カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 LS-202は25cmウーファーのフロア型3 wayバスレフですが、方やスワン(初代D-101)は、スピーカー自作派の“神様”故長岡鉄男氏が設計した点音源の傑作と云われるバックロードホーンスピーカーで、ユニットはフォステクス往年の銘機FE106∑を用いた僅か10cmのフルレンジ1発。面で鳴るか点で鳴っているかの違いと、スワンは点音源ですので、出来るだけ耳の高さに合わせた二等辺三角形の頂点で聴くのがベストなスピーカーです。
1987年の赴任直後の慣れないシンガポールで、引越し荷物と一緒に送って、家族が来るまでの3ヶ月間、休日や夜などやる事が無い時に、一人黙々と組立作業をし、サンドペーパーでしっかり磨いて、探し当てたDIYショップで購入したラッカーを三度塗りして仕上げた思い出のスピーカー。
その後、次女がヨチヨチ歩きの頃、音の出る所が不思議だったらしく、スプーンで叩いてコーンを凹ませてしまい、出張帰国の際に秋葉原で交換用にユニットを購入し、併せて保護用にガードグリルも購入して取り付けてあります。

 久し振りに聴くと、オリジナルのままでツイーターを追加していないので、高音域はさすがに見劣りしますが、下の箱部分が背面開口式で複雑に折り曲げられているホーン効果で、10cmのフルレンジとは思えない低音が出て来ます。ウッドベースの低音は、LS-202の25cmウーファーと比べるとやや細いものの決して負けていません。しかも、低音が遅れてくる感じもせずスピード感もあり、バスドラもボケてはいませんでしたし、シンバルのエッジも鮮やかに立っています。なお、配置的に右スピーカーの前には自作チェスト(薪入れ兼用)があり、LS-202のような3 wayだとウーファーの音を遮断することになりますが、スワンはフルレンジスピーカーで、しかもその音の出口のバッフル部分(スワンの頭)はチェストの遥か上に出ていますし、またホーン効果による低音は箱の背面から出るので、(インピーダンス特性を計測すれば分かりませんが)聴感上は問題ありません。
 LS-202は出力音圧レベルが90dB(当時としては普通)で、今様のスピーカーに比べると遥かに高能率ですが、スワンは長岡先生の当時のレビューでもその能率の高さにご自身驚かれ、「公称96 dBで通るだろう」という超高能率スピーカー。同じボリュームレベルだと音量が倍近く?大きく感じますので、怒られぬようにボリュームを絞って小音量での試聴です。
その後、JazzボーカルやBoyzⅡMen、カラヤン&BPOのワーグナー序曲集やパイヤールのバロック音楽、そして図書館から借りたゲルギエフ指揮ランランのラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」(2002年というだけに優秀録音)などのクラシック音楽も聴いてみましたが、ジャンルに関係なく、やっぱりスワンもLS-202に負けず劣らず良い音がしました。さすがです。あとは聴き手の好みでしょうか。
 久し振りに鳴らしたので、暫くはエージングを兼ねてスワンを聴こうと思います。そこで奥様へ、
「ほら、やっぱりイイ音してるだろっ!」
「あ~ら、そーぉ?」(まさか、今度はLS-202が邪魔だとか・・・?)。
仲良く?並んだ我が家のメインスピーカー、D-101スワンとTRIO LS-202。どちらも四半世紀以上も前のモデルですが、そこはスピーカーというアナログ機器の良さで、いまだ良い音で鳴っています。
(写真は、スワンのバッフル部分と、下の箱の折り曲げホーン部分、裏側のホーン開口部。そして、今でも大事にとってある故長岡先生の「FMファン」掲載の初代スワン製作発表記事のコピー。懐かしいですね)