カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 一年ほど前に旅番組を見ていて、瀬戸内の「レモン鍋」に興味を惹かれ、家で試してみました。皮を剥かずにそのまま使うので、ワックス等を使っていないレモンにする必要があります。そこで瀬戸内は広島県産の国産レモンを2個買って、醤油ベースの寄鍋風にして、最後にスライスしたレモンの輪切りを並べ暫く煮て(余り煮過ぎると苦味が出るとのこと)食します。正直物珍しくはあっても、然程感激するほどではありませんでした。
 問題は、1つ余ってしまったレモン。暫く冷蔵庫に入っていましたが、これと言った(料理の食材としての)使い道もなく、一週間ほどそのまま・・・。このままだと傷んでしまいます。どうしたものか・・・。
・・・という訳で、最近巷で流行っているらしい「塩レモン」にすることにしました。スーパーのレモン売り場の近くにレシピが置いてありましたし、ネット上にもたくさんレシピが紹介されています。この「塩レモン」はレモンを塩漬けにして発酵させた、元々は北アフリカのモロッコの万能調味料だそうです。
これが塩麹などと同様に、発酵食品ブーム、或いは「食べるラー油」など同様に調味料ブームの中で、最近注目されているのだとか。しかも、ただレモンを切って塩に漬けて発酵させるだけ・・・という手軽さが人気の理由のようです。
しかし、作ってはみたものの(と言うより、他にレモンを使うレシピ無し)一体何の料理に使えば良いのか・・・?
説明書に拠れば“万能”で「何にでも使える」とあるのですが、そうは云っても元材料は「レモンと塩」だけですから、そこに発酵の結果、仮に何らかの“旨味”が加わったとしても、例えば甘味や辛味の代替には成り得ません。発酵食品故に、若い女性であれば美容効果など期待するところではあるのでしょうが、中高齢ともなるとそこまでの拘りもありません。
お薦めレシピを検索し、定番の鶏肉や鮭のソテーやパスタなどを試してみても、塩レモンだからこそ・・・という感激や満足は特には我が家では得られませんでした。
 「別に、他の調味料でもエエやん・・・」
・・・と、結局、冷蔵庫の中で一年近く眠ったまま。

 この春先、いただいたホウレンソウやセリ、小松菜などで常夜鍋を作った際にポン酢で頂いたのですが、そのポン酢の中に塩レモンと粗挽きの黒コショウを入れてみました。すると、これが何とも美味!
塩レモンも一年近く冷蔵庫に入れっ放しにされていたため、その結果熟成が進んで苦味が消え、何ともまろやかな味に変化していました。以降、常夜鍋の時の定番になり、一年間使われずにいた塩レモンがあっという間に無くなってしまいました。
 そこで、以前頂いたまま、特にこれだという使い道が無くそのままだった国産レモン二つを次の塩レモンにしてみました。
1ヶ月経って発酵が進んだので、また冷蔵庫へ。次に常夜鍋を食べる時まで、きっとまろやかに熟成が進んでいるだろうことを願って冷蔵庫で保管しておこうと思います。