カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 父の四十九日の法要後の会食を、美ヶ原温泉の老舗旅館、「鄙の宿 金宇館(かなうかん)」にお願いしました。松本市東側の山辺の里に位置する美ヶ原温泉郷は、日本書紀にも「束間(つかま)の温湯」としてその名が登場する古くから知られた名湯です。

 こちらの「金宇館」は、いずれも昭和初期に立てられたという風情ある木造3階建ての本館と渡り階段を昇る山際の新館の客室全9室という小さな和風旅館。その名の通り、鄙びた佇まいが懐かしさを感じさせてくれます。
以前、家内がこちらで会食があって気に入り、その後娘たちも含めて家族全員で食事会を兼ねて一泊したことがありましたが、手の込んだ料理と調度品まで含めて館内のレトロな雰囲気(サロンでは、真空管アンプで静かにジャズが流れていました)に感激し、自宅で法要した後、送迎用のマイクロバスも手配いただけるとのことから、今回の法要後の会食の席をお願いしたものです。

 前日(8日)にあろうことか、松本は過去3番目という49㎝の記録的な大雪(これが、もし一週間後15日の70㎝超の大雪でしたら、交通も麻痺してアウトで法要も延期せざるを得なかったでしょうから、不幸中の幸い)。
前日は、朝から高速道が上下線とも通行止めになる中、往復6時間掛かって茅野まで実家の両親を迎えに行って来てからの雪掻き。当日も、朝5時から法要開始直前まで雪掻きをして、何とか参列者用の通路と駐車スペースを確保しました。前日途中から運休していた新宿からの特急も、遅れながらも運行され、東京組も終了前には合流出来て、全員揃って旅館のマイクロバスで金宇館へ。雪の中でしたので、バスでの送迎は大助かりでした。

 会食は、先付けに始まり、お願いしたこちらの予算上決して高級食材ではないものの(それでも、お造りは鮮度の良い鯛にヒラメやウニ、焼き物にはブリなども供されました)、それ以上に手の込んだ調理が光ります。例えば、芯に鶏挽肉を詰めて丸めた長芋のお団子の餡かけ。味付けも優しく上品で絶品でした。有田焼という盛り付けの器も、どれも品があります。最後の〆は、ご主人の打った外二八(通常二八の2:8ではなく、そば粉10に対して、つなぎ2の割合)という蕎麦。
途中サロンで、上田市に本社のある城下工業製の真空管アンプと筐体が竹製のスピーカー(Sound Warriorブランド。製造終了)から流れるジャズを聴きながら、甥たちとのオーディオ談義にも花が咲きました。

 ご家族で切り盛りされている小さな料理旅館ですが、工夫の凝らされた料理の数々と心のこもった丁寧な接客に、(恐らく予算以上に)参列者にも満足いただけ、また色々気遣いもいただき喪主側としても大変助かりました。
決して大きくはありませんが、宿自慢の洞窟風呂に入る時間はありませんでしたので、今度はゆっくりと宿泊を兼ねて家族でまた来ようと思います(今回、喪主で接待に専念しており、建物含めて写真撮影を失念してしまいました)。

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