カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 あまり大々的な発表や番宣PRはありませんでしたが、NHKの総合で「みをつくし料理帖」の続編として、たった二夜ではありますが、前後編の土曜スペシャルとして放送されています。
 前回2017年に連続8回の放送だった土曜時代劇では、船頭に身をやつした“若旦さん”の佐兵衛へ、澪が「元飯田町のつる家にお寮さんと一緒にいる」ことを橋の上から最後叫んで伝えたところで終了していました。
何とも中途半端な終わり方でしたので、視聴者からすれば当然次の放送がされるものとばかり思っていたのですが、その後はナシのつぶてで、何も予告も無いままに時間が過ぎていました。
それが突然、予告版と共に、たった2回のスペシャル版として放送されることがアナウンスされたのです。
今回の内容を予告編から推測すると、勿論原作とは全てイコールではなく、変えてあるところもあるようですが、どうやら二回にギュッと凝縮したものになっているようです。

 第一話の「心星ひとつ」は、“小松原”の澪に対する想いを知り、何とか二人の仲を取り持とうと奮闘する“小松原”の妹早帆。腎臓に良いという「ほうき草」の実を“小松原”の母に食べさせるべく一心に調理する澪。手間暇掛かる下ごしらえを経て作られたその料理に込められた澪の一途な心根を知り、身分の垣根を越えて息子との縁談をまとめようとする母。しかし、料理の道を捨てることが出来ずに、最後は“心星”である料理の道を他の幸せを諦めても選ぶことを決意する澪。第5巻「今朝の春」の「花嫁御寮」がベースでしょうか。大元の幹はともかく枝葉的には、原作とTVの脚本は些か展開が異なりますが、設定されている人物が原作とTVでは違っていて、例えばおりうさんも美緒もTVには登場していませんので、展開が違うのは止むを得ないとは思いますが・・・。
第二話の「桜の宴」は、吉原での桜の宴が舞台のようですから、これは第6巻小夜しぐれ」に収められている「夢宵桜」が恐らくそのモチーフかと推測されます。
・・・と、簡単に書けば、(特別編を入れて)原作全12巻の内の、第5巻からどうやら澪が目指すべき道を決断する第7巻「心星ひとつ」辺りまで(その後の経過まで含めれば第8巻)が、今回のスペシャルの2話の中に凝縮されているように思います。
しかし、それでこの物語が完結する訳ではなく、その後の特別編の第12巻「花だより」の後日談を待っての大団円だとすれば、今回分の後にはまだ4~5巻分の物語が残されており、連続物ではなくまた季節の特別版としてのスペシャル番組で放送するにしても、あと2回はやらないと完結出来ないのではないでしょうか。是非映像化して欲しい素敵なエピソード(個人的には、本筋ではないにせよ、下級武士の「徒組」が登場する第11巻「天の梯」の第2話なんて泣けて好きだけどなぁ・・・。それに肝となる“鼈甲珠”は未だ登場していませんし)がまだまだたくさん残されているだけに・・・。
しかし、今回のスペシャル版で、おかなりの部分が凝縮されてしまっている様な気がして些か不安にはなります。まさか、物語の将来を暗示させるだけでTVドラマとしては今回で終わりとするようなことは無いだろうかと・・・。
 本当ならば、NHKの2014年放送の木曜時代劇で、同じ高田郁著の文庫本一冊分の物語を連続9回とじっくりと描いた「銀二貫」の様に、また初心?に戻って是非とも連続物で放送してもらいたいのですが、配役のスケジュール確保等、我々視聴者には分らぬ制作現場での色々難しいこともあるでしょうから、でも原作を損ねぬ様に、是非とも丁寧には描いてもらいたいと思います。特に、主役のヒロインを演じる黒木華嬢が何とも原作の澪にピッタリの配役で好演だっただけに・・・。

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