カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 長野県松本市。「アルプスの城下町」にして“三ガク都”。
松本市民としては、松本城や旧開智学校、上高地や槍穂高(いずれも旧安曇村ですが)など“ふるさと自慢”は色々あると思いますが、「花いっぱい運動」(個人的には、通勤で通っていた上田市の方が地域住民の取り組みは熱心だった様な気がしますが)同様に松本が発祥の地とされるのが、最近話題の「さんまる・いちまる運動」です。
 これは、松本市が2011年から進めてきた食品ロス削減の施策。
飲食店等から出される生ごみの6割はお客さんの食べ残しであり、2013年の農水省推計に拠れば食品ロスは全国で632万トン。これは、世界全体の食糧支援量(320万トン)の実に倍に当たると云います。
松本市役所の宴会や会合でも同様な状態だったことから、職員が率先して、乾杯後の30分と〆の前10分は立たずに自席で食べることに専念して食べ残しを出さない様にしようと呼び掛け、『残さず食べよう!30・10運動』として、ポスターやコースター、PR用のティッシュなども作成し、市役所内だけではなく市内の飲食店にも呼び掛け協力店を募ったり、市民に呼び掛けたりして来たのだそうです。
そうした運動が広がりを見せ、県内だけではなく、福岡県や兵庫県を始め他県の自治体でも積極的に取り入れるところが増え、今では全国的な拡がりをみせているのだそうです。他にも似たような取り組みはあったそうですが、語呂の良さと分かり易さで30・10運動に統一されて来たのだとか。
海外だと、結構な高級店であっても“Doggy Bag”の風習が一般的ですが、日本では刺身などの生モノが多いせいか余り見掛けません。また日本では、会社の飲み会等や宴席等で、上役や取引先の方などが同席していいたら、食べるのもそこそこにお酌に回らないといけない、回れば回ったで、そこで話し込んでしまう。気が付くと、お酒は注ぎ注がれで十分飲んでも、肝心の料理には殆ど手を付けず、この時期だと鍋も冷たくなったまま・・・といった経験も多いのではないでしょうか。
その意味で、「勿体ない」精神や社会的意義を強調して最初に幹事がアナウンスして進めれば、皆安心して食べられるでしょうし、店側も後の片付けも楽になりごみも減らせられれば一石二鳥で助かります。そうした好循環もあって、参加する店も増えているのだとか。

 松本市の職員の取り組みから始まったというこの「30・10運動」。大いに自慢して、積極的に展開して行ったら良いと思います。その結果、発祥の地の松本では元祖意識を誇示しながら、「食べ物を残したらダメ!」という風に市民意識全体が向上すれば良いと思います。先ずは自ら率先でしょうか。食品ロスの半分は確かに飲食店などの事業系ですが、残りの半分は自分たちの家庭からだそうですし・・・。