カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 残暑お見舞い申し上げます。
信州もご多分に漏れず、猛暑日が結構ありますが、内陸のため湿気が少なく、また猛暑日であっても朝晩は21~23℃位なので、窓を全開にしていると入って来る風が寒くて、明け方に目が覚めて窓を閉める程です。まだまだ暑い日が続いてはいますが、立秋を過ぎたせいか、その頃からは朝20℃を下回る日も出て来ました。 そんな信州松本の、2025夏の風景です。


 先ずは信州松本のシンボル松本城。朱塗りの埋橋が塗り直され、モノトーンの天守との対比が映えます(7月4日撮影)
 土用丑の日の鰻です。今年は長女が送って来てくれた鰻を自宅で戴きました(7月19日)
 7月24・25日の深志神社の例大祭“天神祭り”。氏子の各町会の16台の舞台が曳かれ、街中を練り歩きます(中町の舞台。7月24日撮影)
 松本は基本的に月遅れで節句を祝います。旧暦でないと、例えば雛祭りでは4月でないと桃の花が咲きませんし、6月にならないと柏餅に使う柏の葉も大きくなっていません。
ただ現在では保育園などは、全国に合わせて行うところもある様で、従って場合によっては2ヶ月近く飾り付けを楽しむことが出来ます。
旧暦で8月7日に行われる七夕祭。松本では七月に入ると、松本七夕人形が街のあちこちに飾られています。これは江戸時代から伝わる風習で、松本では短冊を付けた笹竹の他に、子供たちの健やかな成長を祈るために男女一対の七夕人形も一緒に軒下に吊るされます。この松本七夕人形は、全国でも唯一松本だけの伝統行事として300年間も受け継がれていて、今では街中の各商店などに飾られて松本の夏を彩っています(7月24日撮影)。
 夏と云えば、真っ赤な夕映えに生える黒い屏風の様な北アルプスの峰々。千変万化で刻々とその表情を変え、二度と同じ景色を見ることはありません。大自然が“日本の屋根”に描く、“真夏のプロジェクターマッピング”とでも云ったら良いでしょうか。自然の織り成す“芸術作品”に、暫しうっとりとする瞬間です。(同じく7月24日撮影)。
 続いて、これまた夏の風物詩の花火です。日本最大の3万発を打ち上げる夏の諏訪湖の花火には比べるべくもありませんが、松本では8月9日に薄川で筑摩の花火大会が行われ、3000発の花火が松本の夜空を彩りました。我が家でもマンションのベランダから、ビル越しに花火が眺められます。ちょうど帰省して来てくれていた次女と孫たちと一緒に、夏の風物詩を楽しみました。もう少し孫たちが大きくなったら(音が怖くなくなったら)、湖畔で諏訪の花火を皆で楽しめたらと思います(8月9日撮影)。

 お盆。ご先祖様の霊をお迎えするための“お棚”を作ります。そこに仏壇から位牌などを移動して、またご先祖様をお墓から乗せてお連れする精霊馬を作って飾りますが、キュウリの馬とナスの牛です。これは、ご先祖様を迎えるにあたって、「少しでも早く家に帰って来られる」様にお迎えは馬に乗って、そして帰る時には牛に乗って「ゆっくりとお帰りください」という気持ちを表すと云われています。私の子供の頃までは、先祖の霊をお墓にお送りする際に、この馬と牛も近所の川に“精霊流し”の様に流してお送りしたのですが、今は環境上の問題もあり川に流すことはせず、自宅で処分しています。
旧盆となる8月13日の迎え盆。松本地方では白樺の樹皮を剥いで乾かしたカンバ(「樺」、白樺の意)で、迎え火をお墓と家の玄関先でも焚いて霊をお迎えします。カンバの灯りで、お墓から家までの道筋をご先祖様に示すと云われています(送り火の場合は逆に玄関→お墓の順番で焚きます。防火上、ペットボトルに水を用意して、火が消えてからちゃんと水も掛けます)。
因みに、カンバはこの時期になると地元のホームセンターやスーパー等で普通に売られています。松本地域以外にもカンバを焚くエリアが長野県内では北信地方にもあるようですが、少なくとも諏訪地域ではそうした風習は無いようです。家内の実家でもカンバは焚きませんし、婿に入った父方の茅野に住む伯父の家でも、亡き叔父はわざわざ松本からカンバを買って来て、お盆には松本流にカンバを焚いていたそうですが、茅野出身の叔母はカンバは知らなかったそうです。
 8月16日の送り盆。カンバを焚いて送り火をして、ご先祖様をまたお墓にお連れして、今年もお盆が静かに過ぎて行きました。

  以上、今年見つけた“信州松本 夏の風景”でした。

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