カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

  “蔵の町”松本中町の蔵造りの老舗の“カレーの店”「デリー」。その「デリー」が、惜しまれつつ閉店してしまったそうです。

 先日の夜、久し振りに中町を歩いてみると、その建物と「デリー」の看板はそのまま残っていて、同じく建物に掲げられた「テナント募集」の看板が寂しく目に映りました。この蔵造りの建物は白壁ではなく、戦時中の空襲対策のままか、黒く塗られた壁の蔵が“蔵の町”では重厚で却って新鮮に映ります。「デリー」は昭和45年創業という40年以上の歴史の、当時松本では珍しかったカレーの専門店でした。
 シンガポールで生まれて初めてインド料理(注)の奥深さ(他にはベトナム料理)に触れてしまい、所謂カレーライスは家庭でしか食べなくなりました(家庭でのインド料理は無理。カレーライスは家庭毎の味でイイ)ので、帰国後は「デリー」に行くことも無かったのですが、日本的で懐かしい昭和のカレーだと思いました。そう云えば、トンカツとカレーの「たくま」も同じ頃閉店してしまったとか。
その老舗の店も最近遂に閉店してしまい、“昭和も遠くなりにけり”?でしょうか。
 でも、CoCo壱番屋の様なチェーン店だけではなく、神田の名店の暖簾分けだという「キッチン南海」もまだ頑張っています。日の出町にあり、目の前に「イオンモール松本」が開店して日の出町も人通りが増えたので今まで以上に繁盛するかもしれませんね。
【注記】
インド料理は、基本的に北インド料理と南インド料理に分類され、窯(タンドール)で焼くナンが主食なのは北インド。米作地帯故ご飯が主体なのが南インドとされます。従って、タンドーリチキンやサモサも北インド料理になります。
南に比べ、北インド料理の方が繊細な感じがして、シンガポールでも名店(高級の意味ではない)とされていたのは北インド料理でした。どちらも各種スパイスを調合したグアムマサラでの味付けが主体。因みに良く知られた様に「インドにはカレーという料理は存在しない」。
インドに出張した時も、毎昼毎晩と現地スタッフが現地のジャンルの異なる“有名店”に連れて行ってくれましたが、正直シンガポールのインド料理の方が美味しいと感じました(飽くまで個人の感想です)。
東京では北/南を表記したインド料理店がちゃんとありますが、松本では純粋なインド料理店は少なく(看板にあっても、シェフがネパール人だったり)、日本人向けにアレンジされていたり、また良く見かけるネパール料理やスリランカ料理も隣国であるインドの影響を受けていますが(スリランカは地理的に南インド)、純粋なインド料理とは大分違う様に思います。