カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 5月以降、峠道を走っていると、山の中に緑の中に白い葉が混じっている木を所々で見掛けます。全体ではなく、割と枝の先端部分の葉だけが白く見えるのです。峠道では退避スペースが無く、停車出来ないので、横目で見ながら通り過ぎるだけ。
これまで街中や里山では一度も見掛けたことが無いので、ここ数年気になりながらも、何という木なのか(或いは日光の反射等、目の錯覚か)分りませんでした。

 三才山峠(国道254号線)では、大型車の通行により、冬の間に凍結等で傷んだ路面の工事が夏から秋に掛けてあちこちでされています。そのため、片側通行となり、思わぬ所で信号待ちの停車となります。たまたま、先日何台か後に停まったところ、車の横の道路脇にその葉の白い木が立っていて、思わず携帯で撮影してみました。緑一色の中で、輝くような白い葉は結構目立ちます。峠道の上田側や、また峠を下ってからも、山が近いせいかもしれませんが、鹿教湯付近の里山でも見掛けられますが、何故か松本側では余り見掛けません(その後、朝の通勤時に退避帯に車を停めての撮影。また遠景は、鹿教湯のコンビニからの撮影です)。
 後日、“葉の白い木”をキーワードに検索してみると、ヒットした中で、それらしき写真の中から「これだ!」と特定できたのは、何と「マタタビ」でした。言葉としては、“猫にマタタビ(木天蓼)”でお馴染みの、あのマタタビです。
一部の葉が白くなる(白化)のは、花(マタタビは基本的に雌雄異花)の咲いている時期に虫を誘うためという説が有力とのこと。但し、マタタビは落葉樹ですが、開花時だけではなく、葉が落ちる秋まで白いままの葉があるとのこと。また、白い部分は斑入りではなく、白い層が葉緑素を持った緑の層の上に、謂わば厚化粧状態で載っているのだそうです(「日本植物生理学会」HPより)。
 言葉では知っていても、実物のマタタビの木を認識したのは初めてでした。そう認識した上で見てみると、結構山のあちらこちらにこの白い葉をした木が目立ちますので、それ程珍しくもなく、普通に山中に分布しているのかもしれません。であるからこそ、“猫にマタタビ”という言葉も世間に拡がったのかもしれません。
本州では生息している野生動物の中にネコ科の動物はいないので、幸い恍惚状態になっているタヌキもキツネも、或いは鹿もイノシシもいないとは思いますが、それにしてもこれ程マタタビが身近な樹木とは思いませんでした。