カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 我が家は、一度私が中学3年の時に茅葺の家と土蔵を取り壊し、畑の中に新築して引っ越して来ていますので、その際に古いモノ(今でいう骨董品の類)は処分してしまっています。
例えば、今では松本民芸と言われる様な古いタンスを、古道具屋が新しいタンスに変えてくれたと喜んでいたのを思い出します(今となっては、どちらに本来価値があったのかは「鑑定団」を持ち出さずとも一目瞭然ですが)。

 そのため、今の母屋に大事に保管されていた大量の不用品の中には、単なるゴミが殆どですが、中には頂き物や冠婚葬祭の引き出物など、昔は親戚だけでなく同姓や集落の隣組などでのそうした機会が頻繁にあったでしょうから、そうした引き出物で頂いたタオルや毛布、敷布や布団カバーといった類の未使用品がそのまま山の様に保管されていたりします。
勿論、可燃ゴミで廃棄することも可能ですが、未使用品を捨てるのは勿体ないので、そうしたモノはリサイクルショップで買い取ってもらうことにしました。
しかし、まぁ、捨てるよりは罪悪感は少ないとはいえ、
 「えっ、そんなに安いんですか??」
値段は種類に余り関係なく、どれも微々たる金額です。たくさん持ち込んでもせいぜい数千円になれば良い方で、場合によっては百円玉数個という時もありました。しかも、コロナ禍のせいか、値段が付かないモノは以前はどの店も引き取って処分してくれたのだそうですが、今は持ち帰らなければいけない店舗が殆ど。しかし、捨てるよりはイイか・・・と自身を納得させるしかありません。

 もっと、ヒドかったのは古物商とか古道具屋さんでした。
鑑定団の様に、とにかく古いモノほど価値があるということだと思うのですが、最初は殆ど良いモノが無い、時代が若い、興味が無いというような感じなのですが、
 「じゃあ、タダでも良いので持って行ってもらえれば助かります・・・。」
すると、待ってました!とばかり、それまでは値段が付かない、時代が新しくて価値が無いと言っていたのに、まるで掌を返すが如く、おもむろにアレもコレもと何でもかんでもまとめて車に運び込みんでいきます。えっ。それって全く価値が無いって言ってたモノじゃない!というモノが殆どではありませんか・・・。当方はそれを見て、当然ではありますが・・・、
 「えっ、えっ、えーーーっ・・・!!」
きっと、売り主の「・・・だったら(邪魔なので)タダでもイイから・・・」という言葉を待つのが常套手段なのかもしれませんが、それにしても、まるでハイエナの様ではありませんか・・・。結果、軽トラックに荷台に満載して・・。しも、思い茶箪笥を一緒に手伝って運んであげた当方のお人好しぶり・・・。市内の骨董屋さん二軒とも同じでしたので、それがこの業界の常識なのでしょうか。最初は23000円。次は15000円、〆て38000円也。
まぁ、クリーンセンターに持ち込めば重さで料金が掛かるので、無料で引き取ってもらえれば助かるモノも確かに含まれていたのかもしれませんが、店頭に並べる時は一体如何程の値札を付けるのか、十倍か、百倍か・・・、いやタダだったら∞倍か・・・。
そんな彼等の“ハイエナ商法”に些か興味を感じた次第です。勿論、些少でも買って売れなければ当然ですが死蔵在庫になってしまいますので、少しでも安く仕入れるために彼等も必死なのでしょう。しかし、そんな死肉を漁る様な商売をしていて継続性はあるのでしょうか?・・・などと、どうでもイイのですが、彼らの商売の将来性、発展性まで思いを馳せてしまいます。買い取りは家の整理や片付け時の一過性の商売で、客は一ゲンさんだからそんな商売でも構わないのでしょうね。
現代は「猫の茶碗」に登場する茶店の店主の様な人たちばっかりで、「井戸の茶碗」に出て来る正直清兵衛さんや千代田卜斎も高木佐久左衛門の様な人たちは今の世の中には居ないのでしょうかね・・・。

 それにしても、古物商恐るべし・・・。