カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 午前中にサービスアパートへの引っ越しを済ませ、我々がシャトルバスでパロアルトのショッピングモールTown & Country VillageにあるTrader Joe’sで買ってきたサンドイッチとサラダで簡単にランチを食べてから、明日の早朝帰国する婿殿の最終日なので、皆で半日観光へ。

 元々皆でヨセミテに行こうかと検討したのですが、日帰りでは無理なことが分かり、来月から婿殿のLA赴任が決まっているので、またいつか来れば良いと今回は断念。ワインで有名なナパバレーは、奥さまがもう二度とここで車の運転はしたくないとの仰せで、二人しか飲めないのでは運転する人が可哀想と、これも諦め。
そこで、娘の推奨する通常カーメルと呼ばれるモントレー半島の小さな街、Camel-by-the-Seaへ行くことになりました。パロアルトから高速で南に2時間弱のドライブだそうです。
 往路は婿殿の運転。慣れたもので、来月からのLA赴任も問題ありません。
乾季なのか、枯れた草原と松なのか緑の木々が対照的な丘陵地帯を走り、時々牧場や広大な野菜畑や果樹園が拡がっています。米国は機械化された大規模農業というイメージでしたが、それは小麦やトウモロコシなどの穀倉地帯のことなのか、種類までは分かりませんでしたが、ここ西海岸の野菜畑などは思いの外日本の農業に似て労働集約的で、丁寧に栽培されているように感じました。ちょうど旬なのか、日本で云うアメリカンチェリーの観光農園の看板も見受けられました。

 モントレー半島の南側に位置して湾を臨むカーメル。湾が見えると、急に霧が巻いてきて、空も曇って来ました。海岸沿いは気候も変わり易いようです。丘陵地帯から、長い坂を下ってカーメルの街へ入ります。2時間無料と云う路上駐車をしてから街を散策します。
曇天で太陽も隠れていて、外は肌寒いくらいです。そこで、家内が一年前のサンフランシスコで(余りの寒さに)買って来たNORTH FACEのジャンバーをお互い羽織ろうとしたら、この日に合わせたサプライズで、娘がこれを着て欲しいと車のトランクから出して来たのは、それぞれ“STANFORD DAD” と“STANFORD MUM”のロゴが入った真っ赤なスタジャン。留学したため、一年遅れでの我々二人の還暦祝いの“ちゃんちゃんこ”代わりとの由。
 「恥ずかしがらずに、チャンと着てよね!」
との仰せに、二人で有難く着させていただいて街歩きです。
 通常カーメルと呼ばれる小さな街Camel-by-the-Seaは、元々はミッションと呼ばれる伝道所が作られて、カトリックの静養所を目指した街造りがされ、1900年代に入り芸術家や詩人が集まる街になったのだとか。現在でも芸術家が多く住み、そのため街中には多くのギャラリーがあり、またセレブの別荘やリタイアした方々などが住む街なのだとか。クリント・イーストウッドが市長を務めたことでも知られているそうです。
お洒落で可愛らしい街並みが続き、どの家も中世のヨーロッパを模した様な、それこそグリム童話やお伽話に出るような家をわざわざ造っているようです。
サンノゼでも昔の消防署が博物館になっていましたが、たかだか100年足らずのモノでも、歴史の新しい国では大切な“歴史的遺産”にするようです。ある意味、新大陸を求めて故郷の国を捨ててやって来た先祖たちの故郷の中世の街並みを、American Dreamを成し得た人々がその証として再現したかったのでしょうか。でも、テーマパークの様で、統一された実に可愛らしい街並みです。日本で云えば軽井沢や、海岸に近いのでむしろ鎌倉や葉山などの湘南のイメージでしょうか。
 街を下ってカーメルの海岸へ降りてみます。白浜の続く海岸は、SFやLAなど加州で随一の夕日のスポットだそうで、肌寒いのに海水浴に興じる人や、ペットに優しい街として知られるというカーメルは、犬連れの人たちが海岸にたくさんいました。しかし、半世紀以上前の「名犬ラッシー」のイメージと異なり、SFやサンノゼ、パルアルトでも大型犬よりもむしろ小型犬を連れている愛犬家の方が多くいたのには驚きました(ナナはシーズーですが、もしかすると最先端かも・・・。その一方、人気と云う日本犬は今回一匹も遭遇せず)。
どうやら、この日夕日を眺めるのは難しそうなので、我々は早々に海岸を後にして、街歩きに戻ります。
 娘が検索して、婿殿と私メ二人のためにワインのテイスティングへ。一人$15で4杯の異なるワインが試飲出来ます。このモントレーも気温の寒暖差が大きいため、ナパ程ではありませんが幾つかワイナリーがあるのだそうです。ワインのことは良く分かりませんが、ピノ・ノワールやシャルドネが美味でした。
以前日系の会社で秘書をされていたというお店の女性スタッフから、“Oh ! Stanford Parent.”の声に、娘の卒業式に来た旨を伝えると“Congratulations !”。“どうも・・・”でありました。
その後、早めに夕飯を食べて帰ることにしました。娘が検索し、イタリア料理のお店に。最初、他の欧州料理のレストランを予約していたのですが、街歩きの途中で、「ん!?こっちの方が良さそう!」と突如変更。こんな娘に付き合う婿殿も大変ですが、ヒラメキ派とじっくり型、大胆派と慎重型で意外と凸凹で夫婦としてはバランスが取れているのかもしれません。
車をレストラン近くの駐車スペースに移動してのイタリアンは、ビストロ「Little Napoli」。我々が座ると、間もなく満席になりました。どうやら地元の人気店の様で、ガーリックブレッドとアサリの蒸し料理が「大変美味しゅうございました!」。ピザは普通かな。食べ切れませんでした。
 還暦祝いの真っ赤なスタジャンと不思議なカーメルの街。良い記念の旅行になりました。帰路は娘の運転で1時間でサンノゼのホテルに到着(・・・ん!?ちょっと早くネ?)。運転、お疲れさまでした。
大学構内だけなら、自転車さえあれば車は不要。しかし、先輩の方からのアドバイスもあって、企業訪問や友人との人脈づくりには車が不可欠だった様で、留学中の行動範囲を拡げるためにも、帰国する日本人の方から中古の日本車を購入しておいて(その時点では運転免許も無かったのに)とても良かったとのことでした。

 事前に予約してあり、この日は二人共同じウエスティンホテルに泊まります。

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