カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 松本は、西郷孤月や草間彌生くらいしか地元出身の著名な美術作家がおらず、また縁の画家もいないことから、残念ながら大した美術館はありませんでした。

 一方県内には、東山魁夷館を併設する長野県信濃美術館。そしてそれぞれの出身地では、菱田春草を生んだ飯田(残念ながら地元には収集品は多くありません)や、小山敬三美術館のある小諸、そして原田泰治美術館の諏訪、そして碌山館のある穂高(安曇野市)。また収集家縁の諏訪の北澤美術館や長野市の水野美術館、更には岩崎ちひろ美術館や無言館など多くの美術館があるのに比べると、松本は些か淋しい感は否めません(因みに、日本でも有数と言われる酒井コレクションを収蔵する日本浮世絵博物館もあるのですが、残念ながらロケーションが良くありません)。
ただ、8年前、松本市美術館が市民芸術館と対面する形で建設され、時折り興味ある展覧会が開催されるようになりました。
 今回は、国宝こそ来ていませんが、東京の出光美術館が所蔵する重文2点を含む所蔵品が松本市美術館で移動展として特別展示されており、家内を誘って見に行きました。
ただ見るだけでは勿体ないので、期間中の土日に行われるという学芸員さんの展示品の解説を聞きながら鑑賞することにしました。

 14時からの「トークギャラリー」と題しての解説には、老若男女合わせて20名くらいの市民の方々が集まりました。

 美術館の学芸員の方の解説で、出光美術館名品展として今回出展された、60点余りの展示品のうち、20点あまりを1時間ほどかけて直接解説いただき、その後じっくりともう一度個別に見て回りました。
当日解説を担当された女性の学芸員さんは、まだお若いのに一生懸命に、その人柄が滲み出るような真摯な説明をいただきました。
宗達、北斎、蕪村、定家、仁清などの作品が並ぶ中で、個人的には、藤原公任の筆と伝えられる平安の王朝文化華やかな『石山切「伊勢集」断簡』の見事な書に一番惹かれました。
その後、駆け足で常設展も見て回り、何とも贅沢な時間を過すことが出来ました。因みに同特別展は9月5日まで開かれています。

 写真は、洋芝が気持ち良いパティオ(周囲にせせらぎが作られていて、時々子供たちが水遊びに興じたり、芝生に寝っころがっています)と、その奥にある「ビストロ・サンチーム」(地元産の食材に拘り、自家製パンも美味しい“穴場”です)。早々に見学を切り上げた奥様は、私を待つ間一人でケーキを食しておられた由。「“華”より団子」で美味しかったそうです。
そして、正面近くの前庭に置かれた草間彌生のオブジェです。

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