カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 野菜工場の恩恵か、最近スーパーに色んな種類のスプラウトが並ぶようになりました。スプラウトという言葉が流通する前から、もやしやカイワレ大根は昔からの定番ですし、元は確か南米の牧草というアルファルファも最近売場で見ませんが、一時はブームになりました。
その中に「豆芽」と書かれたスプラウトを最近見掛けます。中国語で「トウミャオ」と発音し、中華料理では定番野菜で、その名の通りエンドウの芽(一瞬大豆かと思いましたが、考えてみれば片や暗室栽培ですが、大豆はもやし)。

 シンガポールでは、カンコンと呼ぶ空芯菜(歯ざわりや茎の形状から芹の仲間かと思ったら、サツマイモの仲間なのだそうです)のチリソース炒めか、トウミャオのオイスターソース炒め、もしくはカイランと呼ぶブロッコリーの仲間の柔らかな茎(もしくは現地でベビーカイランと呼ぶ若芽)の醤油炒めが、魚や海鮮、肉料理の中に混じって中華のコース料理に入れる野菜料理の定番メニューでした。
赴任してすぐ、マレーシアのジョホールに行った時に道端の汚い屋台で流れる汗を拭き吹き食べた“ぶっかけ飯”でのチリカンコンの美味しさは、いまだ忘れ得ぬ我がローカルフードの原点です。

 今から15年前くらいでしょうか。シンガポールから帰国し、現地の味が懐かしく、でも田舎では日本流に味付けされた中華料理しか見つからず、そんな時に地場のスーパーでトウミャオ(豆芽)を売っているのを見つけたのが、だったら自分で料理してみようと思ったキッカケでした。ただ、家庭のガスなどでは火力が弱いので、強火でさっと炒める中華料理はなかなか難しいのですが、炒め過ぎてグチャっとなるよりも、生っぽい方がシャキシャキ感があってまだマシです。

 野菜は炒めると思いの外縮んでしまうので、ちょっと多めの量を炒めた方が良いかもしれません。香港の李錦記(何となく現地の味がします)のオイスターソースや甘くないチリソース(甘いのはスイートチリソースと表示されえています)だけで炒めても良いのですが、チリはやっぱりカンコンの方が好みなので、我が家での豆芽は専らオイスターソースか普通の野菜炒めのように醤油と味醂少々で少し甘めに炒めています(今回は残った白菜も一緒に入れて、ニンニクの微塵切りと一緒にオイスターソースで炒めました)。
出来れば、刻んだニンニクを多めに入れて一緒にさっと炒めると、より現地の味に近い感じがします。