カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 先月末、2007年から3年間読売日響の第8代常任指揮者スタニラフ・スクロヴァチェフスキ氏の訃報が報じられました。享年93歳。また昨年10月には、サー・ネヴィル・マリナーの訃報があり、氏も享年92歳でした。お二人共、最後の最後まで指揮台に立ち続けた現役のマエストロでした。

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキはポーランドに生まれ、どっしりとした作風でブルックナーを始めドイツ系作品に定評のあった巨匠でした。
読響との名演が報じられる度に、いつか生で聴きたいと思っていましたが叶いませんでした。CDにも手持ちには無く、写真は市立図書館から借りたブラームスの2番です。
 そしてサー・ネヴィル・マリナーは、1959年にアカデミー室内管弦楽団を創設し、時にカラヤンを凌ぐとさえ評される程の膨大な録音を残したスター指揮者でした。因みにアカデミー室内管弦楽団というのは日本だけの呼称であり、正式な楽団名は、教区アカデミーのSt.Martin-in-the-Fields教会を本拠地としたことに因ります。従って、正式名称は“ The Academy of St.Martin-in-the-Fields”。何とも格好の良い響きで、しかも指揮者のマリナーはロジャー・ムーア張りの英国紳士然としていて、音楽までも何となく洗練された感じで聴こえていました。謂わば、バッハよりもヘンデルであり、ストイックさなど関係無しの洗練された華やかさ。後年、大ヒットした映画「アマデウス」での演奏により、モーツァルトが氏の代表的レパートリーとされましたが、元々はバロック音楽がアカデミー室内管の十八番でした。
手持ちのLPレコードでは、手兵の初期の頃(弦楽器のみの編成。最後の写真の左から4人目が若き氏)のアカデミー室内管弦楽団を率いてのブランデンブルグ協奏曲、ヘンデルの合奏協奏曲、モーツァルトのディベルティメント第17番。そして、LA室内管とのレスピーギのリュートのための古風な舞曲とアリアの4枚。そしてCDでは唯一でしたが、シンガポール赴任中に購入したらしい、海外盤でのLSOとのプロコフィエフの古典交響曲でした。そして、(時代が異なるためかもしれませんが)CDの海外版だけに“Sir”という称号が付けられていました。
 90歳近くなってから、シカゴ響でブルックナーを振ったマエストロ朝比奈隆。氏も93歳で亡くなったと記憶していますが、いみじくもスクロヴァチェフスキが93歳、サー・ネヴィル・マリナーが92歳。
こうなったら、御年90歳になった筈のブロムシュテットおじさんには、お元気で是非100歳まで現役で振って欲しいものです。

 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキとサー・ネヴィル・マリナー。
お二人の偉大なマエストロのご冥福を謹んでお祈り致します-合掌。