カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 8月12日。この日の天気予報は曇り時々雨。
昨年4月に再開園した「チロルの森」。昨年も夏に孫たちを連れて行っているのですが、更に施設も充実したとの報道もあり、なかなか田舎の信州では子供たちを連れて行ける施設が少ない(例えば動物園や水族館は、松本エリアにはありません)ので、今年も孫たちを連れて行ってみることにしました。
生憎この日の天気予報は「曇り時々雨」。しかし、松本は降っていなかったので向かったのですが、「チロルの森」のある場所は分水嶺の塩尻峠の下で、塩尻の市街地から見ても結構山の方で標高1000mとか。ですので結構天候も変わり易いかもしれません、
平日の水曜日とはいえ(通常火水は休園日ですが、お盆前で開園していました)、お盆直前で夏休み。開園時間の10時直前に着いたのですが、10台程しかいなかった前回よりは多く、でも広い駐車場に20台程でしたでしょうか(帰る頃にはもっと増えてはいましたが)。

 今回もチロルの森のH/P等から拝借すると、
『「信州塩尻農業公園チロルの森」は、ワールドインテックが運営する、欧州オーストリア・チロル地方をモチーフとした、標高1,000mにある総合テーマパークです。
ヨーロッパの牧歌的な景観や農業体験などを楽しむことが出来、主な特徴はラベンダー畑や牧舎があって、乗馬や動物とのふれあいなど自然に溶け込んだ施設となっています。
また、本場の製造を元に作った自家製のビールや濃厚なアイスクリーム、ジューシーなソーセージが楽しめます。また、石窯で焼いた本格的なピザやパン。豊富なメニューのレストラン、体験教室など、「見て・触れて・食べて」五感で楽しめる施設です。
しかし来場者の減少と新型コロナウイルス感染症の影響で2020年11月29日に一度閉園しましたが、2025年4月26日に再開園しました。』
入園料は、大人1000円で4歳以上の子どもが500円。
 開園と同時に入園して、先ずは丘の上にある「ふれあいまきば丘エリア」と名付けられた動物と触れ合える牧舎を目指します。
前回は馬とポニーが傾斜地の放牧場を駆け回っていましたが、今回は降った雨でぬかるんでいるためか牧舎の中。放し飼いアルパカが牧舎の前で遊んでいましたが、人懐っこいとはいえ、気に入らないと唾を吐きかけるそうですので注意が必要です。

何匹かいるヤギたちに買った干し草のエサをあげたり、(生まれて数ヶ月の子ヤギ二匹の子ヤギは母親からの授乳中でまだ母乳以外は食べられません)、モルモットの小屋で触ったり、別の建物のジャンボウサギハウスに行って、室内でウサギたちとやはりエサの人参を買って触れ合ったりしました。
因みに、このジャンボウサギは「中仙ジャンボウサギ」という種類で、明治時代に農家の食生活改善などを目的に持ち込まれたウサギが、秋田県の大仙市中仙地区で独自の大型種へと改良され飼育・改良されてきた、体重10kgを超えることもある非常に大きな日本独自の白うさぎで、とても大人しいのが特徴だそうです。子供たちもとても喜んで人参をあげたり撫でたりして遊んでいました。
 「チロルの森」での孫たちの一番のお目当ては、何と言ってもシルバニアファミリーです。昨年来た時も楽しそうに、ハウスや乗り物のバスなど気に入ったモノを各自選んで、ママ&ババと一緒にそれぞれ思い思いにキャラクターを飾って遊んでいました。そのため、今回も新しくなった「シルバニアファミリーあそびのお部屋」で長い時間遊んでいたのですが、昨年は遊ぶ人間だけ料金を払えば、見ているだけの人間も入れたのですが、今年は入るだけでも料金が掛かるとのことで、私はその間部屋の外のベランダで一人待っていました。
ちょうどこの頃雨が降って来て、屋根下なので室内で遊ぶ分には濡れずに済んだのですが、問題は寒いのナンの・・・。多分20℃前後だったのではないでしょうか。
家内曰く、「半袖、短パンの人なんて誰もいないわよ!」(イエ、待っている間に一人見ました・・・)。
その後、彼らは「宝石探し体験館」に移動。こちらは、用意された大きな箱の中に一杯入った赤や黄色、緑といった天然石の小石の中から自分の気に入った石を集め、小さな透明なプラスチックの容器に入れて持ち帰ることが出来ます。ここでも楽しそうに遊んでいました。
 さて、それから昼食です。
昨年はあまり食指が動かず、松本まで戻ってカフェレストランに行ったのですが、今回はまだ雨が降っていたこともあり、園内の「街のレストラン」で食べることにしました。正直、あまり期待しないで入ったのですが、大変失礼ながらこれが予想外(スイマセン!)に良かったのです。
値段はそれなりながら、メニューの中心はワンプレートにチキン南蛮やハーブチキン、鶏唐揚げが主菜で、そこに十穀米とたくさんの野菜サラダが盛られているのですが、この野菜が山盛りでプレートの半分以上を占めています。
塩尻や朝日村など、この周辺はレタスを中心に洋野菜の栽培が盛ん。ですので、当然とはいえ朝採れなのか、この旬の野菜が本当に新鮮でシャキシャキで美味しいのです(ドレッシングは数種類から選択)。
因みに、娘はチキン南蛮、私たちはハーブチキン、子供たちは子供プレートをチョイスしました。    (メニューの写真はH/P等から拝借しました)
 雨降りで寒かった天候以外は孫たちもとても喜んでくれた、二度目の「チロルの森」でした。
帰る時には駐車場には来た時の倍くらいの車が停まっていましたが、これだけの施設なら県外からの避暑(この日は寒すぎましたが)を兼ねて、もっと多くの観光客が来てくれる様にPRした方が良いと今回も感じた次第です。

 次女が信州での避暑?と、実家での“何もしない天国の様な生活”を求めて、上の子の幼稚園が夏休みになってからの8月5日、孫たちを連れて松本へ帰省して来ました。今回は、最後婿殿も18日に夏休みを取って合流し、21日までの17日間という長丁場です。
婿殿が八王子まで送って来て、娘一人では大変なので八王子駅まで迎えに行ったバァバと交代し、松本まであずさでやって来ました。駅の改札で待っていると、早速“松本のジィジ”を見つけて、駆け寄って来て駐車場まで私と手を繋いでくれて歩いて行きました。家内から“良かったね!”と云われましたが、“もの珍しさ”で最初だけと分かっていても、“ジィジ冥利”に尽きるというものです。
 マンションに着いて、早速置いて行ったおもちゃを取り出し、リビングの一角に広げて遊びます。コユキはあまり気にしませんが、臆病でビビリなクルミは触られるのを極端に嫌がり、孫たちから逃げ回ります。3歳になったばかりの下の子は、それが遊んでくれていると思うのか、却って面白がって追いかけるのでクルミは部屋の隅に行ったり、最後はソファ―の下に潜り込んで緊急避難してしまいました。

 横浜の戸建ての家とは違い、いくら4LDK とはいえマンションは狭いので、走り回ることも出来ませんし、割と小さなお子さんも多いとはいえ、ドタバタ走ったり騒いだりすると、集合住宅の場合は階下やお隣のお宅の迷惑にもなりかねないのでこちらとしては気を使わざるを得ず、ずっと家の中ばかりにはいられませんし、むしろ子供たちも飽きてしまいます。
そこで、孫たちの松本滞在の17日間「今日はどこへ行こう?」が毎日の大命題となりました。
まだ天気の日は、歩いてすぐのところの公民館の広場に滑り台やブランコといった遊具があったり、また上高地線の線路があるので、小さい子が大好きな電車が通ったりしますし、アルプス公園を始め松本市内には子供向けの遊具が充実している公園も幾つかあるので連れて行ったり出来るのですが、雨が降ったりすると、キッズランドや動物園や水族館、テーマパークなどと室内でも子供たちが遊べる施設が充実している都会と比べると、松本の様な田舎はどうしても見劣りしてしまいます。せいぜいイオンモールに行ってキャラクターカートに乗る位・・・。田舎の自然環境だけで17日間子供たちは過ごせません。
さらに、その17日間の食事も大問題です。孫たちの好きなモノを買ってきたり、(家内と娘が)作ったりするのは勿論としても、毎日は大変です。
そこで勢い、「どこかに食べに行こう!」婿殿が来れば、信州らしいものをと彼の大好きなお蕎麦を始め、信州らしい馬刺しやイワナといった川魚などの郷土料理(都会の人が来られたら、信州で洋食やましてや中華という訳には行きません)を食べさせてあげたいとなります。婿殿は気を使ってくれて、以前途中私が席を外していた間に確保していた伝票を取って、私の知らない内に支払いを済ませてしまってくれたこともありました。そのため時には伝票をお互い奪い合ってお店の方に笑われることさえあって、義理の親である我々としては大変ありがたいとですが、しかしそうかといって迎える側としては「じゃあ、悪いね」と甘える訳にはいきません。
そこで、孫たちや婿殿の滞在に向けて、その間のもてなしのための“資金作り”で、年金生活者としては結構大変なのですが、前月から出来るだけ節制し節約をして資金を貯めてきました。
 田舎のジジババにとっては、良く“孫は来てよし帰ってよし”と良く言われますが、これはいくら孫が可愛くても長居されると大変で迷惑だからというのではなく、むしろ気力体力(それから年金生活者にとってはサイフという意味での資金力も)が続かないのが一番の理由だと、当事者として断言出来ます。
そしてそれは決してジジババだけではありません。我が家ではワンコのクルミも同じ・・・。
コユキは割と“我関せず”のタイプなので、撫でられてもあまり気にせずに静かに寝ているのですが、臆病でビビリのクルミはそうはいきません。孫たちのいる間は、常に孫がどこにいるかを観察していて、もし近付こうものならすぐに部屋の片隅や椅子の下などに隠れてしまいます。特に下の孫は逃げるクルミが遊んでくれていると思うのか、喜んで追いかけるので尚更です。
 こうして、17日間に亘るジジババの“気力体力の限界への挑戦”と、クルミのチビッ子怪獣から逃亡しての“すみっこぐらし”が始まりました。

 春と秋のお彼岸とお盆。子供の頃から、祖父母や父母、妹と家族総出で、田んぼやリンゴ園に囲まれた集落の外れの高台にある、同姓ばかりの我が家のお墓にお参りするのが毎年の恒例でした。
春はともかく、夏のお盆と秋のお彼岸は日を決めて、そのお墓の同姓の家同士で集まって草刈りや墓掃除をしていましたが、専業農家ではなく皆兼業で週末農家の私たちの世代になってからは、毎年同じ日付の決まった日に集まるのが平日になると難しいので、やがてそれぞれが個別に自分の家のお墓やその周囲の草刈りと掃除をするようになりました。
  (お墓のある高台から、松本の市街地越しに鉢伏山と美ヶ原方面を望む)

 今年のお盆前の8月8日。信州とはいえ松本もご多分に漏れず35℃近い様な猛暑の日々ですので、朝早く出掛けて2坪位の我が家のお墓の敷地やその周囲のお墓も含めて、刈払い機で草刈りをしました。
リンゴ園の草刈りをすることも無くなった今は、このお墓の草刈りが唯一刈払い機が活躍する場になりました。
会社勤めの頃は、例えばGWとかお盆休みといった長期休暇に、数日掛けて刈払い機等でリンゴ園や田んぼの畦の草刈りをしていたことを思うと、我が家だけでなく周りの本家や新宅など、近しい同姓のお墓の敷地や墓地の入口の通路など含めて草刈りをしたとしても、せいぜい5~6坪足らずですので、5~6坪の草刈りなど、リンゴ園のことを思えばあっという間に草刈り終了です。
(集落の同姓のお墓には、おそらく江戸時代よりも古く、集落に居を構えた同姓一族の中で、「塞ノ神」という屋号の本家が一番の旧家で、江戸時代に分家した新宅に当たる我が家が二番目に古いことになり、更に我が家から分家した“新宅”もあるのですが、その本家が10基以上、我が家が7基と、この2軒だけは昔の石塔が他の家のお墓に比べて今も多く残っています)
 以前、なかなか刈払い機が始動せず、稼働までに時間が掛かったこともありましたが、リンゴ園での草刈りがなくなり、使用頻度と稼働時間が少なくなったことがその原因だとばかり思っていたのですが、決してそうではなくて、以前JAの機械センターに修理をお願いした時に、混合ガソリンを入れっぱなしにしておくと燃料が古くなって始動しにくくなると教えて貰ってからは、昔のリンゴ園の時の様に燃料タンクを一杯にせずに少しずつ燃料を注入して、使用した後に出来るだけ燃料をタンクに残さないようにしたところ、次に使用するのが時間が空いた後でも、僅か数回でエンジンが掛かるようになりました。
草刈りそのものは、せいぜい30分足らずで終了です。その後刈った草を片付け、お墓の植え込みの中の雑草を抜き石塔や前回備えた花立の枯れた花を片付けて、無事お墓掃除が終了しました。これで今年も無事にお盆が迎えられます。
 そして迎えた8月13日の“迎え盆”。
今年は次女が孫たちを連れて5日から松本に来てくれていたので、午前中に全員で車でお墓にご先祖様をお迎えに行くことが出来ました。
戸建ての頃と違って狭いマンションですので、仏壇を置いてある物置兼ミニ書斎に、ご先祖様をお迎えするために13日の朝お盆の“お棚”を作って、例年同様に仏壇のご位牌を全て引っ越し、菩提寺から戴いて来てある“お施餓鬼”等とお盆用のお供えと、仏花やキュウリとナスで作ったご先祖様の送迎用の馬と牛などを並べてあります。 (お棚の写真等は以前の物です)
先ずはお墓でお線香をあげてご先祖様にお迎えのご挨拶をして、信州の迎え盆の特徴であるカンバを焚いて家にお連れし(昔は祖母に教えられた通りに、手を背中にちゃんと組んでご先祖様を負ぶって家まで歩いてお連れしたものですが、今は車でご先祖様も一緒に)、玄関先でまた迎え火のカンバを焚いてから(マンション故、ちょっと火を点けるだけの真似事ですが)お棚にお連れして、皆でお参りをして迎え盆の終了です。
因みに、今のマンションの在る地区の菩提寺の檀家回りは、ちょうどこのお盆の13日です(引っ越す前の集落では秋のお彼岸でした)。ですので、順番で我が家には午後一番でご住職がやって来られ、先祖供養のお経をあげてくださるので、昼までにはご先祖様をお迎えをしておく必要があるのです。
 そしてお盆の間、孫たちも教えられた通りに「ナムナム・・・」と毎日お参りをしてくれての16日の送り盆は、同様に玄関先とお墓で送り火のカンバを焚き、お棚に飾ってあったお供えと仏花をお墓に供えて、お線香をあげてお参りをして、最後にお供えの御供のお菓子を皆で湧けて頂いて食べ、今年のお盆が終了しました。    (下の写真は以前の秋のお彼岸の時の様子です)
ただ、今では帰省してお盆に帰るという家もあることから、迎え盆と送り盆を分けずに、我が家のお墓の様な田舎の農村エリアでさえお墓へのお参りは13日の一度で済ますというお宅も見られる様になりましたが、我が家では我々が出来る内は、迎え盆と送り盆をそれぞれ昔通りにやっていきたいと思っています。
今年は、孫たちも一緒だったことから、賑やかなお盆になりました。亡き両親や祖父母も含め、ご先祖様もきっと喜んでくださったことでしょう・・・。    合掌

 今年3月の「源智の井戸」の清掃ボランティアの年次総会に、メンバーの第二地区の役員の長老の方の「小学校の夏休みに、地区の子供たちに井戸の清掃体験をさせてみたらどうか・・・」という声掛けで、第二地区の子ども育成会の会長さんがオブザーバー参加され、その後育成会の役員の皆さん等で検討をされてきた結果、この夏休み期間中の8月の8日と22日、小学生の子供たちを対象に「源智の井戸の清掃体験と勉強会」が実施されました。

 第2099話でご紹介した通り、源智の井戸に関わることになって以降、松本市の上下水道局の視察に参加させていただいたり、ご案内いただいて松本の湧水に関する講演会を聴講したり、また自身でネット検索等で調べた内容なり、これまでに色々得る事が出来た様々な情報がありましたので、それを子供たちの勉強会のテキストに高学年用と低学年用それぞれに纏めることが出来ました。
その陰には、地元町会のメンバーの方が調べて教えたくださった町会と井戸との30年の関りの歴史と情報や、またメンバーの方が業務用に契約されているChatGPT を使って、私の纏めた元原稿をAIに聞いて子供たち向けに項目建ての構成案を作って頂いたり、また最後に出来上がった原稿を事務局がお願いして地元小学校の教頭先生に子供向けに使うために校正いただいたりと、周りの方々の協力もありました。
 当日は、初回が小学校のお子さんが6人、二回目が3人と参加者は多くは無かったのですが、皆さん親御さんと一緒に、中には第二地区外の地区や東京からも、親御さんのご実家である地区内のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんの家に遊びに来ていて、そのお祖父ちゃんやお祖母ちゃんと一緒に参加してくれたお子さんもおられました。
清掃ボランティアがやっている井戸掃除を体験して貰いましたが、スダレ効果や清掃直後だったりしたためにあまり汚れていなかったので、むしろ水路の方が藻が発生していて汚れているからと、そちらに移動して、しかもデッキブラシではなく「こっちの方が良く落ちるから」と金属のタワシを使って一所懸命掃除をしてくれるお子さんもおられ、またサンダル履きだったので「この方がやり易いから」と、水路の中に入ってじゃぶじゃぶと歩きながらデッキブラシで藻を落とす男の子もいて、(子供だから)“まねごとで良いだろう”と思っていたこちらが、むしろ教えられまた反省をさせられました。
 清掃体験の後は近くの公民館に移動して、高学年と低学年の2グループに分かれ、清掃ボランティアのメンバーでもある市の職員の方が先生役を引き受けてくださり、グループ毎にそれぞれ用意した先述のテキストを使って、傍で見ていたこちらも感心する程に子供向けに上手に説明をされて、子供たちに松本の水と源智の井戸を含む湧水のことを勉強してもらい、最後に水道水と湧水の水を4種類飲み比べて、自分たちが掃除した源智の井戸の水を当てて貰う“利き水”も体験して貰いました。
 終わってから、「今日、サッカーの大会で来られなかったお兄ちゃんにも見せてあげるから」とテキストを大事そうに持ち帰ってくれるお子さんや、「面白かった。また来年も来たい!」と言ってくれるお子さんもいて、少しは実施した成果があったかとホッとしました。
正直、私自身は定年後にたまたま井戸に関わることになって、初めて自分の生まれ育った松本の“水”について知ったことも多かったのですが、自分の暮らす松本の街の良さや、その恵まれた環境のことを子供の頃に知っていれば、また大人になっての印象や行動が、例えその時に松本には居なくても変わって来るかもしれません。
小学生の子供さんたちの真剣さと素直さを傍で見てそうしたことを感じながら、この清掃体験と勉強会がそんな小さな一助になれば、今回実施した甲斐があるとつくづく感じた次第です。

 前話でご紹介した、メリタにコーヒーメーカーのステンレスポットの修理依頼をしていた期間中の、我が家での朝のコーヒーの話題です。
そこはやはりインスタントではなく、ちゃんとしたドリップコーヒーが飲みたい。かといって市販のドリップバッグタイプは、旅行中ならともかく自宅で飲もうという気には今一つなりません。
ということで戸棚の奥から取り出したのは、奥さまが2年前にNYの長女の所に行った際に、お土産にとNYで購入して来てくれた「CHEMEX」のコーヒーメーカー(6 Cupタイプ)です。何でも、長女が連れて行ってくれたニューヨーク近代美術館(MoMA)にも、このコーヒーメーカーは“作品”として展示されていたのだとか。
 “ CHEMEX ”と云われても、余程の珈琲通しか分からないでしょうから、H/P等から引用させていただくと・・・、
『ケメックスのコーヒーメーカーは、1940年ドイツ生まれのアメリカの化学者ピーター・シュラムボーム博士によって考案されました。 シュラムボーム博士はベルリンで物理化学の博士号を取得した化学者で、三角フラスコと漏斗を合体させたようなデザインは、以前から実験室に転がっているフラスコをコーヒーメーカーの代用として日常的に使用していたことにヒントを得て制作された、まさに実験室から生まれたコーヒーメーカーです。
博士は化学者として持っていた知識を総動員させ、実験室にあったガラスの漏斗やフラスコを丹念に調べ上げ、そこに「注ぎ口」や「空気の通り道」を付け加えていきました。こうして修正したガラスの漏斗やフラスコを融合させ、一体型のガラスとし、そこに木の持ち手を加え、これを「CHEMEX」と名付けました。1941年のことでした。』
『ケメックスコーヒーメーカーは機能面だけではなくデザインの分野からも認められ、MoMAの愛称で有名なニューヨーク近代美術館(MoMA)やブルックリン美術館などのパーマネントコレクション(永久展示品)にも認定されています。』
 説明にもある通り、パッと見ての第一印象は、確かに学校の時に理科の実験で使った懐かしいフラスコそのもの・・・と言って良いでしょう。しかもデザインも機能的で確かに美しい・・・。
お土産に貰っていたものの(家内は同じものをコーヒー好きの次女の婿殿にもお土産に買って来て、以来婿殿は毎朝そのCHEMEXでドリップして楽しんでいるとか)、個人的にはハンドドリップは冷めてしまうのと、正直少々面倒臭いのも手伝って、コーヒー豆を挽くのは拘りの手動のミルなのですが、ドリップはメリタのコーヒーメーカーを愛用。片や婿殿は渡米に際し置いて行った長女の使っていたハリオのミルもあげたのですが、その手動のミルではなく挽いた豆を購入しているとか。
しかし今回の緊急事態で、メリタのポットが戻って来るまで、初めてCHEMEXのコーヒーメーカーを使ってハンドドリップでコーヒーを淹れることにしました。

 CHEMEXはコーヒーメーカーだけでなく、ペーパーフィルターも特殊なのです。コーヒーメーカーと一緒に100枚入りのCHEMEXの純正品フィルター(6 Cupタイプ)も奥さまはちゃんと買って来てくれてあります。その特殊なフィルターは、解説に拠れば、
『通常のペーパーフィルターより20〜30%ほど厚手で作られています。雑味や渋みの原因となる余分な酸味や脂肪分をしっかり取り除き、コーヒー本来のクリアで旨味のある味わいを引き出すのが特徴』。
しかも、正方形の紙を二度(開くと “田の字”になる様に)予め折りたたんであり、元の1/4の大きさの正方形の3枚折になっている部分を注ぎ口側にするようにフィルターを開いてセットします。因みに、コーヒーメーカーにはコーヒーを注ぎ易い様に溝が切ってあり、そちらが注ぎ口です。
いつも使っているコーヒーフィルターはカリタの台形。それに対して、CHEMEXのフィルターはハリオと同じ円錐形で、その効果としてはドリップしたコーヒーは一箇所に均一に落ちることになり濃さのムラが起こらないので、全体的にバランスの良い味わいに仕上がりになるとされていますが、CHEMEXの場合は3枚折になっている部分もあって、更に厚みのあるフィルターを使うことで雑味がしっかりと濾過されるため、味もよりすっきりと仕上がり、また油分などもフィルターにかけられるので重さのないさっぱりとした味わいになるとのこと。
 ハンドドリップの際は、先に一旦お湯を注いでフィルターを十分に濡らし、CHEMEXを温めて、注ぎ口からそのお湯を捨てます。その上で挽いたコーヒー豆をフィルターに入れて、先ずは蒸らすためにお湯を注ぎます。
その際は、一人用の小さなタイプですが注ぎ口が細長いドリップケトルも長女が置いて行ってくれてあるので、それだと容量的には300㏄のため、毎朝4杯分のコーヒーをメリタのコーヒーメーカー同様に淹れるために、ケトルでは2回に分けて4杯分600㏄のお湯を注いで抽出しました。
 今回、2年前に貰ったCHEMEXを使ってみての感想。
確かにいつものメリタ―のコーヒーメーカーと比べると、雑味が少ない気がします。家内は雑味が無く美味しいと高評価。
でもハンドドリップで淹れる側からすると、些か面倒臭い。確かにお湯を注ぎ、コーヒー豆がドーム型に盛り上がって来るのを見ているのは面白いのですが、一人分のコーヒーを楽しむならともかく、一度に4杯分を毎朝淹れている側からすると、しかも豆はその場で手動のコーヒーミルでじっくりゆっくり挽くのを楽しんでいるので、更にそこへお湯を注ぐ時間まで楽しむというのは、正直少々面倒臭い気が(私は)しました。どちらを取るかと聞かれれば、私はやはり手動のコーヒーミルでじっくりと豆を挽きたい。
CHEMEXが美味しいのは確かですし、それにデザインも確かに美しい。
しかしながら、“すがすがしい朝”にコーヒーを優雅に飲むのというのには些か無粋な言い方にはなってしまいますが、毎朝のコーヒーフィルターが1枚100円近い金額と言うのは、リタイアした年金生活者としては二の足を踏んでしまいます。それに、メリタだって個人的には十分に美味しく感じます。
 ・・・ということで、我が家では3日間はCHEMEXを使いましたが、交換いただいてメリタの新品のステンレスポットが返送されて来た4日後からは、また元のメリタのコーヒーメーカーに戻った次第です。
そうは言ってもせっかくCHEMEXがあるので“宝の持ち腐れ”にならぬ様に、二人共コーヒー好きでしかもシングルオリジンの豆を愛用している、長女がNYから帰国したり、また横浜から次女の婿殿が来てくれたりした時(但し、朝、孫たちがまだ静かに寝ていてくれたらですが)くらいは、戸棚の奥からまたCHEMEXのコーヒーメーカーを取り出して、チョッピリ優雅にハンドドリップを楽しみたいと思っています。

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