カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 年末に松本市のH/Pにある「市長への手紙」コーナーへ私がメールさせていただいた、「源智の井戸」の清掃活動についての窮状を訴える投書。
それを市長がご自分で直接読まれ、「現状と課題を整理する様に」とご自身で呼ばれて指示されたのが、井戸本来の担当課ではなく、「地域づくり課」の課長さんと「源智の井戸」のある町会のエリアを担当する「第二地区 地域づくりセンター」のセンター長さんでした。
因みに、「地域づくり課」は松本市の地域づくりの推進と市内35ヶ所の各「地域づくりセンター」を総括する組織であり、その統括下で、各地域の課題の把握・集約・解決に向けた支援と地区関係団体の育成、支援、相談対応をする中で、市と地区関係団体等との連絡調整など各地域の実情に応じた具体的な活動を実際に行うのが、市内35ヶ所に設置されているという「地域づくりセンター」です。

 正月休み開け早々に課長さんから私に直接電話でご連絡を頂き、私と会って実際の状況を直接確認したいとのことでしたので、その数日後にちょうど井戸清掃が予定されていたことから、私にヒアリングされるよりも、ずっと活動をされて来た地元町会の方々に話を聞かれた方が良いのでその旨申し上げ、私が地元有志の方々とを仲介調整した結果、1月中旬の朝7時からの清掃活動を実際ご覧頂いて、その後、「源智の井戸」の在る地元町会の町会長さん、そして清掃活動に毎回参加されてきた86歳の代表者を始めとする地元有志4名の方々と、部外者ではあるのですがボランティアで参加している私も町会役員の方からの依頼もあって、清掃後の話し合いに一緒に同席参加させて頂くことになりました。
そして、その後も井戸の担当課の方々も含めて三回程会議を重ねた結果、市側と地元町会の皆さんとの間で以下の三つの内容が確認、合意されたのです。
 先ずは、市側の来年度予算が通りそうなので、4月以降は専門の業者に委託して月2回「源智の井戸」の清掃業務を実施する。
一方で、松本市も少子高齢化とドーナツ化現象で市の中心街の人口が減っており、人手の無くなってしまった地元町会は清掃活動から“卒業”し、その代わりに日頃の井戸の様子は地元に住んでいないと把握できないため、町会長はじめ地元の方々に出来るだけお願いして、気の付いたことを市の担当課へその都度連絡いただく。
また、月2回の清掃だけでは特に藻の繁殖し易い夏場はカバーしきれない可能性もあるため、清掃活動のボランティアを募集して、業者清掃と並行して4月以降も継続的に月一回定期的にボランティアに依る清掃活動を実施する。
 以上のことが、市、地元町会間で合意され、早速地域づくりセンターが中心となって、ボランティアの募集活動をスタートしました。
市のH/Pでの告知、「源智の井戸」周辺にも募集のチラシを貼って、二次元コードや電話でのボランティア参加の申し込みを開始した結果、責任を感じた地域づくりセンター傘下の各町会長連合会の有志の方々も含め、私の様な「源智の井戸」で水を汲みに来ている利用者など、合わせて20人近い申し込みがあり、私も参加しているこれまでの有志での3月に行う2回の清掃活動に、今回実際申し込まれたボランティアの皆さんにも実地見学と試しに清掃活動にも参加して貰って、引継ぎを兼ねて、今後の清掃活動への理解と参考にしていただきました。
そして、その様子は地元紙やタウンペーパーにもニュースとしても取り上げていただいたので、今後に向けて少なからぬPRにもなりました。
 30数年間も自主的に「源智の井戸」の清掃を続けて来られたという有志の会のお仲間が高齢化で次第に抜けて、遂に86歳の会長さんたった一人になってしまったのを見るに見かねて、去年の5月から手伝うようになった井戸のすぐ近くにお住いの高齢のご婦人。そして「高齢のお二人だけに任せてはおけない」と、有志で昨夏7月から参加された地元町会の役員のお二人。更に、その窮状を伝える地元紙の記事を9月に見て、長年タダで水を頂いてきた利用者としては居たたまれずに直ぐに市役所にメールしたのですが、その後3ヶ月も経って会長さんを紹介され、連絡を取って12月の清掃から加わった私メ。合わせて5名の「井戸と花の会」。
その清掃活動を通して、これまでの「源智の井戸」の維持管理に関する経緯経過について、朝7時から地元町会の有志の皆さんと一緒に掃除をしながら、色々とお話しを伺って一番驚いたのは、部外者の私などは「井戸は地元町会の宝の筈」と勝手に決めつけていたのですが、確かに“歴史ある文化財”としての存在自体は“町の誇り”かもしれませんが、井戸周辺の殆どのお宅にはそれぞれご自分の井戸があって、この「源智の井戸」の水は利用したことも無いし飲んだことも無い・・・という、10年来わざわざ車でドリップ用の水を隔週で汲みに来ている私にとっては、或る意味“衝撃的”な事実でした。
そこで、この「井戸と花の会」メンバーでの清掃活動が最後になる3月。その日の朝6時半に家を出る前に、「源智の井戸」の水で淹れたコーヒーを保温水筒に詰め、一緒に紙コップも持参して、掃除の後にこれまでの清掃活動の労いへの乾杯代わりに皆さんに飲んでいただきました。すると、口々に・・・、
 「へぇ~、初めて飲みましたけど、本当にコーヒー美味しい!」
 「そうでしょう?そうなんですヨ!」
皆さん「源智の井戸」の水で淹れたコーヒーの美味しさに、一様に驚かれていました。
そんな「源智の井戸」の水を“使いもしないし、飲んだことすら無い”という地元の方々が、井戸自体の清掃だけでなく、時に観光客などが水を汲んで飲んだペットボトルや食べたゴミなどを捨てて行くのを片付けるなど、井戸の周りもキレイにして、ずっとこの井戸を守って来られたのです。
しかも、この「源智の井戸」だけが「まつもと城下町湧水群」の中で唯一の硬水なのですが、筑摩山系から流れ出る幾つもの河川により形成された複合扇状地である松本盆地で、この辺りに自噴して来る湧水は地下に様々な水脈があるらしく、湧水群や各家庭の井戸のどれ一つとっても水質や味が異なるのだとか。
松本市内で地下水や温泉開発を手掛ける地元企業「サクセン」という会社のH/Pに依ると、
『昭和63年、サクセンにて(松本市からの委託を受けて)この井戸の復元工事に携わり、古くから名水として利用されてきたその理由には周辺とは違う水質にあることがわかりました。源智の井戸の湧出量は毎分約200リットル、水温はサクセン計測実績から平均15.5度の自噴井戸です。水質硬度は113mg/Lです。(硬度=水質を表すひとつの指標で、水に含まれているカルシウムとマグネシウムの総量のこと)源智の井戸の水は軟水の多い日本では珍しく、硬水系の天然水と言えます。』
(注記:市の保健所に委託し、毎年調査して開示されているデータとは数値は異なります)
会長さんなど地元の長老さん方のお話に依ると、一度井戸が枯れてしまい、市指定の文化財だったこともあって、市に陳情して昭和63年(1988年)に井戸の採掘作業をして貰い、従来よりもかなり深く、地下50mまで掘り下げたのが現在の「源智の井戸」なのだそうです。
同じエリアであっても掘る場所によっても水脈は異なるでしょうし、深さによっても当たる水脈も異なる筈。ですので、「源智の井戸」のすぐ隣の瑞松寺や道路を挟んだ眼科医院にも井戸があって水を汲むことが出来るそうですが、そんなに近くても「源智の井戸」とはまた味が違うのだそうです。
 複合扇状地に位置する松本市には、「源智の井戸」を始めとする平成の名水百選に選ばれた「まつもと城下町湧水群」の湧水や井戸が20数か所あるのですが、その全てが市中の狭いエリアに集中しているため、市から維持管理を委ねられている地元町会(注記:例えば湧水群の中には、「源智の井戸」の様な戦国時代からの古い井戸や湧水ばかりではなく、中心市街地再開発に伴い、地元町会が維持管理することを条件に平成の「水めぐりの井戸整備事業」で市が採掘した西堀公園内の「西堀の井戸」などもあります)は、少子高齢化の中で、遅かれ早かれ「源智の井戸」と同じ状況に陥ることは必定だと思うのです。
               (西堀公園の「西堀の井戸」)
その時に「源智の井戸」だけを市が清掃業者に業務委託するということは、今は可能であっても、将来的に20数か所全てを業務委託で対応することは予算的にも市政として無理であり、少子化とそれに伴う人口減少を前提にそうした将来展望をふまえると、もし予算化が無理なら“金を出さずに知恵を出す”ことで、地元の方々も含めて利用者など市民に依るボランティアでの清掃活動を水平展開していくことが必ず必要となる筈なのです。
そのためにも、市側は今回の「源智の井戸」の清掃ボランティアの募集や運営をモデルケースとして、例えば掃除用具の購入一つとっても、湧水群の維持管理に関して今後発生するであろう大小様々な課題や問題に対処していくことが、ひいては松本市の観光資源でもある「まつもと城下町湧水群」を、本当の“市民の宝”として市民自らの手で守っていくことに繋がることと確信しています。
勿論、一朝一夕で達成出来る訳では無く時間が掛かるでしょうけれど、そうなるためにも、10年来、そして今後も隔週で美味しい「源智の井戸」の水を我が家のドリップ用に戴いている利用者の一人として、少なくとも体が動ける間は私自身もボランティアの一員として今後も引き続き「源智の井戸」の清掃活動に参加させていただくことにしました。

 そして、この4月5日。今回の募集で集まったボランティアに依る、第一回目の「源智の井戸」清掃が行われたのです。朝7時に10数人集まっていただき、手分けして清掃作業を進めます。中には防災備品として災害用に購入したというポンプを台車に載せて運んで来てくださった第二地区の役員の方がおられ、ジョレンやブラシで擦って浮かせた藻を金網ですくうのと並行して、藻の混ざった汚れた湧水を一気に汲み出し、湧き出て来る新鮮な湧水に入れ替えたのですが、“三人寄れば文殊の知恵”ではありませんが、人数が多ければ色々なイデアが出るものだと感心しました。また、これまでは有志5人での清掃活動でしたが、10数人もいれば今までは手が回らなかった井戸周辺の水路までデッキブラシで擦って掃除することが出来たので、見違え得る様にキレイになりました。
今回のボランティアは「先ずはやってみよう!」で、多少“走りながら考える”的なスタートではあったのですが、そこは“巧遅は拙速に如かず”で、考えることも重要ですが先ずは“Do=行動すること”の大切さを改めて感じた次第です。
市の担当課の方に依ると、業者の選定も決まり、エクステリア専門業者が4月から月二回清掃に入ることが決まったとのこと。従って、我々ボランティアと合わせて概ね10日毎に計月3回の井戸清掃が行われることになりました。
 今回、地元紙の報じた記事をきっかけに、地元町会の有志の方々と知り合う中で、例えば備品の掃除用具のたった一つの購入でさえ、これまで市の担当課との折衝に長年苦労されて来られたが故に、今後の市側の対応についても地元の皆さんは「何を言ってもダメせ・・・」と非常に懐疑的でした。
しかし、そうした苦労を直接知らぬが故に、「どうせ“ダメ元”でも・・・」と私の投じた市長への一通の投書メールだったのですが、結果として“瓢箪から駒”で、それが一つの小さな切っ掛けとなって、松本市民の宝でもある「源智の井戸」が市民自らの手に依って今後の維持管理に繋がっていくのであれば、たまたまその一石を投じた人間としてこんなに嬉しいことはありません。
そして願わくば、10年後、20年後、私たちが動けなくなっても、次世代の人たちにこの「源智の井戸」の清掃ボランティア活動がしっかりと引き継がれていかれんことを・・・。

 戸建てに住んでいた時に、自分で張って作庭した15坪の芝生ガーデンを含め、奥さまと二人で丹精込めて世話して来た“庭”の中で、特に奥さまが一生懸命丹精込めて毎年世話をしたのが、零れ種で60株にまで増えたクリスマスローズでした。

我が家のアパートの敷地内の道路脇に亡き父が物置を設置して町会に寄贈した、我が家も含め町会内の10軒用のゴミステーションが在ったので、ご近所の皆さんがゴミを捨てに来る度に我が家の前を通るのですが、早春に満開を迎える“雑木林風ガーデン”の樹下に咲く色とりどりのクリスマスローズの群落を愛でられていた様で、時々お会いすると口々に我が家のクリスマスローズの見事さ褒めてくださったものでした(余談ながら、触発されてご自宅の庭にもクリスマスローズを植えられた方が数人おられた程でした)。
 4年前にマンションへ引っ越した際、さすがに丹精込めて世話して来た“庭”を持って来ることは出来ないので、せめてもと鉢に移植して持ってきたのがそのクリスマスローズでした(第1719話)。
色や花弁も一重八重と色々種類があった中で、黒と赤紫で一鉢、そして原種に近い白い品種の一鉢。それぞれ一鉢に5~6株ずつ移植して持って来てマンションのベランダに置いて、また家内が一生懸命世話をしています。その年は、僅かばかりでしたが頑張ってそれぞれ花を咲かせてくれました。

 それから3年目の今年は、白い花の鉢の方がたくさんの花芽が出て来て、最初に開花したのが3月2日でした。黒と赤紫の花は、移植後かなりの株が枯れてしまいました。昨年位になって漸く新しい芽が出て来たので、昨年よりも葉は茂って来たのですが、花芽は今年一つだけ。その蕾は少し遅れて3月16日に漸く開花したのですが、どうやら花が咲くのは今年はこの一株だけでしょうか。白い花の方は鉢から溢れんばかりに茂ってたくさんの花芽も付け、次々に花が開き3月下旬のお彼岸には満開になりました。
 三寒四温を繰り返して3月になって二度程“上雪(かみゆき)”が降った松本も、“暑さ寒さも・・・”の例え通りお彼岸を過ぎて漸く暖かくなり、4月1日には松本城のお堀の桜も開花。この週末には満開になりました。
クリスマスローズは、当初花芽が一つだけだった黒紫の花の鉢は、小さいですがその後3つ花芽が出てきました。片やたくさん咲いた白い花の方は、花弁が緑色に変化して来ました。但しこれは、花びらの様に見えているのは実は「萼」(がく)で、実際には花弁ではなく「萼弁」なのだそうです。本当の花はおしべ周りにある小さな突起の様な部分。この部分から蜜が出て、蜜線(ネクタリー)と呼ぶのだそうです。
花弁の様に見えた「萼」(がく)は、花の時期が終わって葉と同じ緑色に変化したのだとか。蜂や蝶の眼について、呼び寄せる役目が終わったということなのでしょうか。小さな花も、こうして良く見てみるとなかなか面白いですね。

 長女が以前二度ほど取り寄せしてくれて、とても美味しかった瀬戸内産の牡蠣。その後奥さまもトライしたのですが、どうやらアクセス先が違っていたらしく取り寄せが出来ていませんでしたが、そこで今回の松本滞在中に長女がまた取り寄せてくれました。
瀬戸内産と言っても広島ではなく岡山産の牡蠣で、水揚げ後漁港ですぐに殻を剝いて発送してくれるので、例え山国信州であっても到着日が発送の翌日で、その日だけは生食が可能。以前食べた時に、特に生ガキについては、本当に海辺で食べた様な全く生臭さの無い新鮮さに、(“山の民”信州人としては)それこそ感動すら覚えたのでした。
如何に有名なレストランであっても、これまで地元で牡蠣フライや牡蠣の天婦羅などを食べた時に感じる特有の生臭さ・・・。それはレストランの調理法がどんなに優れていても、食材の鮮度で決まってしまう味。ですので、例え素人が調理して自宅で食べるそれがいくら調理レベルで劣っていたとしても、この超新鮮な牡蠣は地元のそれなりに知れたレストランで食べる牡蠣料理を遥かに凌駕しているのです。

 個人的に、昔は(内陸部の信州で流通しているモノのせいか)牡蠣は美味しく感じられなかったので、それ程牡蠣は好きではありませんでした。ましてや生牡蠣など臭くて気持ちが悪くて“以ての外”でした。
余談ですが、それは牡蠣に限らず、流通が今ほど発達していなかった昔は、“臭い”ウニも嫌いで、社会人になってからの東京出張の折に、発注先の本部長さんが打ち合わせの後でランチに連れて行って下さった新橋のお寿司屋さんで、握りのセットの中にウニ軍艦が入っていて、残すのも失礼なので、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで目を瞑って口に入れたのですが、臭みなど全くないその甘味に驚いて、その後すっかりウニが好物になったのでした。
事程左様に、自分が生まれてこの方“好き嫌い”となった食材の決定要因の多くは、この“山国信州”では特に海鮮系に関して、おそらく鮮度に関して本当に新鮮で美味しいモノが食べられなかったがために、その時に食べた“鮮度が古くて匂う”食材や、新鮮な食材を活かす本来の調理方法とは異なり、多少鮮度が落ちた食材用の調理法だったがためか、その時食べたモノが美味しく感じられなかったという“負の記憶”にずっと苛まれた結果の蓄積で、結局その食材を嫌いになってしまったという理由も多かろうと思うのです。
幸い、例えば今や呼子のイカが生きたまま首都圏へのトラック輸送が可能になった様に、輸送技術や流通網が発達し革新されてきた結果、今では“山国信州”であっても、海鮮系に関しても例えば北陸の港に上がった朝どれの魚介類がその日の内に県下のスーパーマーケットの売り場や飲食店でも提供される様になりましたので、以前のようなことは少なくなりました。
 閑話休題。
今回も届いた新鮮で大振りの牡蠣。この日の牡蠣料理は、娘と私メは先ずは生牡蠣。そして私メが調理を担当しての牡蠣のガーリックソテー。奥さまが調理した牡蠣フライとオイスターチャウダー。年に一度?の牡蠣尽くしです。
送って頂いた牡蠣は1.6㎏と一度では食べ切れないので、1/3は牡蠣フライとして揚げるばっかりに処理して冷凍保存します。
社会人になってから・・・というより、シンガポールへの赴任中に時々開催されていた周年記念やGM交替時などの企業主催のパーティー。
著名なワールドクラウスのホテルのボールルームで催されるそれは名刺交換や談笑がメインなのですが、その際にビュッフェ的に用意されている料理の中に、季節によって、フランス風に敷き詰められた氷の上に殻に入った生牡蠣が並べられていて(新婚旅行でパリに行った際、旅行ガイドに乗っていたレストランで、地元のパリジャンたちが食卓に山の様に盛られた旬の牡蠣に夢中になっているのをしり目に、生牡蠣を食べられなかった私たちは一切見向きもしませんでした)、或る時に他に食べるモノが乏しかったのか、一度それを一緒に行ったローカルMgr.から勧められて、シンガポール風にチリソースで一度食べてみたのですが、それが美味この上無し!
 「えっ!?生牡蠣って・・・こんなに美味しいんだ!!」
と、これまた“目から鱗”の経験でした・・・。
その後は、例えば旅行先の厳島で焼き牡蠣を食べたり、出張先の夏の山形の庄内で大ぶりの岩ガキを頂いたりと、今では生牡蠣もしっかり食べられる様になりました。
 この日の我が家の夕食はまさに牡蠣尽くし。食卓には生牡蠣、牡蠣のガーリックソテー、定番の牡蠣フライ、そしてオイスターチャウダーが所狭しと並びました。
先ずは、大ぶりの生牡蠣を私メは常備しているスイートチリソースで。娘はレモン果汁で戴きます。それにしても旨い!驚くのは生臭さが全く無いことです。この岡山産の牡蠣は水揚げされて殻を剥き、すぐに袋詰めがされて直送されてくるため、信州であっても翌日到着したこの日だけは生食可能とのこと。
続いて牡蠣のガーリックソテー。キレイに流水で水洗いしてペーパータオルで水気を切って、片栗粉をまんべんなくまぶし、オリーブオイルでスライスしたにんにく炒め、その上で軽く塩コショウを振って両面に焼き色が付く程度に牡蠣を炒め、シンプルにレモン果汁を垂らしていただきます。前回は北陸系のスーパーで買った牡蠣でしたが、自宅で作って家内に好評だったレシピです。今回の牡蠣が前回以上に新鮮だったのが一番の理由ですが、こちらも皆に好評でした。
そして家内の作る牡蠣フライ。定番のこちらも言わずもがなです。少なくとも、地元のどんなレストランの牡蠣フライよりも新鮮で美味しく感じます。こちらはタルタルソースとトンカツソースで戴きました。
そして、特筆すべきは家内の作ったオイスターチャウダー。まさに絶品でした。娘がMBA留学中に連れて行ってくれたサンフランシスコのフィッシャーマンズワーフでも食べた、本場のクラムチャウダーよりも牡蠣は良い出汁が出るのか、今回のオイスターチャウダーの方が美味しく感じられました。これは大発見!次回からまた牡蠣を取り寄せたら、オイスターチャウダーはマストだと認識した次第。
 長女のお陰で、山国信州でも本当に新鮮な牡蠣を、それこそ“牡蠣尽くし”で思う存分楽しむことが出来ました。

 長女が渡米するに際して色々置いていったモノの中で、有難く使わせて貰っているモバイルプロジェクター AnkerのNebula CapsuleⅡ。
以前第1966話でご紹介した様に、
『娘は東京のマンションの壁に投射していたので、付属品のカメラに使う様な三脚があって、プロジェクターの投射角度を固定するのですが、天井照射には向かない(90°直角には固定が出来ない)ので、ベッドの頭の“ヘッドボード”と呼ばれる部分の厚いボード(板材)に三脚の脚を背に差し込んで固定したりと(これだと上手く固定出来ず、強く押すとボードに傷が付いてしまいます)色々試した結果、些か恥ずかしいのですが、最終形は適当な大きさの小さな箱の側面を半円形に切り取って、そこに円筒形のプロジェクターのボディーを固定して天井に投射しています。しかしこれが、画面の左右移動も含め非常に上手く固定出来、使い勝手も良くて大正解でした。』

 我ながら感心する程の出色のアイデアではあったのですが、しかし見た目はまるで小学生の図画工作の様で些かみっともないので、ナントカもう少し見た目を良くしようと工夫することにしました。
調べてみると、AnkerのNebula CapsuleⅡは購入する時に梱包されている箱が天井照射に使える様になっているそうなのですが、娘はオプションで購入した専用の三脚で壁に照射していたので、購入時の箱は捨ててしまっています。ですので、天上照射するために“箱を使う”というのはあながち間違っていなかったというより、むしろ正しかった様です。
そこで、余りお金を掛けずにもう少し“ちゃんとした”箱にするべく、100均で探してみました。最近の100均は「えっ、こんなモノまで売ってるんだ!?」と品揃えが豊富で驚く程!・・・ですから。
 円筒形のモバイルプロジェクターのサイズが直径8㎝×高さ(長さ)15cmですので、半円形ですぽっとハマる様にすべく、高さは最低5㎝以上、幅は直径8㎝が収まる様に最低10㎝以上、また奥行きは長さ15㎝のプロジェクターを載せるので10㎝以内。
そんなサイズの“立方体の箱”で、且つ半円形の“穴”を自分で開けないといけないので、刃が立たぬ様な固いプラスティックではなく、カッターナイフやハサミで切れる様な“柔らかな”素材でないといけません。
以上の条件を前提に選んだのは、ザル付き水切り保存パックという透明なプラスティック製の600mlの小型容器と、フタ付きの紙製ボックス。
この二つを購入して、側面に半径4㎝の半円形を切り取ることにしました。
出来るだけ正確な半円にするため、併せてコンパスも購入しました。〆て330円也・・・。
 
 家に帰って早速制作です。やはり紙製の箱の方が切り易いし、厚紙でそこそこ強度もありそうで蓋もあるので、それを底にすれば二重になって更に頑丈になります。
そこで、紙製のBOXを使うことにして、両側面の真ん中にコンパスで半径4㎝の半円の線を引いて、その線に沿ってカッターナイフで正確に切り取りました。切った部分はガムテープを貼って切り口を補強。
正確にモバイルプロジェクターと同じ直径8cmの半円ですので、すっぽりとプロジェクターが収まりズレも無く固定出来ました。これならモバイルプロジェクターは床面に対して平行に置かれていますし、また左右の移動もスムーズに行えるので、台形補正だけで左右の補正が出来ないNebula CapsuleⅡですが、かなり正確に天井照射が可能になりました。
ということで、コスパ的にもそれ程掛けずに、今回も結構満足のいく出来栄えになりました・・・ということで、ヤッタネ!!(誰も褒めてくれないので、単なる自己満足です)

【追記】
長女が10日間ほど松本に滞在していた間、マンションの自分の部屋で寝る時にプロジェクターを天井照射してNetflixなどを視るのに使っていました。
彼女は東京のマンションに居た時に、TV代わりにこのプロジェクターを購入して、オプションの三脚を使って壁に投射して視聴いました。今回の松本では、私の作ったお手製の設置台の箱を使って寝る時には天井に投射していたのですが、このプロジェクターAnkerのNebula CapsuleⅡは円筒形なので、設置台の箱の半円の中で簡単に回転させることが可能です。そのため、壁に照射することも簡単に出来るので、時々は横の壁に投射するのに大いに重宝したとのこと。そこで、
 「これ、なかなか使えるネ!」
とお褒めの言葉。
 「そうでしょ、そうでしょ!」
娘からのその一言で、作った努力が大いに報われた・・・と感じた次第です。

 長女が松本滞在中に、久世福と無印でNYのお友達へのお土産とNYで使う日用品を買いたいとのことで、パルコは2月末で閉店してしまったため、大混雑する週末を避け、多少はまだマシな平日にイオンモールに出掛けました。
 ちょうど昼時だったので、買い物が終わってからそれぞれが好きなモノを選べるフードコートでランチを食べてから帰ることにしました。
イオンモールにはフードコート以外にも専門飲食店街もあるのですが、フードコートには色んな店もあるのでそれぞれ自分の食べたいモノが選べますし、時間が無い時などはセルフでささっと食事を済ませられます。また座席数が1000席と兎に角広いので、何より小さなお子さん連れにとっては、少し離れた席に座って子供たちが多少騒ごうが泣こうが周りに余り気兼ねせずに食べさせることが出来ます。ですから特に子育て中のヤングファミリーの皆さんには、市内では数少ない子供連れで安心して外食が出来る人気のエリアです。
こちらのフードコートで食べる時には良く利用していた(松本で長崎チャンポンは他では食べられないので)リンガーハットは残念ながら撤退してしまいましたが、10数店舗ある中から母娘は「小木曽製粉」のお蕎麦にするとのこと。しかし私メはせっかくの機会ですので、「凌駕IDEA」でラーメンを食べることにしました。こんなことでも無いと、独り以外の時にラーメンなど食べることが出来ませんから・・・。
(写真はH/Pからお借りしました)。

 この「凌駕IDEA」は、煮干醤油ラーメンを看板にニボジローなど、松本市を中心に長野県内に多店舗を展開する地元で人気の凌駕グループのメインブランドで、イオンモールのフードコートにも出店しています。
数組行列でしたが、ラーメンなら早かろうと思ったのですが、ワンオペではなく(但し、調理とトッピングは若い女性スタッフ一人で切り盛りされています)4人程スタッフがいるのに、結構時間が掛かりました。
選んだのは、イオンモール店限定という「松本ブラック」(800円)。大盛り無料とのことで、有難く大盛りでお願いしました。呼び出しベルを渡されて順番を待ちます。4~5番目だったかと思いますが、思いの外時間が掛かり、途中で家内が心配して座っている席を知らせながら見に来ました。
計った訳ではありませんが、サーブされるまでに10分以上掛かった様に感じました。
 さて、こちらの「松本ブラック」。その名の通り、黒いスープ、刻みネギ、チャーシュー、メンマ、最初から振り掛けられている粗挽き胡椒。カウンターにもブラックペッパーが置かれていたので、“追いコショウ”で更に追加して振り掛けました。
スープを先ず一口啜ると、凌駕らしくいきなり煮干し風味が感じられます。黒い色程スープは濃くはありません。麺はスープに良く絡む中細麺の縮れ麺。
 「ウ~ン・・・」
個人的には、やはり煮干しは好みではない様です。やはり鶏と豚のスッキリしたガラスープの方が好きだなぁ・・・。

ラーメンで「松本ブラック」と称するのは、同じ松本の駅前通りにある「マルキ商店」にもあって、以前食べたそのマルキ商店の「松本ブラック」(第1717話)は、鶏と豚から摂ったガラスープをベースにした、焦がし醤油の真っ黒なスープで、色程に濃くは無く、勿論十分に塩気はありますが、むしろ塩味よりは甘味を感じました。一杯に盛られた九条ネギという青ネギの下の麺は細めのストレート麺でした。
但し、個人的に“ブラック”のイチオシは、「ブラック」と名乗っている訳では無いのですが、やはり“元祖”京都ラーメンの名店「新福菜館」の黒いスープの中華そばと、その醤油を使った黒いチャーハンでしょうか。
              (東京麻布十番の新福菜館にて)
 因みに、凌駕グループでは複数ブランドを展開する中で、最近松本市内の元町に、豚ベースの京都スタイルのラーメンという、黒醤油のコクと風味が香る「中華そば 焼きめし やま本(ヤマモト)」をオープンしたとのことですので、“京都ラーメン”を代表する新福菜館か第一旭のどちらか寄りかは分かりませんが、もし京都風のラーメンがここ松本で本当に食べられるのなら、行ってみる価値がありそうです。ですので、むしろ私メが食べるべきは「凌駕IDEA」の松本ブラックではなく、同じ凌駕グループの「やま本」の黒中華そばなのかもしれません。

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