カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 奥さまが娘たちの手伝いに上京して不在の平日、久し振りに松本市埋橋の通称“国体道路“沿いにある「若松食堂」へ。
看板には「拉麺の店 わかまつ」と表記されています(いつの頃からの看板か分かりませんが、拉麺という漢字が何だかイイですね)。
前回来たのは定年前の上田の子会社勤務だった時で、上田から塩尻の事業所への外出途中にランチで立ち寄ったと記憶していますので、少なくとも7年近く前の筈。「わかまつ」は街中のラーメン屋さんにしては珍しく、すぐ裏手に6台近く停められる結構広い駐車場が在るので、車で来ても助かります。

 7年前と同じ擦りガラスの引き戸の入り口で、如何にも昭和の頃からそのまま何も変わっていない感じの、所謂“町の食堂”といった雰囲気です。もし徒歩だと、松本駅からあがたの森方面まで駅前通りを直進して、手前の秀峰学園を右折してすぐ。駅からは凡そ2㎞近くあるでしょうか。ですので、駅周辺などで飲んでも、〆でラーメンを食べるには少々遠過ぎます。従って、ご近所さんはともかく、一般の人にとってはふらっと入れる店では無く、最初からここ「わかまつ」でラーメンを食べるために来る店です。
入る前から入り口付近の換気扇から噴き出す煙で分かりましたが、店内も煙でもうもう・・・。どうやら出前用なのか、餃子を焼く煙の様です。
「わかまつ」は地元の人気店ですので、行ったのは混雑する昼休みを避けて1時半頃でしたが、カウンターに食べ終わった常連さんが一人だけ。
狭い店内はテーブル2卓とカウンターが5席なのでカウンター席に座ろうとしたら、オジサンが「煙くてワリイね」とテーブル席を勧めてくれました。
 壁に貼られた短冊のメニューには、ラーメン類以外にも、カツ丼、中華丼、焼肉ライス、ソース焼きそば、固焼きそばなどもあるので、正式な店名通り“町の食堂”なのでしょうが、殆どは「ラーメンのわかまつ」として認識されている筈。餃子を焼く煙が店内に立ち込めていましたが、テーブルには2年位前からだそうですが、「餃子始めました」の案内がありました。
その手書きのカラーイラストもですが、併せて壁には松本観光大使も務める山好きの漫画家鈴木ともこさんのイラスト入りのサイン色紙が何枚か・・・。松本在住故、どうやら彼女も「Doon食堂インド山」に加えて「わかまつ」の常連さんになったのでしょうか。
 さて、私メの注文はラーメン大盛り。普通のラーメンが650円で大盛りは+100円。前よりは多少値上げされていますが、それでも他店よりはリーズナブルです。
注文すると“こってり”か“アッサリ”かを聞かれます。こってりは冷め難い様に鶏油をスープの表面に膜の様に張ってくれますが、私メはアッサリでお願いしました。
「わかまつ」のラーメンは、店構え同様に昭和の味。鶏ガラ主体のスープに、チャーシューの煮出したタレを“かえし”で足して、おそらく昆布か野菜の出汁も利いていて・・・。ただ今回感じたのは旨味というか何かが弱く、むしろ和風の出汁に近い感じがしたのですが・・・??
トッピングは、豚バラチャーシューが二枚にメンマ、焼き海苔、刻みネギ。海苔も今風のこれ見よがしな大判ではなく、控えめな名刺判サイズで飽くまで“昭和”の昔風。これに更にナルトが載っていれば、完璧に昭和でしょうか。
個人的に気に入っているのは麵が固茹での中細の縮れ麺。スープが良く絡み、カンスイが効いているのか、別にこってりをお願いしなくても大盛りで食べるのに少々時間が掛かっても、最後まで麺がのびないこと。
そして特筆すべきは、バラチャーシューの美味しさ。ほろほろと口の中で溶けていきます。これならチャーシューメンを食べたくなります。また、テーブルコショウが粗挽きのブラックペッパーなのもイイ。ラーメンには白よりも黒の方が絶対に合うと思います。
昔ながらの「支那そば」風で殆どスープも完食。値段も、ラーメン一杯650円、大盛りが+100円の750円と非常に良心的です。大盛りも軽く平らげて、
 「どうも、ごちそうさまでした!」
 派手さの無いシンプルなラーメンですが、昔子供の頃に連れて行ってもらって食べた、“三丁目の夕日”に出て来る様な懐かしい味。いつまでも変わらずにずっと続いていって欲しい、松本のそんな昭和レトロな“中華そば”。そう云えば、「Always 三丁目の夕日」の山崎貴監督の母校もこの直ぐ近くでしたっけ・・・。