カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

  今年も一年間、本ブログ「三代目の雑記帳」をご愛読賜り、誠にありがとうございました。

  果樹園のH/P開設と共に始めたこのブログも丸8年が過ぎました。
アクセス数も次第に増えて、5年前に年間15万件を数えました。しかし、ネタ切れと隔日での掲載に疲れ、二日おきのペースでの掲載とさせていただいた4年前には一時的に減ったものの、それでも12万件とほぼ毎月1万件というアクセスをいただき、その後は漸増して今年は過去最高となる17万件を大きく超えるアクセスをいただきました。
このページを借りて謹んで御礼申し上げます。ありがとうございました。

  今年は自身にとっても大きな区切りの年となり、37年間の会社生活にピリオドを打ち、第二の人生のスタートを切りました。その後、垢を落とすべく少しのんびりさせてもらって、来シーズンから本格的にスタートするつもりです。仕事は大変な様ですが次女は羽田空港で頑張っていますし、長女は念願のMBAに合格しアメリカに留学中です。
 私事ですが、今年4月に義父が亡くなりましたので、来たる新年は年賀欠礼とさせていただきます。

                (東山魁夷「年暮る」)
  
 年の節目にあたり、「ヨーシ、来年は頑張るゾー!」と、また心のギヤを入れ替えるべく、新たな年を迎えたいと思います。こうして、切り替えを出来るのが、きっと人間の(ずるくも)良いところだと思います。
来る2017年「も」、或いは「こそ」、皆さまにおかれましてもどうぞ良い年でありますように。
                           カネヤマ果樹園一同+ナナ

 久し振りの快晴の日曜日となった12月18日。珍しく、奥さまから
 「ねぇ、アルプス公園にウォーキングで行って見る?」
との仰せに、「行く行く~!」と相成りました。

 この日は(奥さまがウォーキングへ)出るのが遅く、アルプス公園に着いたのは9時頃だったでしょうか。犬連れの方がチラホラと。いつものビューポイント「ピクニック広場」からの北アルプスの眺め。白馬方面まで見ることが出来ます。この日は朝霧が発生したようで、眼下の島内から安曇野に掛けて霧に覆われていて、まるで雲海の様です。北アルプスも、更に雪が降った様で、前回(11日)に比べ更に白さを増した様に思います。家内も、
 「やっぱり、冬の雪の北アルプスの方が綺麗だね・・・。」
と、暫し見とれておりました。

草原(家族広場)を抜けて博物館(「松本市山と自然博物館」)の方へ行くと5階の展望台に人影が。博物館へ行って見るともう開館(9時~)していて、展望台(無料です)に上がれるとのこと。いつもの早朝ウォーキングだとまだ開館していなかったので、今回初めて展望台へ上がります。
すると、ちょうど小学生くらいのお子さん連れのご中国系と思しきご家族も観光で来ていて、エレベーターを開けてまっていると「Thank you!」とのことに、台湾かと思い聞けばシンガポールとのことに懐かしくて、以前家族で赴任していて、今でもチキンライスやホッケンミーが懐かしいことを伝えると、随分シンガポールも変わったとのことに、自分たちがいた時に比べると今や人口も倍(500万人)になったなど、暫し懐かしく歓談させてもらいました。ファミリーの旅行の無事を祈りしてお別れし、帰宅の途に。
 その後、お友達から教えてもらったという堀金の自由市場に行きたいというので、食料品の買い出しを兼ねて昼頃出発。自由市場というのは、どうやら堀金の道の駅のことだったようです。ちょうど辛味大根やみどり大根(ビタミン大根との表示)もあり、カボチャやゴボウと一緒に購入(土が違うので、十分な辛味があるかは分かりませんが・・・)。
外に出ると、常念がくっきりと。佐藤校長の「見よ、あれが常念だ」ではありませんが、個々堀金は常念の麓の村(現在は合併して安曇野市)です。
ちょうど道の駅の横に、これも信州の晩秋の風景でしょう、野沢菜の広い畑が拡がっていました。見事な安曇野の風景でした。

 奥さまが昨年初めてチャレンジし、思いの外良く出来たと自画自賛した干し柿。昔は田舎の秋の風物詩だった「柿すだれ」です。干し柿は先人の知恵が詰まったドライフルーツで、美容食、健康食でもあります。
そこで、今年はお友達にも配るからと、昨年の3倍ほどの柿を剥いて吊るしました。その数200個程も作ったのでしょうか(第1151話参照)。

 このところの朝晩の冷え込みで十分に乾燥し(その間、何度か取り込んで揉んで柔らかくします)、表面に白い粉がふいて来たので、ここで漸く外して取り込みました。この間、奥さまが一人で全て作業されました(結婚したての頃、祖母や母の手伝いをしたりしたことはあったとはいえ、農家出身でも無い家内ですから、“見よう見真似”でやったにしては出来栄えはなかなか大したものだと感心)。
 通常は風通しの良い涼しい所で保管するのですが、そうした場所が無い時は保存用のビニール袋に入れて冷蔵庫で保存するのだそうです。
 「硬くなってナイかな?」
と、毎晩“試食”されているのが気になりますが・・・。
 「だって、もし硬かったら人に上げるのに悪いから・・・」
 たくさん出来たので、実家や妹、ご近所やお友達、そして親戚の家にも少しずつお裾分けをさせていただきました。

 奥さまのご友人から毎年頂く里芋。ジャガイモと違い、里芋は冷凍も可能なので、食べきれない時は冷凍保存しておけば良いのですが、それにして皮を剥くのは(痒くならない≒体質、手の皮も厚い?)私メの役割。

 子芋くらいならまだ良いのですが、孫芋となると剥くのが大変。20個近く剥いて500g。これで、芋煮汁や煮っ転がしの漸く一回分です。ただ、味はやはり若い程(親より子、子より孫芋の方が)粘りや食感含め美味しい様な気がします。親指大ほどの芋を黙々と剥くのですが、途中、(大袈裟に言えば)ホント気が狂いそうになります(料理人の方々を尊敬しますネ)。
そうして作る山形名物の芋煮汁。前回ご紹介したように、我が家(私メ)の好みは豚肉で醤油ベース。云わば、内陸(牛肉で醤油)と庄内(豚肉で味噌)の折中。いつもは自己流で、自宅にある物を材料にするのですが、今回は鍋用に買った豚肉が残ったので、また自宅に大根とニンジンもあったので、これ等を使って今シーズン三度目の芋煮汁(煮っ転がしも二度作りましたので)にすることにしました。ただコンニャクの買い置き(いつもは芋煮汁用に小さめの玉コンニャクを使用)が無かったので、近くのスーパーへ買いに行くことに。
 そこで、事前に今回はレシピをネット検索してみました。すると、ゴボウ(笹がき)も入れる由。コンニャクも普通に売っている板コンニャクを、滑らずに箸で摘み易い様に茶碗で切ったり、指で千切ったりするのだとか。ナルホドと芽からウロコ。そう云えば、最初の頃はレシピに従って入れていた様な気もします。一方で、「家庭料理なので、その時に自宅にある根菜で作れば良い」というアドバイスも読んだような気がします。山梨のホウトウと同じでしょうか(里芋とカボチャはそれぞれ必須アイテムとして)。
そこで、スーパーでゴボウと板コンニャクを購入し、戻りコンニャクは指先で親指大ほどに割いてみました(簡単に千切れます)。また味も、ゴボウも入ることで深みが出ました。
 山形の郷土料理である芋煮汁。秋になって、最上川の河原で行う伝統的な野外行事で、現代で言えばBBQでしょうか。地元で長年に亘り受け継がれてきただけに、さすがに生活の知恵が詰まっています。実際にレシピに沿って作ってみて、ナルホドと芽からウロコでありました。

 11月末にいきなりの積雪があった以降は里は雨模様でしたが、一昨日の朝は薄らと雪化粧。暖かかったり、寒かったりと何だか変な陽気ではありますが、一定しないので体が変化に付いて行けず、少し氷点下になると余計寒く感じます。
我が家の冬の暖房は、家を建てて以来の薪ストーブ。薪の確保は大変ですし、購入するとなると灯油よりも高くなります。床暖房もありますが、視覚的効果(燃えている火を眺めているだけで暖かく感じます)も含め、薪ストーブの暖かさには敵わない気がします。

 いつものように11月には搬入いただいたナラ材の薪ですが、干し柿を取り込むまでは煤が付かないようにと薪ストーブを焚くのを控えていたので、ストーブに火が入ったのは、今年は例年より遅く12月に入ってから。それまでは、床暖房とファンヒーターを使っていましたが、薪ストーブを使うと遠赤外線効果もあるのか、やっぱり段違いの暖かさです。
しかも、乾燥を防ぐためにお湯を沸かしていますので(我が家のストーブはシチューなどが出来る調理用ではありませんが)、沸けばポットに移して保温しますのでガスで沸かす必要もなく、また奥さまは寝る前に灰の中にサツマイモを入れておくと(濡らした新聞紙を巻いてからアルミホイルで包みます)、翌朝にはホクホクの焼き芋が出来あがっています(一石三丁?)。
灯油にせよ電気にせよ石化燃料由来ではないので、床暖房やファンヒーターなどとは違い、薪ストーブはエコでもあります(最近の薪ストーブは、煙なども環境上問題が無い様に構造上工夫されています)。

 また、2年ほど前から着火剤ではなく、新聞紙を丸めて着火剤代わりに使っていますが、その火力は驚くほど。丸めて空気の通りを要することがポイントだと思いますが、十分に新聞紙を燃やして薪に燃え移った後でもし消えそうになっても、薪が発火点近くまで加熱しているのでしょう。再度新聞紙を丸めて入れると一気に着火します。
数年間にまとめて購入した着火剤は未だ在庫があるのですが、新聞紙で十分だと感じています。ある意味、これもエコでしょうか。

 習っているピラティスの先生の勧め(正しい姿勢での平地歩行)で、毎日大門沢ウォーターフィールド(松本市陸上競技練習場)に行かれて周回される奥様には付き合えない(景色の変わらぬトラック周回は面白味が無い)ので、暫く(ナナの散歩は毎日ですが)早朝のウォーキングを控えておりましたが、快晴のこの日(12月12日)、久し振りの北アルプスを眺めに、ウォーターフィールドに行かれる奥さまと別れ、独りこれまた久し振りのアルプス公園までウォーキングで行って見ることにしました。

 少し遠回りで、私メの生まれ育った場所でもある神沢地区(下岡田)を抜け、塩倉の東口駐車場からアルプス公園に入ります。市街地からは高台になる我が家からも標高800mのアルプス公園へはずっと上り坂が続きます。恐らく150m程は登ることになります。
アルプス公園が倍以上に拡張された際に設けられた東口駐車場から「森の架け橋」と名付けられた西大門沢川の谷あいに掛かる橋を渡り、更に園内の坂道を登っていくと、ログハウス風の休憩所のある「森の入り口広場」に出ますが、そこからカラマツなどの林越しに北アルプスの峰々が初めて目に飛び込んで来ます。
そこから更に坂を登ると、「小鳥と小動物の森」は穂高で確認された「鳥インフルエンザ」(最終検査の結果は陰性とのこと)の影響で予防のため臨時休園。大陸からの渡り鳥だけに防ぎ様も無く、こんな所にまで余波が及んでいます。
 草の広場を抜け、いつのも「ピクニック広場」へ。この日は久し振りの寒気で草原は霜で真っ白。そしてその向こうには、白く雪を被った常念を始めとする北アの峰々が凛として聳えていました(この雄姿を見たくて、わざわざ歩いて来たんですよね。何度見ても松本平の住人は励まされ、そして元気を貰います)。
 アルプス公園は、桜に始まり春から秋へと大勢の家族連れで賑わう広い公園で、入場無料。市街地の、例えば松本駅から車で10分足らずの所にある71hahという広大な高原風の都市公園で、松本市民憩いの場所です。家族連れだけではなく、北アルプスが一望できる観光スポットとしてもお薦めです。山並みを暫し眺めてから戻り、南口駐車場横を抜けて蟻ヶ崎台へ下ります。さすがに冬になり園内は閑散としていますが、朝早くからマレットゴルフに興じる元気なお年寄りたちだけは例外の様です。アルプスがくっきりと望めるのは(場合によっては白馬方面まで)、空気の澄んだこの冬の時期なんですけどね(勿体ない)。
 途中、古そうなバス停の看板を見やると「種畜場口」となっていました。
県の種畜場が塩尻の片丘方面へ移転統合されたのに伴い松本市へ払い下げられ、アルプス公園として開園したのが1974年とか。子供の頃は、牛や馬が放牧されていた種畜場に蝶などの昆虫採集でちょくちょく訪れた“裏山”でした。その記憶が、バス停の名前にそのまま残っていたとは・・・。今ではそのバス停の名前を見ても訝る人ばかりでしょう。何だか自分だけの“宝物”を見つけた様で、しばらくバス停を見つめていました。

 昨年までは上田勤務だったので、通勤帰りにでも簡単に買えた坂城町特産(「おしぼりうどん」が名物です)の「ネズミ大根」ですが、リタイアした今年は入手困難になりました。
上小と呼ばれる東信地域では「上田みどり大根」同様にポピュラーでも、山を一つ隔てた中信地区の松本では残念ながらこれまでは出回ることはありませんでした。従って、上田勤務になるまではネズミ大根の存在は勿論、「おしぼりうどん」のことも全く知りませんでした(同じ辛味大根でも南信の下條村特産「親田大根」のことはニュース等で聞いて知っていましたが)。
それがここ数年、東信を地盤とするスーパーマーケットの「ツルヤ」が中信に進出して以降、鯉や鮒といった東信地域で好まれる食材同様、ネズミ大根やみどり大根も時折店頭に並ぶようになりました。ただ一般に馴染が無いので東信地域に比べれば数量は少ない様に感じますが、それでも山を越えずとも松本に居ながらネズミ大根が買えるのは有難い限り。
ネズミ大根が無い季節は、通常の青首大根の尻尾の部分を卸すと割と辛味が強いので、一本ではなくハーフで尻尾部分を購入しおしぼりうどん風に「古城蕎麦」を自宅で楽しんでいます。

 秋になって、漸くツルヤの店頭にみどり大根とネズミ大根も並ぶようになりました。早速両方購入。勿論個体差もあるのですが、ネズミ大根の辛い事。卸して汁を搾る時から、その辛味で手が痛くなるほどです。
 「やっぱり、全然違うなぁ・・・」
その後も店頭で見掛けると購入して、“おしぼり蕎麦”で楽しんでいます。

 ウォーキングやトレッキングをしていてのモーレツなストレス。それは、靴紐が知らない内に緩んだり、時には解けたりすること。何となく違和感があって、気が付くと解けたヒモを引きずったまま歩いていることが良くあります。
 「あっ、チョット待って!」
と、家内や同行者に待ってもらい結び直すのですが、恐縮して更にストレスが溜まってしまいます(と本当にイライラしますね)。
リオ五輪関連だったか、記憶が定かではないのですが、TVで福原愛ちゃんも採用していて緩まない靴紐の結び方“○○ノット”という単語が耳に飛び込んで来ました。メイントピックスでも無く、また当方も注視していた訳でもなかったので、ハッキリと認識出来ませんでしたが、“何とかノット”という緩まない結び方が兎に角「存在する」ことはハッキリと記憶に残りました。
今年の秋の白駒池へのトレッキングでも何度も靴紐が解けてしまい、その都度屈んで結び直したのですが、
 「あ~、本当にモーヤダーッ!」
新しく購入した日本人向けの幅広(4E)のトレッキングシューズでとても軽くてしかも防水。家内はスキーブーツで懐かしいSalomonのシューズを購入し、同社の特許という絶対に緩まない“Quicklace”というシューレースが便利だからと推奨してくれるのですが、Salomon もColumbiaも靴の幅が狭くキツそう(信州弁では「つもい」と言います)だったので、幾つか実際に履いて試してみて、一番しっくりしたWhole Earthという国産ブランド?(但し中国製)にしました。靴そのものは快適この上ないのですが、靴紐が緩む不快感。
 「あぁ、やっぱりSalomonにすれば良かったかな・・・」 
と後悔の念も浮かんだのですが、そう言えば・・・と緩まない結び方があるというのを思い出し、後日ネット検索をして見つかったのが「イアンノット」という次第です。検索すると、動画や図解含め幾つも紹介記事があり、それを見て何度か試し、割と簡単に習得することが出来ました。ネット紹介に拠ると、慣れれば2秒で結ぶことが出来るそうですが、個人的には早さよりも緩まぬことが何よりも肝心。

 このイアンノット、英語ではIan’s Knot (イアンズノット)で、オーストラリア人のIan Fieggenという方が考えた結び方で、世界中で愛用されているのだとか(他にも、フランスの革靴メーカーのBerlutiが開発した「ベルルッティ結び」という緩まない結び方があり、多少複雑でもフランスらしくエレガントなのだとか)。
実際何度かイアンノットで結んだ靴を履いて歩いてみましたが、確かに全く緩みません。見た目は一般的な蝶々結びに似ていますが、その効果は(考えて見れば)半世紀にも亘り靴紐の緩みや解けで今までストレスを溜め続けた人間としては、ある意味オドロキ。
 「オォ、本当に緩まないジャン!」
と、感動的ですらありました(興味ある方は是非お試しください)。

 家内が友人の方から今年もいただいた里芋。子芋や孫芋まで含めたくさん頂きました。第一弾とのこと故、まだあと何回かは今年も頂戴することになります。山形の郷土料理である芋煮汁が我が家でも定番。会社勤務の頃、庄内に子会社があり何度か出張しましたが、同じ山形でも庄内地方の芋煮汁は豚肉で味噌味に対し、内陸の山形は牛肉で醤油味。庄内の事業を管理する事業所勤務時代に会社で芋煮会をしたことがありましたが、その時はやはり味噌味だった様に思います。しかし、我が家での定番は豚肉で醤油味の芋煮汁。豚肉と味噌味ならトン汁にすれば良いし、個人的には豚バラからの出汁で醤油味の方が芋煮汁としては好みなので、言うなれば折中派?でしょうか。

 前置きが長くなりましたが、我が家では里芋の下拵え(皮剥きとヌメリ取り)は私の役目。奥さまは長芋も里芋も手が痒くなるので、一切パス。私は全く痒くならないので、有難いことに全て私の担当となった次第。食べると美味しい旬の里芋ですが、一回の芋煮汁に15~20個程を具剤として使うので、親指大位の小さな孫芋などだと、剥くとなるとこれが結構大変な作業です。途中でため息を吐きつつ、あと何個と数えつつ・・・、剥き終わった時など喝采を叫びたいほどです。

大根やニンジンなどの根菜と下茹でして灰汁を取った玉コンニャクを先に煮て(お好みで臭み消しも兼ねゴボウや生姜も)、火が通り易い旬の里芋(先に塩揉みしてヌメリを取り)と豚バラ(或いは豚小間)を入れて煮立ったところで、灰汁取りをして醤油、みりん、酒で味付けし完成。斜に切った長ネギを散らして完成。山形では(最上川の?)河原での芋煮会が定番だそうですが、温まりますね。
 芋煮では頂いた1/4程度しか消化出来なかったので、家内が娘たちの所に上京して不在中、続いて里芋の煮っ転がしに初挑戦することにしました。
ネットで検索をして、一番簡単(楽)そうなレシピを選びます。里芋の皮剥きとヌメリ取りは芋煮汁の時と同様。後は、レシピに沿って醤油、みりん、酒、出汁と水を分量通りに入れて一煮立ちさせてから、クッキングシートで落とし蓋をして弱火で煮ます。旬の里芋は煮えるのにそれ程時間が掛からずに串がすっと通る様になります。全体に煮汁が行き亘る様に途中何度か鍋を揺すり、煮詰まれば完成。試食をしてみましたが・・・「う~ん」。レシピ通りですが、もう少し甘さがあった方が・・・。個人的には、里芋よりもジャガイモの煮っ転がしの方が好きな味(懐かしい、お袋?お婆ちゃん?の味)ですね。
おかずの一品にすると、母も、帰宅後の家内も美味しいと喜んで食べていましたが(味付けもこれで丁度良いとか)、
 「ふ~む、そうかなぁ・・・。ジャガイモの方が絶対美味しいよなぁ・・・!?」
と、個人的には納得しかねる初挑戦でした。
 11月24日には松本も5センチの本格的な積雪と、まだ里に紅葉の残る中、いきなりの冬本番でした。家の中では、ゆったり、ほっこりと暖まりたいものですね。
(その後の松本は、今のところ雪ではなく雨。氷雨なのかもしれませんが、よう分からん・・・)

 長女が研修の一環であるジャパンツァーの幹事役とやらで帰国するのに併せ、奥さまがまたまた上京するので、ホンジャ娘たちへのお土産に買ってあげようと思った「栄楽」の生馬刺しと自家製ソーセージ。
いつもの様に店前の道路脇に車を停めると、店にはシャッターが降りています。シャッターが降りているのは、気紛れでお休みされることも良くあるのですが、まさか・・・?
ところが、そのまさかで、ナント閉店してしまったらしいのです。
 「ガーン、ショック!」
家内に言うと、
 「あぁ、やっぱり・・・」
最近、前を通っても店舗がいつも閉まっていたのだそうです。家内が上京してその旨娘に伝えると、とりわけ信州からのお土産にご指名で学生時代から贔屓にしていた次女が残念がっていたとか・・・。

 「栄楽」は松本でも老舗の精肉店でしたが、生の馬刺しが絶品で、また時間があると作られる自家製のソーセージと豚ロースの味噌漬けも逸品。我が家全員がファンでしたので、進学して家を離れた娘たちからも、家内が上京する際のお土産に時々指名買いをしていましたし、客呼びの際などにも手軽にプラス一品になりました。
ただ70歳を超えられたマスター(紳士然とされていて、肉屋のオヤジさんと言うよりもむしろその方がお似合い)はあまり商売っ気無く、地元のアマオケで確かビオラを長年弾いておられるなど、商売も含めて悠々自適といった様子で、奥さまは体が弱いのか、姉妹の方と二人で店を切り盛りされていました。ですから、いつ閉店してもおかしくない状態で、定休日も営業時間もあって無い様なもの。開いている方がむしろ珍しく、本当に買いたい時は事前に電話をして予約しておかないと安心出来ないほどでしたが、それなりの値段(最近では馬刺しがグラム1300円)ではありましたが、他では絶対に入手出来ない質に納得の逸品でした。ですので、本当にショックで残念です。
もしかすると、生馬刺しは探せばどこかで買えるのかもしれませんが、あの自家製のソーセージはもう無理なのでしょうね。
 「あぁ、誰か跡を継いでやってくれないかなぁ・・・」
(でも、懐かしい焼き芋の「美松」も息子さんが数年前に再開しましたが、その後探して行ったら閉店していましたから、やはり難しいのでしょうね)

 後日車で前を通ると、既に看板も取り外されていることに初めて気が付きました。聞けば閉店されたのは7月末とか。偶然にも、私の最終出社日と同じ日でした。自分のリタイアの日に「栄楽」も営業を終えていたとは・・・。
「長年お疲れさまでした。本当に美味しかったです。」