カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 長野市に在る信陽食品という会社の即席麵「ポンちゃんラーメン」。
長野県と周辺の一部だけで販売されているインスタントラーメンなので、所謂ご当地麺だと思うのですが、歴史は古く1964年(昭和39年)発売。私メが子供の頃からあり、ローカルTVのCMで「♪ぼくんち、ポンちゃんラーメンだ~」というコマーシャルソングと共に、今もパッケージに印刷されているちょっとシュールな狸のキャラクターが記憶に残っています。

 世界初の即席麵である日清のチキンラーメンが昭和33年(1958年)、今でも国内主力のロングセラー商品である「サッポロ一番(醤油味)」と「明星チャルメラ」が共に昭和41年(1966年)だそうですので、一地方企業でありながら信陽食品の昭和39年発売というこの「ポンちゃんラーメン」の古さが分かります。
確か2004年の中越地震の時だったとかすかに記憶しているのですが、製造元の信陽食品が地の利を生かして、いち早く「ポンちゃんラーメン」を新潟県内の避難所に救援物資として届けたと地元ではニュースになりました。
因みに製造元である信陽食品は、霧下蕎麦で有名な信濃町で元々蕎麦粉の製粉事業でスタートした由。そのためか、現在でも業務用を中心とした蕎麦粉製造が主力で、「ポンちゃんラーメン」のパッケージに記載された内容に依ると、現在はこのインスタントラーメンは自社製造ではなく、OEMとしてマルちゃんの東洋水産北海道工場での委託製造とのこと。

 「ポンちゃんラーメン」は松本でもツルヤや松電(デリシア)などの地場のスーパーマーケットの麺類コーナーに並んでいます。懐かしさで、本当は一袋で(味見をするなら)十分なのですが5袋入りしかなく、やむを得ずパッケージで購入してみました。
麺は、ノンフライ麺やラ王に代表される生麵風でもなく、油で揚げられた即席麺と粉末状のスープという極々普通の昔ながらの袋麺です。香味湯や液状スープやスパイスなども無く、粉末スープのみ。しかし、発売以来全く進歩が無かったのではなく、恐らく60年の間にそれなりに改良改善はされているのでしょうが、久し振りに(それこそ60年振り?)食べる消費者心理としては「昔はこうだったよネ!」という昭和レトロの昔のまま!・・・というイメージです。
指示通り、3分茹でてから丼に事前に入れてある粉末スープに鍋の中身ごと注ぎ、スープと混ぜるタイプ。正直、生麺風の進化した「ラ王」などの袋麺に比べると、ブヨブヨとしたソフトな食感の麺は如何にも(昔の)インスタント麺という印象です。でも鶏ガラの醤油味のスープは正直美味しい!奇を衒ってはいませんが、スパイスが効いていて、あっさりですがコクも感じられて独特な印象。麺は余りいただけませんが、このスープは素直に美味しい!と感じられます。
昔食べたであろう半世紀以上も前の記憶はありませんが、懐かしさや珍しさというよりも、発売以来60年以上、長野県という地域限定ながらしっかり“生き残って”定着しているロングセラーの理由が分かった気がしました。

 もし麺をノンフライか生麺に変えて、このスープで食べたらもっと美味しいかも・・・そんな気がします。