カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 (以降、前話のあめ市からの三連チャンでまいります)
 買い物ついでにあめ市まで足を延ばし、更にその足で一人だけ新年会の準備で来れなかった四柱神社への遅れ馳せながらの初詣、とあちこち歩き回ってお疲れの奥様曰く「(駅の)スタバで休みたい!」との仰せ。「何を仰る亀さん!せっかくここまで来たんだったら・・・」と、ホント久し振りに喫茶『まるも』へ(正直、苦いだけのシアトル系は余り好みではありませんし、ラテは全く興味無し)。

 午後4時過ぎでしたが、6割方席が埋まっています。どうやら、皆さんガイドブックや地図を広げられて、この三連休で松本に観光に来られた方が多いようです。地元の常連さん?がお一人、カウンターで静かに新聞を読まれていましたが、昔のように、参考書を広げてという学生はどうやら居ないようです。そう言えば、娘もドトールやガストへ行っていましたっけ(コーヒー一杯で長時間居座って、どうもすいませんでした。娘に成り代わりまして・・・)。

 今まで気にしていませんでしたが、確認すると喫茶は昭和31年開業。「そうか、同い年なんだ!」と感慨深いものがありました(てっきり、翁堂のように旧制松高生がたむろしてニーチェやデカンショを議論したのだろうとずっと思っていましたが、“意外と”新しくて逆にびっくりです)

 因みに、旅館の方は慶應4年(1868年。大政奉還が慶應3年で、1868年の9月から年号が明治に変わるまさに直前)の創業と言いますから140年。但し、今の建物は明治21年(1887年)の「松本大火」直後の再建とか。それでも120年以上です。
ここは素泊まりだと5250円(朝食付きで6300円だそうです)という低料金に加え、日本的な畳と布団が最近外国人観光客に人気だと、地元紙に以前報じられていました。

 閑話休題 ― さて、少し暗めの店内は、まるもの象徴である板葺きの床と開業以来50年間使い込まれて味の出た松本民芸家具の椅子とテーブル。昔と違って店内禁煙らしいことを除けば、今もBGMにはクラシック音楽が流れて、昔と変わらない、陽だまりのように落ち着いてどこか懐かしい、昔の木造校舎の教室のような・・・そんな幾つもの形容詞や修飾語を付けたいような雰囲気が漂っています。昔はいつも(確かパイプを燻らせて)奥にどっかと座っておられたマスター(併設の旅館のご主人)がこの日はおられませんでしたが、今もご健在でしょうか。

 モカが主体だったか、相変わらず酸味の利いた少し濃い目のブレンドで、
一杯400円也。家内は同額のアメリカンですが、酸味は苦手(以前我家で毎朝ドリップしていた時も好みのモカは買えず、コロンビア豆を斎藤コーヒーで真空パックに小分けしてもらって買っていましたが、最近は手抜きでインスタントばかり)。あっ、そう言えば、ここのレアチーズも美味しかったっけ・・・。
久し振りの味を楽しんで、学生時代にちょっぴりタイムスリップしたかのような、“中年夫婦”の小一時間が穏やかに過ぎて行きました。