メニューにあるアボガドワッパーなのだそうです。
へぇ~珍しいこともあるものだと思いましたが、私メに感化されたのかも・・・・。
因みに、さすがにワッパーは食べ切れないと最後の一口を頂いてみましたが、バーガーキングらしい炭火直焼きのパティにアボガドが効果的。スライスオニオン、トマト、レタスと生野菜にアボガドが相まって、確かにサラダ感覚で女性受けしそうだと感心した次第(もし女性一人で食べるなら、同じメニューのワッパーJr.の方が良いかもしれませんね)。とても美味しかったです。
(二つのワッパーの実物写真は、バーガーキングの公式頁からお借りしました)

 長女が松本滞在中に行きたがっていた、養命酒が手掛ける新しい施設「くらすわの森」。
結局長女は時間が取れずに行けなかったのですが、そこで今後の参考に次女と孫たちを連れてトライアルで行ってみることにしました。
「くらすわの森」は養命酒の発祥の地、信州伊那谷の駒ヶ根に在る中央研究所と工場に隣接した体験型複合施設で、2024年10月にオープンしたばかりの新しい観光スポットです。
元々「くらすわ」は、最初の施設が2010年に諏訪湖畔に開設されたベーカリーやショップも併設されたオシャレな人気レストランで、諏訪に勤めていた頃は会社の食事会等も含め家族でも何度か利用したことがあり、次女夫婦が結婚後に見たいという訪湖花火を、確かその「くらすわ」の屋上の観覧席だったと思うのですが、事前にチケットを予約して見たこともありました。また2020年には「信毎メディアガーデン」にもテナントとして、「くらすわ」のダイニングが松本にも出店しています。
そんな「くらすわ」の大規模な複合施設が、今回新たに養命酒の駒ヶ根工場に新設された「くらすわの森」なのです。
        (以下二枚の写真は紹介ページよりお借りしました)

 PR記事に依ると、『養命酒製造株式会社が運営するライフスタイルブランド「くらすわ」の世界観を詰め込んだ体験型複合施設「くらすわの森」が2024年10月3日、長野県駒ヶ根市にグランドオープンしました。食事や読書を通じての「おいしい」「たのしい」「すこやか」な体験ができます。
「くらすわ」は、食を通じてすこやかなくらしを応援するライフスタイルブランド。創立100周年を迎えた養命酒製造株式会社の運営で、長野県を中心に4店舗を展開されています。この度、長野県駒ヶ根市にある工場を囲むようにさまざまなコンテンツを配した体験型複合施設「くらすわの森」がオープンしました。森の中を散策しながらこだわりのグルメやお買い物、体験を楽しむことができます。
ドーナツ型の「フォレストリング」は、真ん中の森を眺めながらフードやショッピングを楽しめる「くらすわの森」の中核施設です。ぐるりと囲うようにカフェやショップが配置されており、ベーカリーでは粉から丁寧に仕込んだ自家製のパンを毎日20種類以上焼き上げて販売されています。』とのこと。
 松本からだと「くらすわの森」へは1時間程度。長野道から中央道に入り、最寄りICは駒ヶ根ICですが、もしETCがあれば駒ヶ根SAのスマートICで降りられ、そこから僅か5分足らずで到着出来ます(帰路も同様)。
場所は駒ヶ岳の麓にあって、数か所に分かれる駐車場も全部で450台と広く、平日に行ったので、施設に一番近いインフォメーション横の駐車場に停めることが出来ました。受付で園内のマップを頂いて出発です。
因みに、駒ヶ岳というのは木曽駒ヶ岳のことですが、伊那谷では「木曽」とは絶対に付けません。伊那谷では「木曽駒」と言うのはタブーであり、飽くまで「駒ヶ岳」なのです(千畳敷カールに登る「駒ヶ岳ロープウェイ」は、伊那谷側の駒ヶ根市にあります)。強いて言えば、中央アルプスと南アルプスに挟まれて、諏訪湖から流れ出る“暴れ天竜”が形成した伊那谷からは、木曽駒と甲斐駒の二つの駒ヶ岳が望めるので、従ってこの駒ヶ岳は「西駒」であり、甲斐駒を「東駒」と呼んで区別する場合もあります。
季節柄、この日は生憎先日降った雪がまだ残っていて、遊歩道などはぬかるんでいるため、子供向けのスライダーは休止中とのこと。園内には森の中にツリーハウスの様なライブラリーが在って、絵本を含め1000冊の本が揃っていて子供も楽しめるそうなので、新緑の季節や夏休みなどに森林浴を兼ねて遊歩道を歩いて子供連れでノンビリ楽しむのも良いかもしれません。
到着したのが11時半近かったので、娘のリクエストで先に「弐の蔵」のレストランに行ってみると、既に満席で40分待ちとのことでしたので早速予約。そして登録をするとスマホに呼び出しの案内が来るとのことで、それまで園内を散策してみることにしました。戻り、「壱の蔵」のショップからスタートです。
ショップで娘が横浜へ持って帰るお土産を幾つか購入。それから、大阪万博の大屋根リングの小型版の様な円型の建物、「フォレストリング」へ。
この建物は木製ではなく、内側がガラス張りの回廊が円形に巡っていて、その円形の建物内にカフェ、ベーカリー、ミートデリやマルシェなどのショップが併設されており、建物で囲まれたエリアは、中庭の様に林がそのまま残されているので、その木々の姿を眺めながらショッピングやグルメを楽しむことが出来ます。各店共通で利用ができるというイートインスペースも用意されていて、開放的なテラス席ではワンちゃんの同伴も可能だそうですが、実際テラスで食べておられたワンコ連れのご夫婦もいらっしゃいました。
一周ぐるりと巡りながら、ミートデリで朝食用の自家製ソーセージ、同じくベーカリーで朝食用のパン、そしてマルシェで地場の新鮮な野菜(懐かしいカーリーケールがあったのでサラダ用に)なども購入。
ちょっとしたランチなら、ベーカリー横のカフェには1500円のプレートランチもあったので、レストランでなくともこちらで済ませることも可能です。
そうこうしている内に、まだ40分経っていませんでしたが、席が空いたらしくスマホに呼び出しがあったとのことで、買ったお土産等は私が車に運び、先に彼等は「弐の蔵」のレストランへ向かいました。
 70席という「くらすわの森」のレストランは、ランチコースの3000円前後のメインディッシュを選ぶと、「くらすわ野菜ビュッフェ」と「自家製パン」が付いています。
そこで皆でシェアすることにして、メインディッシュには「信州十四豚ロース やわらかローストポークステーキ」(3,200円)、「シラスと菜の花のオリーブオイルソースパスタレモンの香り」(2,900円)、「ピッツァ マルゲリータ」(2,800円)。そして、子供たちはKids(小学生以下対象)メニューから、「自分でトッピング キッズピザ(トッピングを体験できるミニサイズのピザセット))1,800円)と「野菜ビュッフェのみ」750円)をチョイスしました。
ポークソテーも柔らかで美味しかったのですが、個人的にこの中で一番良かったのは野菜ブッフェでした。何と言っても地場の新鮮な野菜が食べ放題。また選んだワサビドレッシングも美味。何度もおお替わりしてしまいました。またブッフェは野菜だけではなく、スープ(この日はカボチャのポタージュ)、出来立ての自家製モツァレラチーズやキノコのマリネ、また何種類かの自家製パンもあって、そのどれも美味しかったです。
個人的にはこちらのレストラン以外でも、ミートデリのホットドッグや、カフェのランチプレートも美味しそうでしたし、イートインスペースもしっかりあります。ただもしレストランで食事する場合は、先に予約してから買い物や森を散策した方が良いでしょう。
「くらすわの森」は高原リゾートの様な雰囲気なので、我々信州人はともかく、夏休みなどに森林浴を兼ねて都会から来られた家族連れにはおススメかもしれません。隣接する工場の見学も可能なので、平日であれば稼働している養命酒の製造ラインも見ることが出来ます。
 この日は残念ながら前日の降雪もあって、森の中の遊歩道の散策は出来ませんでしたが、都会育ちの孫たちは積もった雪が珍しいらしくて、キャッキャと歓声を上げながら雪を触ったり掴んで投げたりして喜んで遊んでいましたので、それはそれで良かったかもしれません。
でも、もし今度来る時は小鳥の鳴き声でも聴きながら、木漏れ日の中を森の遊歩道を散策して、「森のライブラリー」やテラスのカフェで少しノンビリ出来れば・・・と思います。

 長女がアメリカに帰国する前に、横浜の次女の所に一泊して姪っ子たちに挨拶して行くのに付き添って、奥さまも10日程そのまま定例の“家政婦”での家事手伝いに一緒に行って、終わってから家内の帰るのに合わせて、今度は次女と孫たちが家内と一緒に松本へやって来ました。
婿殿が勤める病院で二度とも出産したため、“里帰り出産”をしなかった次女は、昨年秋に(母の一周忌法要に合わせて)長期で初めて松本に子供と一緒に帰省して来て我が家に滞在し、その間、自分の家とは違って(家内が手伝いに行っている間も少なくとも婿殿の世話は自分でするので)、実家だと全てを親に任せて自分は「何もしなくて良い」快感に“味を占めた”のか、今回は短くて4日間程でしたが、婿殿の出張に合わせて、孫たちは親に任せて自身の育児疲れを癒しに(?)松本へ帰省して来ました。

 前回来た時に娘が事前にネットでチェックして行きたがっていた、“子供連れに優しい”松本のレストランが、前回はちょうどその時に改装中で長期休業していたため、今回の帰省中に“満を持して”事前に予約して、イオンモールでの買い物がてら、ランチに行ってみることにしました。
そのレストランはイオンモール松本の近く、日の出町に在る「ごはんカフェ 和み」という一軒家を改装したカフェレストランで、一階部分が店舗になっています。
ランチの後、イオンモールで買い物予定だったので(アンパンマンなどのキャラクターカートに乗るのが第一目的でしたが・・・)、先にイオンモールに車を停めてから、11時半の予約に合わせて道を挟んだ「和み」に向かいました。
この日は平日でしたが、春休みのためか子供さん連れなどが多く、屋根下の一階部分は既に満車。立駐も混んでいたので、結局屋上へ駐車しました。
先に歩いて11時半に予約したレストランへ向かいました。店舗は4人掛けテーブルが4卓とカウンター、キッズスペース、奥に個室が二部屋。改装前とレイアウトは殆ど同じ(様に思えます)。因みに、畳敷きだった小上がりフロアは改装後カーペット敷きにリニューアルされた由。そして予約の際に子どもの月齢を伝えると、その子に合わせて布団やチェアを用意してくれるのだそうです。
そしてこの個室とキッズスペースには木製のオモチャと絵本などが置かれていて、お母さんたちは子供たちがオモチャで遊んでいるのを見ながらゆっくりご飯が食べられます。
また年齢(月齢)ごとに分けてキッズメニューが数種類ずつ用意されているのもお母さん方にとっては有難いでしょうし、しかも大人向けもですが、素材なども地元産に拘り、体に優しい化学調味料は一切使わない料理が揃っています。そして、最初に運ばれて来たのが水ではなく白湯。そんなところにも気配りが感じられました。
我々は奥の個室を予約してあり、入ると置かれていたキッチンセットなどのオモチャに孫たちは大喜びで、早速夢中で遊びます。


 先ずはメニューを見て、子供たちの食べるモノから注文です。
キッズメニューは7ヶ月以上、9ヶ月以上、11ヶ月以上と細かく月齢で分けたキッズボウルメニューとパンケーキがあり、その中から娘はカボチャのポタージュ、昆布だしと大豆ミートのおうどん、芋もちボール、にんじんのパンケーキをオーダー。キッズメニューを先に運んでもらって、孫たちに先に食べて貰いました。子供たちがお腹が一杯になってまたオモチャで遊んでいる間に、今度は大人たちが食事です。
我々が選んだのは、娘はネギトロアボガド丼は早くも売り切れとのことで、和風タコライス丼(1180円)、家内がメイン3種の中から豆腐ハンバーグを選んでの十六雑穀米と3種のお惣菜プレートレート(1300円)、そして私メが山賊焼き定食(1180円)をチョイスしました。
正直、こちらはキッズメインの様な気がして、大人のメニューには然程期待していなかったのですが、それが「とんだ失礼!をば」・・・でした。
信州の地鶏福味鶏を使用したという山賊焼きは、地元の山賊焼き専門店に負けぬ程美味しかったですし、どのメニューにも新鮮な地元野菜が豊富に使われたサラダが添えられ、また今月のお惣菜という小鉢の人参ラペが実に爽やかで美味でした。山賊焼き含め、三人で少しずつ味見にシェアしましたが、どれも美味しくてコスパ的にも満足でした。

 以前ご紹介した山形村のそば処「木鶏」もそうですが、こちらのオーナーご夫妻も子育て中で小さなお子さんがおられる経験からなのでしょう。木製のオモチャや本だけではなく、そこかしこに小さな子供連れの若いお母さん方への、「安心してお子さんと一緒にゆっくり食べて行ってください」という暖かな配慮が感じられました。この日もそうでしたが、子供連れのお母さん方に大人気というのも大いに納得出来ました。
中には「小さな子供お断り」という店も結構多い中で、自分たちが今そういう環境であるからこそ感ずることではあるのですが、少子化対策を声高に叫ぶのなら、松本にもこういう子連れに優しい( 更にはペット向けも同様の環境なので、軽井沢の様な Dog Friendlyな)お店がもっともっと増えれば良いのに・・・とつくづく思いました。

 年末に松本市のH/Pにある「市長への手紙」コーナーへ私がメールさせていただいた、「源智の井戸」の清掃活動についての窮状を訴える投書。
それを市長がご自分で直接読まれ、「現状と課題を整理する様に」とご自身で呼ばれて指示されたのが、井戸本来の担当課ではなく、「地域づくり課」の課長さんと「源智の井戸」のある町会のエリアを担当する「第二地区 地域づくりセンター」のセンター長さんでした。
因みに、「地域づくり課」は松本市の地域づくりの推進と市内35ヶ所の各「地域づくりセンター」を総括する組織であり、その統括下で、各地域の課題の把握・集約・解決に向けた支援と地区関係団体の育成、支援、相談対応をする中で、市と地区関係団体等との連絡調整など各地域の実情に応じた具体的な活動を実際に行うのが、市内35ヶ所に設置されているという「地域づくりセンター」です。

 正月休み開け早々に課長さんから私に直接電話でご連絡を頂き、私と会って実際の状況を直接確認したいとのことでしたので、その数日後にちょうど井戸清掃が予定されていたことから、私にヒアリングされるよりも、ずっと活動をされて来た地元町会の方々に話を聞かれた方が良いのでその旨申し上げ、私が地元有志の方々とを仲介調整した結果、1月中旬の朝7時からの清掃活動を実際ご覧頂いて、その後、「源智の井戸」の在る地元町会の町会長さん、そして清掃活動に毎回参加されてきた86歳の代表者を始めとする地元有志4名の方々と、部外者ではあるのですがボランティアで参加している私も町会役員の方からの依頼もあって、清掃後の話し合いに一緒に同席参加させて頂くことになりました。
そして、その後も井戸の担当課の方々も含めて三回程会議を重ねた結果、市側と地元町会の皆さんとの間で以下の三つの内容が確認、合意されたのです。
 先ずは、市側の来年度予算が通りそうなので、4月以降は専門の業者に委託して月2回「源智の井戸」の清掃業務を実施する。
一方で、松本市も少子高齢化とドーナツ化現象で市の中心街の人口が減っており、人手の無くなってしまった地元町会は清掃活動から“卒業”し、その代わりに日頃の井戸の様子は地元に住んでいないと把握できないため、町会長はじめ地元の方々に出来るだけお願いして、気の付いたことを市の担当課へその都度連絡いただく。
また、月2回の清掃だけでは特に藻の繁殖し易い夏場はカバーしきれない可能性もあるため、清掃活動のボランティアを募集して、業者清掃と並行して4月以降も継続的に月一回定期的にボランティアに依る清掃活動を実施する。
 以上のことが、市、地元町会間で合意され、早速地域づくりセンターが中心となって、ボランティアの募集活動をスタートしました。
市のH/Pでの告知、「源智の井戸」周辺にも募集のチラシを貼って、二次元コードや電話でのボランティア参加の申し込みを開始した結果、責任を感じた地域づくりセンター傘下の各町会長連合会の有志の方々も含め、私の様な「源智の井戸」で水を汲みに来ている利用者など、合わせて20人近い申し込みがあり、私も参加しているこれまでの有志での3月に行う2回の清掃活動に、今回実際申し込まれたボランティアの皆さんにも実地見学と試しに清掃活動にも参加して貰って、引継ぎを兼ねて、今後の清掃活動への理解と参考にしていただきました。
そして、その様子は地元紙やタウンペーパーにもニュースとしても取り上げていただいたので、今後に向けて少なからぬPRにもなりました。
 30数年間も自主的に「源智の井戸」の清掃を続けて来られたという有志の会のお仲間が高齢化で次第に抜けて、遂に86歳の会長さんたった一人になってしまったのを見るに見かねて、去年の5月から手伝うようになった井戸のすぐ近くにお住いの高齢のご婦人。そして「高齢のお二人だけに任せてはおけない」と、有志で昨夏7月から参加された地元町会の役員のお二人。更に、その窮状を伝える地元紙の記事を9月に見て、長年タダで水を頂いてきた利用者としては居たたまれずに直ぐに市役所にメールしたのですが、その後3ヶ月も経って会長さんを紹介され、連絡を取って12月の清掃から加わった私メ。合わせて5名の「井戸と花の会」。
その清掃活動を通して、これまでの「源智の井戸」の維持管理に関する経緯経過について、朝7時から地元町会の有志の皆さんと一緒に掃除をしながら、色々とお話しを伺って一番驚いたのは、部外者の私などは「井戸は地元町会の宝の筈」と勝手に決めつけていたのですが、確かに“歴史ある文化財”としての存在自体は“町の誇り”かもしれませんが、井戸周辺の殆どのお宅にはそれぞれご自分の井戸があって、この「源智の井戸」の水は利用したことも無いし飲んだことも無い・・・という、10年来わざわざ車でドリップ用の水を隔週で汲みに来ている私にとっては、或る意味“衝撃的”な事実でした。
そこで、この「井戸と花の会」メンバーでの清掃活動が最後になる3月。その日の朝6時半に家を出る前に、「源智の井戸」の水で淹れたコーヒーを保温水筒に詰め、一緒に紙コップも持参して、掃除の後にこれまでの清掃活動の労いへの乾杯代わりに皆さんに飲んでいただきました。すると、口々に・・・、
 「へぇ~、初めて飲みましたけど、本当にコーヒー美味しい!」
 「そうでしょう?そうなんですヨ!」
皆さん「源智の井戸」の水で淹れたコーヒーの美味しさに、一様に驚かれていました。
そんな「源智の井戸」の水を“使いもしないし、飲んだことすら無い”という地元の方々が、井戸自体の清掃だけでなく、時に観光客などが水を汲んで飲んだペットボトルや食べたゴミなどを捨てて行くのを片付けるなど、井戸の周りもキレイにして、ずっとこの井戸を守って来られたのです。
しかも、この「源智の井戸」だけが「まつもと城下町湧水群」の中で唯一の硬水なのですが、筑摩山系から流れ出る幾つもの河川により形成された複合扇状地である松本盆地で、この辺りに自噴して来る湧水は地下に様々な水脈があるらしく、湧水群や各家庭の井戸のどれ一つとっても水質や味が異なるのだとか。
松本市内で地下水や温泉開発を手掛ける地元企業「サクセン」という会社のH/Pに依ると、
『昭和63年、サクセンにて(松本市からの委託を受けて)この井戸の復元工事に携わり、古くから名水として利用されてきたその理由には周辺とは違う水質にあることがわかりました。源智の井戸の湧出量は毎分約200リットル、水温はサクセン計測実績から平均15.5度の自噴井戸です。水質硬度は113mg/Lです。(硬度=水質を表すひとつの指標で、水に含まれているカルシウムとマグネシウムの総量のこと)源智の井戸の水は軟水の多い日本では珍しく、硬水系の天然水と言えます。』
(注記:市の保健所に委託し、毎年調査して開示されているデータとは数値は異なります)
会長さんなど地元の長老さん方のお話に依ると、一度井戸が枯れてしまい、市指定の文化財だったこともあって、市に陳情して昭和63年(1988年)に井戸の採掘作業をして貰い、従来よりもかなり深く、地下50mまで掘り下げたのが現在の「源智の井戸」なのだそうです。
同じエリアであっても掘る場所によっても水脈は異なるでしょうし、深さによっても当たる水脈も異なる筈。ですので、「源智の井戸」のすぐ隣の瑞松寺や道路を挟んだ眼科医院にも井戸があって水を汲むことが出来るそうですが、そんなに近くても「源智の井戸」とはまた味が違うのだそうです。
 複合扇状地に位置する松本市には、「源智の井戸」を始めとする平成の名水百選に選ばれた「まつもと城下町湧水群」の湧水や井戸が20数か所あるのですが、その全てが市中の狭いエリアに集中しているため、市から維持管理を委ねられている地元町会(注記:例えば湧水群の中には、「源智の井戸」の様な戦国時代からの古い井戸や湧水ばかりではなく、中心市街地再開発に伴い、地元町会が維持管理することを条件に平成の「水めぐりの井戸整備事業」で市が採掘した西堀公園内の「西堀の井戸」などもあります)は、少子高齢化の中で、遅かれ早かれ「源智の井戸」と同じ状況に陥ることは必定だと思うのです。
               (西堀公園の「西堀の井戸」)
その時に「源智の井戸」だけを市が清掃業者に業務委託するということは、今は可能であっても、将来的に20数か所全てを業務委託で対応することは予算的にも市政として無理であり、少子化とそれに伴う人口減少を前提にそうした将来展望をふまえると、もし予算化が無理なら“金を出さずに知恵を出す”ことで、地元の方々も含めて利用者など市民に依るボランティアでの清掃活動を水平展開していくことが必ず必要となる筈なのです。
そのためにも、市側は今回の「源智の井戸」の清掃ボランティアの募集や運営をモデルケースとして、例えば掃除用具の購入一つとっても、湧水群の維持管理に関して今後発生するであろう大小様々な課題や問題に対処していくことが、ひいては松本市の観光資源でもある「まつもと城下町湧水群」を、本当の“市民の宝”として市民自らの手で守っていくことに繋がることと確信しています。
勿論、一朝一夕で達成出来る訳では無く時間が掛かるでしょうけれど、そうなるためにも、10年来、そして今後も隔週で美味しい「源智の井戸」の水を我が家のドリップ用に戴いている利用者の一人として、少なくとも体が動ける間は私自身もボランティアの一員として今後も引き続き「源智の井戸」の清掃活動に参加させていただくことにしました。

 そして、この4月5日。今回の募集で集まったボランティアに依る、第一回目の「源智の井戸」清掃が行われたのです。朝7時に10数人集まっていただき、手分けして清掃作業を進めます。中には防災備品として災害用に購入したというポンプを台車に載せて運んで来てくださった第二地区の役員の方がおられ、ジョレンやブラシで擦って浮かせた藻を金網ですくうのと並行して、藻の混ざった汚れた湧水を一気に汲み出し、湧き出て来る新鮮な湧水に入れ替えたのですが、“三人寄れば文殊の知恵”ではありませんが、人数が多ければ色々なイデアが出るものだと感心しました。また、これまでは有志5人での清掃活動でしたが、10数人もいれば今までは手が回らなかった井戸周辺の水路までデッキブラシで擦って掃除することが出来たので、見違え得る様にキレイになりました。
今回のボランティアは「先ずはやってみよう!」で、多少“走りながら考える”的なスタートではあったのですが、そこは“巧遅は拙速に如かず”で、考えることも重要ですが先ずは“Do=行動すること”の大切さを改めて感じた次第です。
市の担当課の方に依ると、業者の選定も決まり、エクステリア専門業者が4月から月二回清掃に入ることが決まったとのこと。従って、我々ボランティアと合わせて概ね10日毎に計月3回の井戸清掃が行われることになりました。
 今回、地元紙の報じた記事をきっかけに、地元町会の有志の方々と知り合う中で、例えば備品の掃除用具のたった一つの購入でさえ、これまで市の担当課との折衝に長年苦労されて来られたが故に、今後の市側の対応についても地元の皆さんは「何を言ってもダメせ・・・」と非常に懐疑的でした。
しかし、そうした苦労を直接知らぬが故に、「どうせ“ダメ元”でも・・・」と私の投じた市長への一通の投書メールだったのですが、結果として“瓢箪から駒”で、それが一つの小さな切っ掛けとなって、松本市民の宝でもある「源智の井戸」が市民自らの手に依って今後の維持管理に繋がっていくのであれば、たまたまその一石を投じた人間としてこんなに嬉しいことはありません。
そして願わくば、10年後、20年後、私たちが動けなくなっても、次世代の人たちにこの「源智の井戸」の清掃ボランティア活動がしっかりと引き継がれていかれんことを・・・。

 戸建てに住んでいた時に、自分で張って作庭した15坪の芝生ガーデンを含め、奥さまと二人で丹精込めて世話して来た“庭”の中で、特に奥さまが一生懸命丹精込めて毎年世話をしたのが、零れ種で60株にまで増えたクリスマスローズでした。

我が家のアパートの敷地内の道路脇に亡き父が物置を設置して町会に寄贈した、我が家も含め町会内の10軒用のゴミステーションが在ったので、ご近所の皆さんがゴミを捨てに来る度に我が家の前を通るのですが、早春に満開を迎える“雑木林風ガーデン”の樹下に咲く色とりどりのクリスマスローズの群落を愛でられていた様で、時々お会いすると口々に我が家のクリスマスローズの見事さ褒めてくださったものでした(余談ながら、触発されてご自宅の庭にもクリスマスローズを植えられた方が数人おられた程でした)。
 4年前にマンションへ引っ越した際、さすがに丹精込めて世話して来た“庭”を持って来ることは出来ないので、せめてもと鉢に移植して持ってきたのがそのクリスマスローズでした(第1719話)。
色や花弁も一重八重と色々種類があった中で、黒と赤紫で一鉢、そして原種に近い白い品種の一鉢。それぞれ一鉢に5~6株ずつ移植して持って来てマンションのベランダに置いて、また家内が一生懸命世話をしています。その年は、僅かばかりでしたが頑張ってそれぞれ花を咲かせてくれました。

 それから3年目の今年は、白い花の鉢の方がたくさんの花芽が出て来て、最初に開花したのが3月2日でした。黒と赤紫の花は、移植後かなりの株が枯れてしまいました。昨年位になって漸く新しい芽が出て来たので、昨年よりも葉は茂って来たのですが、花芽は今年一つだけ。その蕾は少し遅れて3月16日に漸く開花したのですが、どうやら花が咲くのは今年はこの一株だけでしょうか。白い花の方は鉢から溢れんばかりに茂ってたくさんの花芽も付け、次々に花が開き3月下旬のお彼岸には満開になりました。
 三寒四温を繰り返して3月になって二度程“上雪(かみゆき)”が降った松本も、“暑さ寒さも・・・”の例え通りお彼岸を過ぎて漸く暖かくなり、4月1日には松本城のお堀の桜も開花。この週末には満開になりました。
クリスマスローズは、当初花芽が一つだけだった黒紫の花の鉢は、小さいですがその後3つ花芽が出てきました。片やたくさん咲いた白い花の方は、花弁が緑色に変化して来ました。但しこれは、花びらの様に見えているのは実は「萼」(がく)で、実際には花弁ではなく「萼弁」なのだそうです。本当の花はおしべ周りにある小さな突起の様な部分。この部分から蜜が出て、蜜線(ネクタリー)と呼ぶのだそうです。
花弁の様に見えた「萼」(がく)は、花の時期が終わって葉と同じ緑色に変化したのだとか。蜂や蝶の眼について、呼び寄せる役目が終わったということなのでしょうか。小さな花も、こうして良く見てみるとなかなか面白いですね。

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