カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 晩秋になると木々の葉も落ち、里山からは緑という色が消えてしまいます。“♪ もういくつ寝るとお正月~”という時期になり、街角からはお城にもう門松が飾られたという様なニュースも報じられていますが、冬でも枯れることのない松などの常緑樹の緑に永遠の生命を見て、子孫繁栄を願ったであろう日本の人々。その意味で“オモト”に“万年青”という漢字を当て嵌めた江戸時代の人々の気持ちも分からないではありません。
しかし、常緑樹の緑と謂えども、若葉青葉の新緑の頃の緑色とは、その瑞々しさが違う様に感じます。
以前もご紹介しましたが、エスキモーの人たちの言葉が「雪」を表す単語が世界で一番多いのと同様に、日本語には若草色や深緑など、緑を表す単度が世界のどの言語よりも多いのだとか・・・。芽吹いた跡の里山の様々な“緑色”を見る度に、それも「然もありなむ・・・」と感じるのです。

 そんな枯れた冬に感じる“瑞々しい若緑”があります。
それは、大根。使った後の大根葉と根菜の部分を小皿などに浸しておくと、すぐに芽を出してすくすくと伸びて行きます。素晴らしい生命力です。
そして、その芽の緑色が何とも瑞々しくて美しいのです。戸外の真冬の寒々しい景色とは異なり、一足先に、家の中に春の息吹を感じさせてくれます。それ程までに印象的な若草色の若緑です。